家で勉強しない中学生について、保護者の方からご相談をいただくことはとても多いです。
「スマホやゲームばかりで勉強しない」
「宿題しかやらない」
「テスト前でもなかなか机に向かわない」
こうした様子を見ると、つい「やる気がないのでは」と思ってしまいがちです。
ですが、実際にはそう単純ではありません。
家で勉強しない原因は、やる気不足ではなく、勉強に向かえる環境が整っていないことにある場合が多いです。
家で勉強しない中学生に多いのは「スマホやゲーム優先」「宿題しかやらない」状態です
家で勉強しない中学生にもいろいろなタイプがいますが、実際によく見るのは、
- スマホやゲームが優先になっている
- 学校の宿題しかやらない
- 自分から勉強する習慣がない
という状態です。
こう書くと「やっぱりやる気がないのでは」と思われるかもしれませんが、私はそうは考えていません。
むしろ多いのは、やる気が出るような環境がセッティングされていないことです。
ここでいう環境とは、立派な勉強机があるかどうかではありません。実際、机がなくても勉強できる子はいますし、リビングの方が集中できる子もいます。
大切なのは、その子にとって勉強に向かいやすい状態がつくられているかどうかです。
「勉強しなさい」が逆効果になることは少なくありません
保護者としては、勉強していないように見えると、つい声をかけたくなります。
ですが、思春期の子どもに対して「勉強しなさい」を繰り返すことは、逆効果になることが少なくありません。
当たり前ですが、家で何度も「勉強しなさい」と言われて、勉強したい気持ちになる子はあまりいません。
だから大事なのは、勉強そのものを親が管理することではなく、
本人が「勉強しないといけないかもしれない」と自発的に思える環境を整えること
です。
たとえば、
- 試験前は家全体を少し静かにする
- リビングでも勉強しやすい空気をつくる
- 必要以上に刺激しない
- 細かく勉強計画を管理しすぎない
こうした間接的な協力の方が、ずっと大きいと感じています。
親が本当にやるべきなのは「管理」より「姿を見せること」です
親が勉強計画を立てたり、勉強時間を細かく管理したりするのは、短期的には動くことがあっても、長い目で見ると子どもの主体性を奪いかねません。
それよりも大切なのは、親自身が何かに真剣に取り組んでいる姿を見せることです。
実際、自発的に勉強している子の多くは、家庭の中で親も何かを学んでいたり、仕事や読書に真剣に向き合っていたりします。
- 読書をしている
- 英語を勉強している
- 資格の勉強をしている
- 仕事に真剣に取り組んでいる
こうした姿を、子どもは思っている以上によく見ています。
親がゲームや遊びばかりしているのに、子どもだけに「勉強しなさい」と言っても、なかなか響きません。
逆に、大人が何かに打ち込んでいる姿は、無意識のうちに子どもへ影響を与えます。
主体性についての考え方はこちら
→ 主体的に取り組まない限り、勉強は伸びません
最初に必要なのは、無理に勉強させることではなく、現状をきちんと伝えることです
では、実際にどう立て直していくのか。
私は、最初から無理に勉強させようとはしません。まず行うのは、現状の確認と、これからの目標の確認です。
そして必要に応じて、かなり率直に現実を伝えます。
たとえば、
- このままだと行ける高校はどこか
- その高校の卒業後の進路はどうなっているか
- 本人がやりたいことや住みたい場所を考えたとき、その進路で実現できそうか
こうしたことを一緒に見ていきます。
少し冷たく見えるかもしれませんが、ただ怒るのではなく、自分の選択が将来とどうつながるかを見せることが大切だと思っています。
そのうえで、それでも今のままでいいと本人が思うなら、私は無理に引き止めません。選択を尊重します。
こうした態度を取り続けていると、意外と生徒の方から「このままじゃまずいかもしれない」と思い始めることが多いです。
生徒が変わり始めるときには、はっきりしたサインがあります
生徒の中で何かが変わり始めると、行動にサインが出ます。
- 質問が増える
- 自分から課題を持ってくる
- 指示される前に勉強を始める
- 授業以外の時間に自習に来る
こうした変化が見えたら、大きな前進です。
いきなり何かを大きく変えるのではなく、現状を伝え続けながら、本人の中で何かが変わるのを待つ。そして、動き出したタイミングで適切に支援する。
この流れがとても大切だと思っています。
まとめ
家で勉強しない中学生を前にすると、「どうやってやらせるか」を考えてしまいがちです。
ですが、本当に大切なのは、
- やる気不足と決めつけないこと
- 勉強できる環境を整えること
- 親が管理しすぎないこと
- 大人が何かに真剣に向き合う姿を見せること
- 本人が動き出すタイミングを待つこと
です。
「勉強しなさい」と言いたくなる気持ちはよく分かります。ですが、まずはそこをぐっとこらえて、勉強環境の設定から見直してみてください。
場合によっては、親自身が読書や英語、資格の勉強など、何かに真剣に取り組んでみるのもよいと思います。
子どもに何かを求める前に、大人が何かに向き合っている姿を見せる。それが、案外いちばん大きなきっかけになることもあります。