companion は、「仲間」「連れ」「付き添う人」のように訳される単語である。
a traveling companion
旅の連れ
a lifelong companion
生涯の伴侶
どちらも、ただ同じ場所にいる人というより、ある時間や経験をともにする人という感じがある。
この companion という単語は、語源をたどるとかなり面白い。
companion は、もともと「パンをともにする人」という感覚を持つ。
「仲間」という言葉の奥に、食事を分け合う感覚が見えてくるのである。
com- は「ともに」
companion の前半にある com- は、「ともに」「一緒に」という意味を持つ要素である。
英単語には、この com- / con- / co- のような形がよく出てくる。
combine:結び合わせる
connect:つなぐ
cooperate:協力する
どれも、何かが一緒になる、つながる、共同で行われるという感覚を持っている。
companion の com- も、この「ともに」という感覚で考えるとよい。
panis は「パン」
companion の後半には、ラテン語の panis「パン」が関わっている。
つまり、companion は大きく見れば、
com-:ともに
panis:パン
という組み合わせである。
かなり素直に言えば、
パンをともにする人
という方向で理解できる。
ここでいうパンは、単にパンという食べ物だけでなく、食事や生活を象徴するものとして見るとわかりやすい。
仲間とは、食事をともにする人だった
現代の companion は、必ずしも食事をする相手を指すわけではない。
旅行の同行者も companion である。
人生をともに歩む相手も companion である。
しかし、語源をたどると、出発点には食事をともにする感覚がある。
同じパンを分け合う人。
同じ食卓につく人。
生活の時間をともにする人。
そこから、「仲間」「連れ」「伴侶」という意味へ広がっていったと考えると、かなり自然である。
仲間とは、単に近くにいる人ではない。
何かを分け合い、時間をともにする人なのである。
company ともつながる
companion と同じ語源の流れには、company もある。
company は「会社」として覚えることが多い。
しかし、もともとは「人の集まり」「仲間」「一緒にいること」といった感覚を持つ語である。
keep someone company
人のそばにいる、相手をする
この表現を見ると、company が単なる「会社」ではないことがわかる。
companion も company も、根本には「ともにいる」「ともに過ごす」という感覚がある。
そして、その奥に「パンをともにする」という生活感が見えてくる。
日本語の「仲間」と比べてみる
日本語の「仲間」も、かなり面白い言葉である。
「仲」は関係や間柄を表し、「間」は人と人とのあいだを感じさせる。
一方、companion は、語源的には「ともにパンを食べる人」という方向から来ている。
日本語の「仲間」が関係性や共同体の内側を感じさせるのに対して、 companion は、食事や生活をともにするという具体的な場面が見えやすい。
もちろん、現代英語で companion を使うたびにパンを意識しているわけではない。
しかし、語源を知ると、「仲間」という言葉が少し立体的に見えてくる。
英単語は、生活の跡を残している
companion の面白さは、抽象的な「仲間」という意味の奥に、かなり具体的な生活場面が残っているところにある。
パンを分け合う。
同じ食卓につく。
同じ時間を過ごす。
そこから、仲間という意味が立ち上がってくる。
こうして見ると、英単語はただの記号ではない。
その単語が生まれた時代の生活や、人との関わり方を少しだけ残している。
companion は、そのことをよく感じさせてくれる単語である。
まとめ
companion は、「仲間」「連れ」「伴侶」のように訳される。
しかし、語源をたどると、
com-:ともに
panis:パン
という要素が見えてくる。
つまり、companion はもともと「パンをともにする人」という感覚を持つ語である。
そこから、食事をともにする人、生活をともにする人、時間をともにする人という方向へ意味が広がっていった。
companion を「仲間」と覚えることは大切である。
しかし、その奥に「パンを分け合う人」という感覚があると知ると、単語の見え方が変わる。
英単語には、昔の生活や文化の跡が残っている。
companion は、そのことを教えてくれる、かなり味わい深い単語である。