塾長ノート

lady と woman は何が違うのか

丁寧だけど、いつでも自然とは限らない

英語で「女性」と言いたいとき、まず思い浮かぶのは woman だと思う。

一方で、lady という語もある。

a woman
a lady

どちらも日本語では「女性」と訳せることがある。

しかし、woman と lady はまったく同じではない。

かなり大ざっぱに言えば、

woman:中立的な「成人女性」
lady:丁寧・上品・古風な響きが出ることがある「女性」

という違いがある。

woman は中立的な語

まず、woman はもっとも基本的で中立的な語である。

She is a strong woman.
彼女は強い女性だ。
The woman sitting by the window is my teacher.
窓際に座っている女性は私の先生です。

woman は、基本的に成人女性を表す普通の語である。

特別に上品に言っているわけでも、古風に言っているわけでもない。

その意味で、現代英語では「女性」と言いたいときの標準的な語として使いやすい。

lady は丁寧・上品に聞こえることがある

一方で、lady は woman よりも丁寧に聞こえることがある。

There is a lady at the door.
ドアのところに女性の方がいらっしゃいます。

この文では、woman と言うよりも少し丁寧な感じが出る。

また、

Ladies and gentlemen.

のような決まり文句では、lady はとても自然である。

この場合、lady は単なる「女性」というより、丁寧な呼びかけの語として使われている。

さらに、

She is a real lady.

のように言うと、「礼儀正しく、上品にふるまう女性」というニュアンスが出る。

つまり lady には、woman にはない「品位」「礼儀」「社会的なふるまい」の感じが出ることがある。

ただし、lady はいつでも安全な丁寧語ではない

ここで注意したいのは、lady がいつでも woman の丁寧版として使えるわけではない、ということである。

lady は、文脈によっては少し古風に聞こえることがある。

また、場合によっては、わざとらしく上品に言っているように聞こえることもある。

たとえば、単に「女性」と中立的に言いたいだけなら、woman の方が自然なことが多い。

She is an important woman in politics.

このような文で、woman は普通に使える。

一方で、

She is an important lady in politics.

とすると、少し古風だったり、語り口によっては妙に上品ぶった感じが出たりすることがある。

つまり、lady は丁寧な語である一方で、使う場面を選ぶ語でもある。

lady doctor は古風に響きやすい

もう一つ注意したいのは、職業名の前に lady をつける言い方である。

lady doctor

のような表現は、現代ではかなり古風に聞こえやすい。

単に「医師」と言いたいなら、普通は

doctor

でよい。

性別をどうしても明示する必要がある場合でも、lady doctor という言い方は避けた方がよいことが多い。

これは、職業に対してわざわざ「女性の」とつける必要があるのか、という問題とも関係する。

現代英語では、性別を必要以上に職業名へくっつける表現は、慎重に扱った方がよい。

girl との違いにも注意

ついでに、girl との違いにも触れておきたい。

girl は基本的に「女の子」を表す語である。

そのため、大人の女性に対して girl を使うと、親しみを込めた言い方になることもあれば、子ども扱いしているように聞こえることもある。

もちろん、友人同士の会話などでは、

girls' night out

のように、親しみのある表現として使われることもある。

しかし、一般的に成人女性を中立的に言うなら、girl ではなく woman の方が安全である。

つまり、

girl:女の子。大人に使うと文脈次第
woman:成人女性を表す中立的な語
lady:丁寧・上品・古風な響きが出ることがある語

と整理するとよい。

語源としての lady とのつながり

前の記事で見たように、lady は語源的にはパンと関係する古い語にさかのぼる。

一般には、「パンをこねる人」という方向で説明されることが多い。

現代の lady は、もちろんパンをこねる人という意味ではない。

しかし、家や食卓、ふるまい、社会的な役割といった感覚が、遠くに残っていると見ることはできる。

lady が woman よりも上品さや礼儀正しさを感じさせることがあるのも、 こうした社会的な役割やふるまいの感覚とまったく無関係ではないかもしれない。

ただし、ここは語源から現代の使い方を直接説明しすぎない方がよい。

語源は、現代の意味を決める絶対的なルールではない。

あくまで、単語の背後にある古い感覚を知るための手がかりである。

学習者はどう使えばよいか

英語学習者としては、まず次のように整理しておくとよい。

woman は中立的。
lady は丁寧・上品・古風な響きが出ることがある。

単に「女性」と言いたいときは、woman が使いやすい。

丁寧な呼びかけや、店員・案内などの場面では lady が自然に使われることもある。

This lady has a question.
こちらの女性の方が質問があります。

また、

Ladies and gentlemen.

のような決まり文句では lady を使う。

ただし、迷ったときに「lady の方が丁寧だから常に lady にしよう」と考えるのは危ない。

現代英語では、woman の方が自然で中立的な場面も多い。

まとめ

woman は、成人女性を表すもっとも普通で中立的な語である。

一方、lady は、丁寧・上品・格式・古風な響きを持つことがある。

woman:中立的な「女性」
lady:丁寧・上品・古風な響きがある「女性」

ただし、lady はいつでも woman の丁寧版として使えるわけではない。

場合によっては、少し古風だったり、わざとらしく上品だったりする。

また、lady doctor のように、職業名の前につける使い方は現代では避けた方がよいことが多い。

英語では、単語の意味だけでなく、その語が持つ響きや時代感も大切である。

lady と woman の違いは、まさにそのことを教えてくれる。

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