ポケモンローカライズ研究、今回は ヒトカゲ を取り上げる。
ヒトカゲは、英語では Charmander と呼ばれる。
ヒトカゲ → Charmander
日本語名の「ヒトカゲ」は、かなり分かりやすい名前である。
火
トカゲ
という要素が入っているからである。
では、なぜ英語では、そのまま Fire Lizard のような名前にならず、 Charmander になったのだろうか。
この記事では、ヒトカゲと Charmander の違いから、 ポケモン名のローカライズを考えてみたい。
なお、ポケモン名の由来は、公式にすべてが細かく説明されているわけではない。 ここでは、名前の形と英単語から読み取れる範囲で、英語学習につながる考察として整理する。
日本語名:ヒトカゲ
まず、日本語名の ヒトカゲ から見てみる。
ヒトカゲは、かなり素直に、
火 + トカゲ
と考えられる名前である。
ほのおタイプであり、見た目も小さなトカゲのような姿をしている。
さらに、しっぽには炎がある。
つまり、ヒトカゲという名前は、
火を持ったトカゲのようなポケモン
という特徴を、かなり直接的に表している。
ただし、「火トカゲ」と漢字で書くよりも、 カタカナで ヒトカゲ とすることで、ポケモン名らしい柔らかさが出ている。
まだ進化前の小さなポケモンなので、
火のイメージ
小さな生き物らしさ
かわいらしさ
がうまくまとまっている名前だと言える。
英語名:Charmander
英語名は Charmander である。
この名前は、一般的には次のような要素から考えられる。
char:焦がす、黒く焼く
salamander:サンショウウオ、サラマンダー
char は、火で焦がす、黒く焼くという意味を持つ語である。
ヒトカゲの「火」の要素は、英語では fire ではなく、 char のような語感で表されている。
そして、salamander はサンショウウオを表す語である。
また、サラマンダーは伝承の中で火と結びつけられることもある存在である。
そのため、Charmander という名前には、
火で焦がす感じ
サラマンダーのような小さな生き物
が重なっている。
日本語のヒトカゲが「火+トカゲ」とかなり直接的なのに対して、 英語名の Charmander は、英語の語感の中で少し作り直された名前である。
なぜ Fire Lizard ではないのか
もしヒトカゲをそのまま直訳するなら、
Fire Lizard
のようになるかもしれない。
意味だけを見れば、かなり分かりやすい。
しかし、ポケモンの名前としては少し説明的すぎる。
Fire Lizard は、
火のトカゲ
という説明にはなるが、キャラクター名としてのまとまりや語感は弱い。
一方、Charmander は短く、名前らしく、少しファンタジー感もある。
ここに、ローカライズの大事な点がある。
ローカライズでは、元の名前の意味を一語一語そのまま移すだけではない。
その言語で聞いたときに、
名前として自然か
覚えやすいか
キャラクターの印象が伝わるか
も大切になる。
Charmander は、「火のトカゲ」という意味をそのまま訳すのではなく、 英語の中で名前として機能するように作り直された形だと考えられる。
ヒトカゲは「トカゲ」、Charmander は「サラマンダー」
日本語名と英語名を比べると、生き物の表し方も少し違う。
ヒトカゲ:トカゲ
Charmander:salamander
日本語名では、かなり分かりやすく「トカゲ」が使われている。
一方、英語名では salamander が連想される。
salamander は、現実の生き物としてはサンショウウオを指す。
ただし、英語圏の文化では、salamander という語には少しファンタジー的な響きもある。
特に、火と結びつく伝承のイメージがあるため、 ほのおタイプの小さなポケモンの名前には相性がよい。
つまり、Charmander は、
単なるトカゲ
というより、
火と関係する小さなサラマンダー的存在
として名前が作られているように見える。
char は「火」を少し間接的に表している
日本語名のヒトカゲでは、「火」という要素がかなり直接的に出ている。
一方、Charmander では fire ではなく char が使われているように見える。
char は「焦がす」「黒く焼く」という意味なので、火そのものというより、
火によって何かが焼ける感じ
を表す。
これにより、Charmander という名前には、
炎を持っている
焼く力がある
ほのおタイプらしい
という印象が出る。
Firemander のように直接的にしすぎず、 char という語を使うことで、名前としての自然さが出ている。
ローカライズでは「意味」だけでなく「名前らしさ」も大切
ヒトカゲと Charmander を比べると、ローカライズでは何が行われているのかが見えやすい。
ヒトカゲ:火 + トカゲ
Charmander:char + salamander
どちらも、火と小さな生き物のイメージを持っている。
しかし、作り方は違う。
日本語では「火」と「トカゲ」をかなり直接的に合わせている。
英語では、char と salamander を組み合わせ、 英語圏の語感の中で名前として自然に聞こえるようにしている。
つまり、ローカライズでは、
元の意味を残すこと
その言語で名前として機能させること
の両方が必要になる。
Charmander は、ヒトカゲの特徴を残しながら、 英語の名前として作り直された例だと言える。
英語学習として見る Charmander
Charmander という名前からは、いくつかの英単語を学ぶことができる。
char:焦がす、黒く焼く
salamander:サンショウウオ、サラマンダー
どちらも、日常会話で最初に覚える単語ではないかもしれない。
しかし、ヒトカゲの姿と結びつけると、かなり覚えやすくなる。
特に char は、火や焼け焦げた感じと結びつく語である。
たとえば、charcoal は「木炭」を表す語であり、ここにも char の要素が見える。
ポケモンの英語名は、こうした英単語の入り口としても使える。
単語帳だけで覚えるより、キャラクターの見た目やタイプと結びつけることで、 ことばの印象がかなり残りやすくなる。
まとめ
ヒトカゲは、英語で Charmander と呼ばれる。
ヒトカゲ:火 + トカゲ
Charmander:char + salamander
日本語名は、「火のトカゲ」という特徴をかなり直接的に表している。
一方、英語名は char と salamander を組み合わせ、 火で焦がす感じとサラマンダーのイメージを重ねている。
もし直訳すれば Fire Lizard のようになりそうだが、 実際には Charmander という名前になっている。
これは、ポケモン名のローカライズが単なる直訳ではないことを示している。
元の意味を残しながら、その言語で自然に聞こえ、名前として機能する形に作り直す。
ヒトカゲと Charmander の違いは、そのことを分かりやすく見せてくれる。