相手がテニスの話をよくしていたり、 テニスバッグを持っていたりすれば、 「この人はテニスが好きなのだろう」と思うことがある。
そのとき、 まったく何も知らない状態から質問するなら、 次のように言える。
Do you like tennis?
あなたはテニスが好きですか。
しかし、 自分の中ではすでに 「あなたはテニスが好きだ」と考えていて、 それを相手に確認したいときには、 次のような言い方ができる。
You like tennis, don't you?
あなたはテニスが好きですね。
この文は、 まず You like tennis. と述べ、 その後ろに don't you? という短い疑問をつけている。
You like tennis, don't you?
あなたはテニスが好きですよね。
このように、 文の最後に短い疑問をつけて、 「〜ですね」「〜でしょう」と確認する文を 付加疑問文 と呼ぶ。
今回は、 付加疑問文がどのような気持ちを表し、 どのように短い疑問の部分を作るのかを整理していこう。
付加疑問文は、すでに考えていることを確認する
次の二つの文を比べてみよう。
Does Mike play soccer?
マイクはサッカーをしますか。
Mike plays soccer, doesn't he?
マイクはサッカーをしますよね。
一つ目の文は、 マイクがサッカーをするのかどうかを 質問している。 質問する人が答えを知らない場面でも使える。
一方、 二つ目の文では、 話し手はまず Mike plays soccer. と述べている。
つまり、 話し手は 「マイクはサッカーをする」と思っている。 そのうえで、 文末の doesn't he? によって、 相手にもそれを確かめているのである。
Does Mike play soccer?
→ マイクがサッカーをするかどうかを質問する
Mike plays soccer, doesn't he?
→ マイクはサッカーをすると思いながら、確認する
日本語では、 「〜ですね」「〜でしょう」「〜だよね」などで表される場面が多い。 ただし、 付加疑問文は日本語の一つの言い方に機械的に置きかえるものではない。 大切なのは、 話し手が述べた内容を、相手に確認している という働きをつかむことである。
be動詞の文でも、 同じように確認できる。
This book is interesting, isn't it?
この本はおもしろいですね。
話し手は、 まず This book is interesting. と考えている。 そして、 isn't it? をつけることで、 相手にも「そう思いませんか」と確認している。
付加疑問文では、 長い文をもう一度くり返すのではなく、 文末の短い疑問によって確認を加える。
This book is interesting, isn't it?
Mike plays soccer, doesn't he?
You can swim, can't you?
では、 この短い疑問は、 どのように作ればよいのだろうか。
肯定文には否定の疑問、否定文には肯定の疑問をつける
付加疑問文を作るとき、 まず押さえるべき基本は、 前半の文と後半の短い疑問で 肯定と否定を反対にする ことである。
前半が肯定文なら、 後ろには否定の短い疑問をつける。
You are busy, aren't you?
あなたは忙しいですね。
Emi plays tennis, doesn't she?
絵美はテニスをしますね。
Ken can cook, can't he?
健は料理ができますね。
いずれも、 前半は肯定の内容である。
You are busy.
→ aren't you?
Emi plays tennis.
→ doesn't she?
Ken can cook.
→ can't he?
反対に、 前半が否定文なら、 後ろには肯定の短い疑問をつける。
You aren't busy, are you?
あなたは忙しくありませんね。
Emi doesn't play tennis, does she?
絵美はテニスをしませんね。
Ken can't cook, can he?
健は料理ができませんね。
この関係をまとめると、 次のようになる。
肯定文 + 否定の付加疑問
You are a student, aren't you?
否定文 + 肯定の付加疑問
You aren't a student, are you?
なぜ反対の形を置くのかというと、 前半で述べたことに対して、 後半で 「そうではありませんか」 「そうではないのですか」 と確かめる形になっているからである。
ただし、 日本語に直したときに、 毎回この否定や肯定がそのまま見えるとは限らない。
You are a student, aren't you?
あなたは学生ですね。
日本語では自然に「学生ではありませんか」と訳さず、 「学生ですね」とすることが多い。 そのため、 日本語訳だけで形を判断するのではなく、 英語では前半と後半で肯定・否定を反対にする と覚えておく必要がある。
be動詞・一般動詞・助動詞に合わせて短い疑問を作る
付加疑問文では、 肯定と否定を反対にするだけでなく、 前半の文に合わせて、 後ろの動詞も選ばなければならない。
まず、 be動詞の文 では、 前半と同じ be動詞を使う。
Lisa is at home, isn't she?
リサは家にいますね。
They were busy yesterday, weren't they?
彼らは昨日忙しかったですね。
Tom isn't tired, is he?
トムは疲れていませんね。
現在なら is / are、 過去なら was / were を使い分ける。
次に、 一般動詞の文 では、 疑問文や否定文を作るときに使ってきた do / does / did を使う。
You like music, don't you?
あなたは音楽が好きですね。
Mika likes music, doesn't she?
美香は音楽が好きですね。
They played soccer yesterday, didn't they?
彼らは昨日サッカーをしましたね。
Ken doesn't study French, does he?
健はフランス語を勉強していませんね。
一般動詞の文では、 前半に do / does / did が見えていないことがあるため、 間違えやすい。
Mika plays tennis.
→ 三人称・単数・現在だから doesn't she?
Tom studied English yesterday.
→ 過去の文だから didn't he?
また、 助動詞の文 では、 前半に使われている助動詞をそのまま使う。
You can speak English, can't you?
あなたは英語を話せますね。
She will come tomorrow, won't she?
彼女は明日来るでしょう。
We should leave now, shouldn't we?
私たちはもう出発したほうがよいですね。
最後に、 後ろの主語は、 前半の主語に対応する 代名詞 にする。
Emi plays tennis, doesn't she?
Mr. Brown is kind, isn't he?
This book is useful, isn't it?
Tom and Ken can swim, can't they?
名前や名詞をそのままくり返すのではなく、 短い疑問の中では、 それを受ける代名詞を使う。
ここまでを、 文の種類ごとに整理しておこう。
be動詞の文
He is a student, isn't he?
He isn't a student, is he?
一般動詞の文
She plays tennis, doesn't she?
She doesn't play tennis, does she?
過去の一般動詞の文
They studied English, didn't they?
They didn't study English, did they?
助動詞の文
You can run fast, can't you?
You can't run fast, can you?
文末の言い方によって、確認の感じ方も変わる
付加疑問文は、 文字だけを見ると同じ形であっても、 実際に話すときの声の調子によって、 相手へのたずね方が少し変わる。
話し手がほぼ正しいと思っていて、 相手の同意を求めるように言うときには、 文末を下げるように発音することが多い。
It's a nice day, isn't it? ↘
いい天気ですね。
この場合、 話し手も「いい天気だ」と思っていて、 相手に同意を求めながら話しかけている感じになる。
一方、 本当に確かめたい気持ちが強いときには、 文末を上げて発音することがある。
You have a sister, don't you? ↗
あなたには姉か妹がいるんですよね。
この場合、 話し手はそうだと思っているものの、 相手の返事を聞いて確認しようとしている感じが強くなる。
まず書く練習をするときには、 次の二点を確実にできるようにすればよい。
前半が肯定なら、後ろは否定。
You are busy, aren't you?
前半が否定なら、後ろは肯定。
You aren't busy, are you?
そのうえで、 会話の中では、 同じ付加疑問文でも、 「同意してほしい」のか 「本当に確認したい」のかによって、 言い方が変わりうると知っておくとよい。
まとめると、
付加疑問文は、述べた内容を相手に確認するときに使う。
You like tennis, don't you?
肯定文には否定の付加疑問をつける。
This book is interesting, isn't it?
否定文には肯定の付加疑問をつける。
This book isn't difficult, is it?
be動詞・一般動詞・助動詞に合わせて、後ろの動詞を選ぶ。
is → isn't / play → don't・doesn't・didn't / can → can't
短い疑問の主語は、前半の主語を受ける代名詞にする。
Emi likes music, doesn't she?
You like tennis, don't you? は、 新しくゼロから質問する文ではない。 まず「あなたはテニスが好きだ」と述べ、 それを短い疑問で確かめる文である。
次は、 Don't you like tennis? のように、 疑問文そのものを否定の形で始める 否定疑問文 について整理しよう。