ポケモンのつるぎのまいは、 通常の本編シリーズでは自分の攻撃ランクを2段階上げる技です。 1回使うと、攻撃側の能力倍率は元の2倍になります。
では、もう1回使えば、そこからさらに2倍になるのでしょうか。 2回積み、3回積みと続ける価値は、毎回同じなのでしょうか。
結論から言うと、積むほど攻撃倍率は上がります。 しかし、現在の強さを基準にした「追加1回の伸び率」は小さくなっていきます。 実戦では、その伸びと、つるぎのまいに1ターンを使うコストを比べる必要があります。
1回積みは元の2倍、2回積みは3倍、3回積みは4倍。
「1回使うたびに現在の攻撃が2倍になる」わけではない。
この記事で使うルールを先に決める
この記事の計算は、 『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』など、 通常のターン制の本編シリーズで使われる能力ランクを基準にします。
つるぎのまい1回で攻撃ランクは+2、能力ランクの上限は+6です。 何も変化していない状態を+0とすると、3回使ったところで+6に届きます。 公式Pokémonの攻略記事でも、 つるぎのまいが攻撃を2段階上げる技として説明されています。
ただし、同じ技名でも全作品で同じ仕組みとは限りません。 『Pokémon LEGENDS アルセウス』では攻撃系の能力を一定ターン高める仕組みで、 『Pokémon LEGENDS Z-A』は 公式サイトで説明されているとおり、 従来作と異なるリアルタイムバトルです。 この記事の「3回まで積める」という表を、そのまま当てはめないでください。
1回・2回・3回で攻撃倍率はどうなるか
通常本編の正の能力ランクでは、+0、+2、+4、+6の攻撃倍率は、 それぞれ1倍、2倍、3倍、4倍になります。
正の能力ランク倍率
能力ランクが +n のとき
倍率 = (2 + n) ÷ 2
たとえば1回積みは+2なので、(2+2)÷2=2倍です。 2回積みは+4なので3倍、3回積みは+6なので4倍になります。
| 積んだ回数 ・能力ランク |
攻撃 倍率 |
直前から の伸び |
|---|---|---|
| 0回・+0 | 1倍 | 基準 |
| 1回・+2 | 2倍 | +100% |
| 2回・+4 | 3倍 | +50% |
| 3回・+6 | 4倍 | 約+33.3% |
ここで示しているのは、ダメージ計算で参照される 攻撃側の能力の倍率です。 実際のダメージは防御、技の威力、乱数、各種補正、端数処理なども関係するため、 表の倍率と完全に同じ比率になるとは限りません。
ダメージ計算式全体については、 ポケモンのダメージ計算式を数学で解説 で整理しています。 この記事では、能力ランクと「もう1回積む価値」に話を絞ります。
「もう1回積む」とどれくらい伸びるのか
表を見ると、攻撃倍率は毎回1倍分ずつ増えています。 1倍から2倍、2倍から3倍、3倍から4倍です。 元の攻撃を基準にした絶対的な増加量は、どの1回も同じです。
しかし、実戦で「今よりどれくらい強くなるか」を考えるときは、 直前の倍率を基準にした相対的な増加率を見る必要があります。
0回から1回:2÷1=2 → 現在より100%増
1回から2回:3÷2=1.5 → 現在より50%増
2回から3回:4÷3≒1.333 → 現在より約33.3%増
最初の1回は、攻撃倍率を1倍から2倍にします。 現在の状態と比べると、100%増です。
2回目も元の攻撃1倍分は増えますが、すでに2倍になった状態から3倍へ進むため、 直前との比較では50%増です。 3回目は3倍から4倍なので、約33.3%増になります。
このように、強さは上がり続けても、 追加1回が現在の強さに対して生む割合は小さくなることがあります。 「同じ1ターンを使うなら、最初の1回の変化が最も大きい」と見ることもできます。
同じ+1倍でも、相対的な伸びは小さくなる
100円に100円を足すと200円になり、元の2倍です。 一方、200円に100円を足すと300円で、元の1.5倍です。 どちらも100円増えていますが、もとの量に対する増加率は違います。
つるぎのまいも同じです。 毎回、元の攻撃1倍分ずつ増えていても、すでに大きくなった現在値を基準にすると、 追加分の割合は小さく見えます。
こうした考え方は「追加するほど、現在の倍率に対する次の1回の割合は小さくなる」と整理できます。 難しい用語を覚えるより、 増えた量と、今ある量に対する割合は別だと理解することが大切です。
それでも3回積む価値がある場面
相対的な伸び率が小さくなるからといって、3回目に価値がないわけではありません。 必要な攻撃倍率には、しきい値があります。
たとえば、2回積みの3倍では相手を一撃で倒せず、 3回積みの4倍なら倒せる場合、3回目は勝敗を変える大きな1回です。 逆に、1回積みの2倍ですでに必要な相手を倒せるなら、 追加で積むより攻撃したほうがよいかもしれません。
- 次の攻撃で必要な相手を倒せる倍率に届く
- 相手から大きな反撃を受けにくい
- 交代や能力リセットを受ける可能性が低い
- 複数の相手を続けて倒す準備が必要
このような状況なら、約33.3%の追加上昇でも十分に意味があります。 大切なのは、伸び率の大小だけで価値を決めず、 その倍率が実戦上の目的を達成するかを見ることです。
つるぎのまいには1ターンのコストがある
通常のターン制バトルでつるぎのまいを使うと、そのターンは攻撃技を使いません。 相手には攻撃、交代、状態異常、能力変化への対処などを行う機会があります。
したがって、「4倍が最大だから必ず3回積む」とは言えません。 追加1回で得る火力と、その1ターンに受ける危険を比べます。
- 次の相手の攻撃を耐えられるか
- 先制技や素早さ関係で、積んだ後に行動できるか
- やけどなどで物理火力を落とされないか
- 交代したときに能力ランクを失う可能性があるか
- 能力変化をリセットする技や効果を受けないか
- 乱数や急所を含め、必要な確定数が本当に変わるか
これらを無視して倍率だけを最大にしても、攻撃する前に倒されれば意味がありません。 反対に、安全な1ターンを作れて、必要な確定数が変わるなら、追加で積む価値は高まります。
何回積むのが効率的かは目的で変わる
数学だけで一つの正解を出すなら、「1回目の相対的な伸びが最大」です。 しかし、実戦の問いは「伸び率が最大か」だけではありません。
本当に知りたいのは、 追加で1ターン使うことで、倒せる相手や必要な攻撃回数が変わるかです。 そのため、目安は次のように整理できます。
- 1回積み:最も大きな相対上昇を、短い準備で得たい
- 2回積み:3倍まで上げることで必要な火力に届く
- 3回積み:安全な時間があり、4倍が勝敗を変える
- 積まない:今すぐ攻撃する価値が、能力上昇より高い
対戦ルール、相手、技構成、残りのポケモンによって判断は変わります。 「何回が常に正解」と断定せず、必要火力と残りターンから逆算するのが自然です。
作品が違えば同じ表を使わない
『Pokémon LEGENDS アルセウス』のつるぎのまいは、 通常本編のように攻撃ランクを+2ずつ積み上げる説明ではありません。 攻撃系能力を一定ターン高める別の仕組みです。
また、公式サイトが説明するように、 『Pokémon LEGENDS Z-A』はポケモンの行動がリアルタイムで進み、 技には発動のタイミングや範囲など従来と異なる要素があります。 1ターンを支払って3回まで積む今回のモデルとは、判断の土台が異なります。
数学モデルは、前提がそろって初めて使えます。 どの作品のルールを考えているのかを確認してから、倍率表を使ってください。
今回のまとめ
- 通常本編では、つるぎのまい1回で攻撃ランクが+2される
- 0回・1回・2回・3回の攻撃倍率は、1倍・2倍・3倍・4倍
- 直前状態からの相対上昇は、100%・50%・約33.3%
- 倍率は上がり続けるが、追加1回の相対的な伸びは同じではない
- 必要な確定数が変わるなら、2回目・3回目にも大きな価値がある
- 実戦では、追加火力と1ターンのコストを比べる
- 異なる能力変化システムを持つ作品へ同じ表を無条件に当てはめない
つるぎのまいは、使うほど強くなる技です。 ただし、「強くなる量」と「現在の強さに対する伸び率」は別です。 何回積むかを考えるときは、 次の1回で何が変わるのかと そのために1ターンを使えるのかを一緒に考えてみてください。
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