ポケモンの「おきみやげ」は、英語で Memento。どちらも「あとに残るもの」を思わせるが、英語のmementoは、とくに人・場所・出来事を思い出させる品を表す。
おきみやげ → Memento
mementoはsouvenirやkeepsakeに近い一方、それぞれがよく使われる場面は少し違う。技の仕組みと一般英語を行き来しながら、「残すもの」と「思い出させるもの」のつながりを見ていこう。
mementoは「思い出の品」
mementoは、人・場所・出来事を思い出すために取っておく物を表す名詞。「思い出の品」「記念の品」「形見」など、文脈に合わせて訳せる。
I kept the ticket as a memento of the concert.
→ そのコンサートの思い出として、チケットを取っておきました。
a memento of ...で「……の思い出の品」、keep ... as a mementoで「……を記念に取っておく」という形が使いやすい。品物自体よりも、それが呼び起こす記憶に焦点がある。
souvenirは旅や場所の記念品
souvenirも記念品だが、旅行先や特別な行事で買ったり持ち帰ったりする物に使われやすい。
She bought a small poster as a souvenir from Paris.
→ 彼女はパリのお土産として小さなポスターを買いました。
mementoは、買った物でなくてもよい。古い手紙や写真のように、個人的な記憶を呼び起こす物にも自然に使える。souvenirにも「思い出のために取っておく物」という広さがあるので、二語を完全に分ける規則ではなく、よく現れる場面の違いとして捉えたい。
keepsakeは大切に取っておく品
keepsakeは、人からもらった小さな贈り物や、個人的・感情的な価値がある品を大切に保管するイメージが強い。
This watch is a family keepsake.
→ この時計は家族で大切に受け継いでいる品です。
語の形もkeep「取っておく」+sake「……のため」で、思い出のために残しておく物という感覚が見えやすい。memento、souvenir、keepsakeは重なる場面も多いが、次のように整理すると使い分けやすい。
memento → 人・場所・出来事を思い出させる品
souvenir → 旅行・場所・行事の記念に買う/持ち帰る品
keepsake → 個人的な思いを込めて大切に取っておく品
reminderは物に限らない
reminderは「思い出させるもの・注意を促すもの」。写真や品物だけでなく、メッセージ、通知、出来事、人の言葉にも使える。
The photo is a reminder of our first trip together.
→ その写真を見ると、二人で初めて旅行したときのことを思い出します。
Please set a reminder for the meeting.
→ 会議のリマインダーを設定してください。
mementoは基本的に手元に残す物、reminderは記憶や注意を呼び起こすもの全般。memoryは頭の中の「記憶」そのものを指すことが多く、物を指すmementoとは役割が違う。
mementoのもとは「覚えておけ」
mementoはラテン語のmementōに由来し、「覚えておけ」「思い出せ」という命令の形だった。英語では、記憶を呼び起こす物を指す名詞として使われるようになった。
memento moriは「死を忘れるな」というラテン語由来の表現。ここでもmementoは「覚えておけ」という働きをしている。ただし、日常英語のmemento自体が死を意味するわけではない。旅行のチケットや友人からの贈り物にも使える。
綴りはmemento。moment「瞬間」と結びつけてmomentoと書きたくなることがあるが、標準的な綴りでは最初の母音もeである。複数形はmementosのほかmementoesも使われる。
ゲームでは使用者がひんしになり、相手を弱らせる
現在のメインシリーズの「おきみやげ」は、あくタイプの変化技。成功すると使用者はひんしになり、対象の攻撃と特攻をそれぞれ2段階下げる。
ダメージを直接与える技ではない。使用者が場を離れる代わりに、相手の物理技と特殊技の両方を弱め、次に出す味方が動きやすい状況を作る。
成功時
使用者 → ひんしになる
対象 → 攻撃が2段階下がる
対象 → 特攻が2段階下がる
技そのものが失敗したときは、ひんしにならない
現行仕様では、対象がいない、技が外れる、「まもる」などで防がれる、みがわりに阻まれるといった理由で技そのものが失敗した場合、使用者はひんしにならない。
一方、技は相手に届いたものの、特性「クリアボディ」や「しろいきり」、攻撃・特攻がすでに最低まで下がっていることなどで能力を下げられない場合でも、使用者はひんしになる。「おうごんのからだ」のように技そのものを無効にする場合とは扱いが異なり、「能力が下がらなければ使用者も残る」とは限らない。
レイドでは通常対戦と異なる扱いがあり、自分をひんしにする技として使えない場合がある。記事では通常のメインシリーズ対戦を中心にしている。
世代によって失敗時の扱いが違う
第5世代以降は、技が外れたり、対象がいなかったり、防御技やみがわりで失敗したりした場合、使用者はひんしにならない。
第3・第4世代には、失敗や命中判定に関する扱いが現在と異なる部分があった。過去作の説明を現行作品へそのまま当てはめず、現在は「技そのものが成立しなければ使用者も残る」を中心に覚えるとよい。
日本語の「置き土産」は、去ったあとに残るもの
日本語の「置き土産」は、立ち去るときに贈り物として残す品を表す。また、故人や前任者が残した物・仕事・影響にも使われる。
この庭は、祖父が家族に残した置き土産です。
必ずしも好ましいものとは限らず、「台風の置き土産」のように、去ったあとに残る被害や問題を皮肉を込めて表すこともある。中心にあるのは、誰かが去ったあとにも何かが残るという見方である。
「残して去る」と「思い出させる」
日本語の「おきみやげ」は、何かを残して去る側から見た言葉。英語のMementoは、残った物が人・場所・出来事を思い出させる側から見た言葉である。
ゲームでは、使用者がひんしになって場を離れ、相手には攻撃・特攻の低下が残る。日本語名は「去ったあとに残すもの」、英語名は「あとに残って記憶を呼び起こす品」という別の角度から、同じ「残るもの」のイメージへつながると考えると分かりやすい。
ただし、一般英語のmementoは、自己犠牲や相手を弱らせることを意味しない。ふつうは、大切な記憶を保つための品を表す穏やかな言葉である。
まとめ
「おきみやげ」は英語でMemento。mementoは、人・場所・出来事を思い出させる品を表す。
memento → 思い出を呼び起こす品
souvenir → 旅行・場所・行事の記念品
keepsake → 個人的な思いを込めて大切にする品
reminder → 思い出させるもの・注意を促すもの全般
ゲームでは、成功すると使用者がひんしになり、対象の攻撃と特攻を2段階ずつ下げる。技自体が失敗した場合は、現行仕様では使用者もひんしにならない。
日本語は「去ったあとに残すもの」、英語は「あとから思い出させる品」。Mementoという一語から、記憶と品物を結ぶ英語の見方まで学べる。