塾長ノート

「のろい」はなぜ英語で Curse なのか|「呪い」と「鈍い」が重なる技名

一つの名前から分かれる、二つの技効果と英語の意味

ポケモンの技「のろい」は、英語では Curse。

のろい → Curse

curse は、名詞なら「呪い」、動詞なら「呪う」を表す。

ところが日本語の「のろい」には、災いをもたらす「呪い」だけでなく、動きが遅い・鈍いという意味の「鈍い」も重なる。この二重性は、使うポケモンのタイプによって変わる技の効果を考える大きな手がかりになる。

ゲームではタイプによって効果が変わる

ターン制作品の現行仕様では、「のろい」は使うポケモンがゴーストタイプかどうかで効果が変わる変化技である。

ゴーストタイプ → HPを使い、相手を呪う
ゴーストタイプ以外 → すばやさを下げ、こうげき・ぼうぎょを上げる

判定に使われるのは、その技を使う時点でのタイプ。もとのタイプとは限らず、バトル中にタイプが変わっていれば、その時のタイプに応じた効果になる。

作品によってバトル方式や細かな処理が異なるため、ここでは「スカーレット・バイオレット」など、ターン制作品の効果を中心に整理する。

ゴーストタイプが使うと、HPと引き換えに相手を呪う

ゴーストタイプが「のろい」を使うと、自分の最大HPの半分を失い、相手を呪われた状態にする。

呪われた相手は、毎ターン終了時に最大HPの4分の1を失う。交代すると、通常はその呪いが解ける。

自分の体力を大きく差し出して相手へ継続的な害を与える。こちらは、日本語の「呪い」と英語の Curse がそのまま結びつきやすい効果である。

ゴーストタイプ以外が使うと、遅くなる代わりに強く硬くなる

ゴーストタイプ以外が使う場合、自分の「すばやさ」が1段階下がり、代わりに「こうげき」と「ぼうぎょ」が1段階ずつ上がる。

攻める力と耐える力を高める一方で、動きは鈍くなる。この効果は、日本語の「のろい」を「鈍い」と読んだときのイメージとよく重なる。

英語名 Curse だけを見ると「動きが鈍い」という意味は直接現れない。日本語名では音が同じ二つの言葉を使い、英語名ではゴーストタイプ側の「呪い」を前面に出している――そう捉えると、二系統の効果が見渡しやすくなる。

昔は技のタイプ表示が違った

「のろい」は第2世代で登場した。第2〜4世代では、通常のタイプに当てはまらない特別な分類の技だったが、第5世代以降はゴーストタイプの変化技になっている。

ただし、ゴーストタイプかどうかで効果が分かれる基本的な仕組みは、登場した当初から続いている。

現在の技タイプと、古い世代の特別な分類を混ぜないことが大切である。

名詞の curse は「呪い・災い」

名詞の curse は、誰かに悪いことが起こるよう願う呪いや、そのために起きると考えられる災いを表す。

The legend says that the treasure carries a curse.
→ 伝説では、その宝には呪いがかかっているという。

魔法の呪いだけでなく、人や社会を長く苦しめるものを比喩的に a curse と呼ぶこともある。

Isolation can become a curse.
→ 孤立は災いになりうる。

動詞の curse は「呪う」だけではない

動詞の curse は「人に災いが起きるよう願う」「呪いをかける」という意味で使える。

The witch cursed the prince.
→ 魔女は王子に呪いをかけた。

さらに、怒ったときに悪態をつく・汚い言葉を吐くという意味もある。

He cursed under his breath.
→ 彼は小声で悪態をついた。

この用法では swear と意味が重なる。ただし swear には「誓う」という意味もあり、curse には「呪う」という中心的な意味がある。二語はいつでも置き換えられるわけではない。

cursed は「呪われた」

cursed は、「呪われた」「災いにつきまとわれた」という意味の形容詞として使える。

a cursed castle
→ 呪われた城
The team seemed cursed that season.
→ そのシーズン、そのチームは不運につきまとわれているようだった。

魔法の呪いだけでなく、不運が続く物事にも使える。日常的な発音は、過去形・過去分詞と同じく一音節の「カースト」に近い。

a blessing and a curse は「長所でもあり短所でもあるもの」

a blessing and a curse は、よい面と悪い面を同時に持つものを表す。

Working from home can be a blessing and a curse.
→ 在宅勤務は、ありがたい面もあれば困る面もある。

blessing は「祝福・恵み」。その反対側に curse を置くことで、「恩恵でもあり負担でもある」という両面性を表せる。

ゴーストタイプ以外の「のろい」も、こうげき・ぼうぎょが上がる一方、すばやさが下がる。表現そのものが技名の説明ではないが、利益と代償が同居する場面を英語で考える助けになる。

curse の語源には確定していない部分がある

curse は古英語の curs「人に災いが起きるよう願う言葉」にさかのぼるが、そのさらに前の由来ははっきり確定していない。

教会で唱えられた祈りのまとまりを表すラテン語 cursus との関係や、古フランス語の「怒り」を表す語との関係などが説として挙げられている。

語源には複数の説があるため、一つの流れだけを確定した事実のように覚えないほうがよい。

まとめ

ポケモンの「のろい」は英語で Curse。

curse(名詞)→ 呪い・災い
curse(動詞)→ 呪う・悪態をつく
cursed → 呪われた・不運につきまとわれた

ゴーストタイプが使えば、HPと引き換えに相手を呪う。ゴーストタイプ以外が使えば、すばやさを下げる代わりに、こうげきとぼうぎょを上げる。

日本語の「のろい」には「呪い」と「鈍い」が重なり、英語の Curse は「呪い」をはっきり示す。一つの技にある二つの効果と、二つの言語が選んだ見せ方を比べられる名前である。

Dodai英単語

この記事で覚えたい英単語・英語表現

Curse

のろい / 呪い・呪う

curse
名詞では「呪い・災い」、動詞では「呪う・悪態をつく」。
cursed
呪われた・不運につきまとわれた。
a blessing and a curse
よい面と悪い面を同時に持つもの。

curseの名詞と動詞、cursed、対になる表現をまとめて覚えましょう。

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この記事について

本記事は、ポケモンの技名を入口に、一般英語とローカライズを考える独自の解説です。 ゲームでの技の性質と、一般英語の意味を分けて整理しています。

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