ポケモンの育成を考えるとき、 火力や素早さだけでなく、 耐久 も大切です。
どれくらい相手の攻撃を受けられるのか。
物理技に強いのか。
特殊技に強いのか。
そのようなことを考えるとき、 HP、防御、特防の配分が重要になります。
今回は、 ポケモンの耐久を 数学的な積 の視点から考えてみます。
なお、この記事では、 実戦での細かい調整や特定の攻撃を耐える調整ではなく、 一般的な考え方を整理します。
耐久は「HP×防御」で考えやすい
物理技を受けるときには、 防御が関わります。
しかし、 実際に何発耐えられるかを考えるには、 防御だけでなくHPも必要です。
かなり単純化すると、 物理耐久は次のように考えられます。
物理耐久 ≒ HP × 防御
特殊技についても同じです。
特殊耐久 ≒ HP × 特防
もちろん、実際のダメージ計算では、 技の威力、攻撃側の能力、タイプ相性、乱数なども関わります。
ただ、 受ける側の耐久をざっくり見るなら、 HPと防御、HPと特防の積で考えると見通しがよくなります。
物理耐久は HP×防御、特殊耐久は HP×特防 と考えると、 耐久の効率を数学的に見やすくなる。
HPだけ高くても、防御が低いと耐久は伸びにくい
まず、 HPと防御の関係を簡単な数字で見てみます。
たとえば、 次の2つを比べます。
| パターン | HP | 防御 | HP×防御 |
|---|---|---|---|
| A | 200 | 100 | 20000 |
| B | 150 | 150 | 22500 |
AはHPが高いですが、防御は100です。
BはHPも防御も150です。
積を比べると、 Aは20000、Bは22500です。
つまり、 HPだけを高くするより、 HPと防御のバランスがよいほうが、 物理耐久は高くなる場合があります。
これは数学でよく出てくる、 積を大きくするにはバランスが大事 という考え方です。
合計が同じなら、差が小さいほうが積は大きい
もう少し数学的に見てみます。
HPと防御の合計が300だとします。
このとき、いくつかの配分で積を比べます。
| HP | 防御 | 合計 | HP×防御 |
|---|---|---|---|
| 250 | 50 | 300 | 12500 |
| 220 | 80 | 300 | 17600 |
| 200 | 100 | 300 | 20000 |
| 170 | 130 | 300 | 22100 |
| 150 | 150 | 300 | 22500 |
合計が同じなら、 HPと防御の差が小さいほど積が大きくなります。
いちばんバランスがよい150と150のとき、 積は22500で最大になります。
これは、 数学的にはかなり基本的な性質です。
同じ合計なら、 片方に偏りすぎるより、 なるべく近い値にしたほうが積は大きくなります。
ポケモンの耐久配分でも、 この考え方が使えます。
防御と特防の両方を見るならHPは両方に効く
ここで、 HPの特徴を考えます。
HPは、 物理耐久にも特殊耐久にも関わります。
物理耐久 ≒ HP × 防御
特殊耐久 ≒ HP × 特防
この2つの式の両方に、 HPが入っています。
つまり、 HPを上げると、 物理耐久と特殊耐久の両方が伸びます。
一方、 防御を上げると物理耐久が伸びます。
特防を上げると特殊耐久が伸びます。
そのため、 物理と特殊の両方をある程度受けたい場合、 HPに振ることには大きな意味があります。
ただし、 もともとHPが非常に高く、防御や特防が低いポケモンでは、 防御や特防を上げたほうが効率よく耐久が伸びることもあります。
両受けするなら、低いほうの耐久指数を見る
では、 物理技と特殊技の両方を受けたい場合は、 どう考えればよいでしょうか。
この場合は、 物理耐久だけ、特殊耐久だけを見るのではなく、 2つの耐久指数を並べて考える必要があります。
物理耐久 ≒ HP × 防御
特殊耐久 ≒ HP × 特防
両方を受けたい場合、 どちらか一方だけが高くても安定しません。
物理耐久が高くても特殊耐久が低ければ、 特殊技で崩されやすくなります。
逆に、 特殊耐久が高くても物理耐久が低ければ、 物理技で崩されやすくなります。
そのため、 両受けでは、 HP×防御 と HP×特防 のうち、低いほうをどれだけ高くできるか が大切になります。
たとえば、 次の2つを比べてみます。
| パターン | HP | 防御 | 特防 | 物理耐久 | 特殊耐久 |
|---|---|---|---|---|---|
| A | 200 | 160 | 80 | 32000 | 16000 |
| B | 200 | 120 | 120 | 24000 | 24000 |
Aは物理耐久だけを見ると32000あり、 とても高く見えます。
しかし特殊耐久は16000しかありません。
一方、 Bは物理耐久も特殊耐久も24000です。
最高値だけを見ればAのほうが高いですが、 両方を受けることを考えるなら、 Bのほうが安定しています。
両受けでは、物理耐久と特殊耐久のうち、 低いほうを底上げすることが大切。 高いほうをさらに伸ばすより、弱いほうを補うほうが安定しやすい。
両受けの理想は「HP:防御:特防=2:1:1」に近づけること
ここから、 もう少し数学的に考えてみます。
HP、防御、特防に合計で同じだけの数値を配分できるとします。
このとき、 物理耐久と特殊耐久の両方をバランスよく高めたいなら、 目安になる比率があります。
HP:防御:特防 = 2:1:1
これが、 両受けを数学的に考えるときの一つのきれいな形です。
なぜHPが多めになるのでしょうか。
理由は、 HPが物理耐久と特殊耐久の両方に関わるからです。
物理耐久はHP×防御で決まります。
特殊耐久はHP×特防で決まります。
つまりHPは、 防御側にも特防側にも効く共通部分です。
そのため、 防御と特防を同じくらいにそろえるなら、 HPは防御や特防よりも少し大きくなるのが自然です。
たとえば、 合計300の数値をHP、防御、特防に分けるとします。
HP:防御:特防=2:1:1にすると、 合計は4等分で考えられます。
300 ÷ 4 = 75
したがって、 1にあたる部分が75です。
HPは2にあたるので150、 防御と特防はそれぞれ75になります。
| HP | 防御 | 特防 | 合計 | 物理耐久 | 特殊耐久 |
|---|---|---|---|---|---|
| 150 | 75 | 75 | 300 | 11250 | 11250 |
この配分では、 物理耐久と特殊耐久が同じになります。
さらに、 HPが両方に効いているため、 両受けとしてバランスのよい形になります。
ここで大切なのは、 「HP、防御、特防を全部同じにする」ことではありません。
物理耐久と特殊耐久の両方にHPが使われるため、 両受けでは、 HPが防御や特防より大きくなる形が自然なのです。
大事なのは「振る数値」ではなく「最終的な数値」
ただし、 ここで注意が必要です。
実際のポケモンでは、 まっさらな状態からHP、防御、特防を作るわけではありません。
もともとの種族値や実数値があります。
そのため、 大事なのは、 振る数値そのものを2:1:1にすること ではありません。
大事なのは、 振ったあとの最終的なHP、防御、特防が2:1:1に近づくこと です。
たとえば、 もともとの数値が次のようなポケモンを考えます。
| HP | 防御 | 特防 |
|---|---|---|
| 200 | 150 | 80 |
このポケモンに合計300を振るとします。
何も考えずに、 HP150、防御75、特防75と振ると、 最終的な数値は次のようになります。
| HP | 防御 | 特防 | 物理耐久 | 特殊耐久 |
|---|---|---|---|---|
| 350 | 225 | 155 | 78750 | 54250 |
物理耐久はかなり高くなっています。
しかし、 特殊耐久は物理耐久に比べて低くなっています。
これは、 もともとの特防が低いのに、 防御にも同じように振ってしまったからです。
両受けを目指すなら、 この場合は特防を多めに補う必要があります。
目安として、 振ったあとの合計を考えてみます。
200 + 150 + 80 + 300 = 730
最終的なHP、防御、特防の合計は730です。
これをHP:防御:特防=2:1:1に近づけるなら、 4等分して考えます。
730 ÷ 4 = 182.5
すると、 防御と特防はそれぞれ182.5くらい、 HPはその2倍の365くらいが目安になります。
つまり、 最終形の目安は次のようになります。
| HP | 防御 | 特防 |
|---|---|---|
| 365 | 183 | 182 |
もとの数値がHP200、防御150、特防80だったので、 そこからの振り方はおおよそ次のようになります。
| HP | 防御 | 特防 | 合計 |
|---|---|---|---|
| +165 | +33 | +102 | 300 |
このように、 もともと特防が低いポケモンなら、 特防を多めに補ったほうが両受けとしては安定します。
逆に、 もともと防御が低いポケモンなら、 防御を多めに補うことになります。
両受けの目安は、最終的なHP:防御:特防を2:1:1に近づけること。 ただし、振る数値ではなく、振ったあとの実数値で考える。
もともとの数値によって効率は変わる
大切なのは、 いつでもHPに振ればよいわけではないということです。
効率は、 もともとのHP、防御、特防の値によって変わります。
たとえば、 HPが300、防御が80のポケモンがいたとします。
ここでHPを10上げると、
310 × 80 = 24800
です。
元の耐久指数は、
300 × 80 = 24000
なので、増加量は800です。
一方、防御を10上げると、
300 × 90 = 27000
です。
増加量は3000です。
この場合、 HPを上げるより防御を上げたほうが、 物理耐久は大きく伸びます。
なぜなら、 もともとHPが高く、防御が低いからです。
低いほうを伸ばすと、積は大きくなりやすい。 HPが高く防御が低いなら、防御に振るほうが物理耐久は伸びやすい。
片側の耐久だけを見るなら、近い値にするのが美しい
では、 物理耐久だけ、または特殊耐久だけを見る場合、 数学的に一番美しい比率は何でしょうか。
かなり単純化すれば、 HPと防御、またはHPと特防の値をなるべく近づけることです。
合計が同じなら、 2つの数が近いほど積は大きくなります。
これは、 面積で考えるとわかりやすいです。
たとえば、 周の長さが同じ長方形を考えます。
細長い長方形より、 正方形に近い長方形のほうが面積は大きくなります。
HP×防御もそれに似ています。
片方だけが極端に大きいより、 2つの値が近いほうが積は大きくなりやすいのです。
ただし、 両受けを考える場合は、 HPが物理耐久と特殊耐久の両方に効きます。
そのため、 HP、防御、特防の3つを考える場合には、 単純に3つを同じ値にするのではなく、 HP:防御:特防=2:1:1を一つの目安にすると考えやすくなります。
もちろん、 実際のポケモンでは努力値の単位、実数値、性格補正、個体値、レベルなどが関わります。
それでも、 基本方針としては、 低いほうを補うと効率がよい と考えるとわかりやすいです。
物理と特殊のどちらを重視するか
ここまでの話は、 物理耐久だけを見ればHP×防御、 特殊耐久だけを見ればHP×特防という話でした。
しかし実戦では、 物理と特殊のどちらを重視するかも大切です。
物理技を受けたいなら、 防御を重視します。
特殊技を受けたいなら、 特防を重視します。
両方をある程度受けたいなら、 HP、防御、特防のバランスを考えます。
つまり、 耐久配分には目的が必要です。
どの攻撃を耐えたいのか。
物理寄りにするのか。
特殊寄りにするのか。
汎用的に受けたいのか。
目的によって、効率のよい配分は変わります。
数学的には、 両受けなら低いほうの耐久指数を底上げするのが自然です。
ただし実戦では、 環境に物理アタッカーが多いのか、 特殊アタッカーが多いのか、 どの相手を意識するのかによって、 少し物理寄り、少し特殊寄りに調整することもあります。
耐久指数は便利だが万能ではない
耐久指数は、 HP、防御、特防の関係を見るうえでとても便利です。
しかし、 これだけで実戦のすべてが決まるわけではありません。
実際には、 タイプ相性、弱点、耐性、回復技、持ち物、特性、状態異常なども関わります。
また、 1発を耐えることが大事な場合もあれば、 2発、3発と受け続けることが大事な場合もあります。
つまり、 耐久指数はあくまで 考えるための道具 です。
ただし、 HP、防御、特防の配分を感覚ではなく数学的に考えるうえでは、 かなりよい入口になります。
今回のまとめ
今回は、 HP・防御・特防をどう振るのが効率的なのかを、 耐久指数の考え方から見てみました。
- 物理耐久は、ざっくり HP×防御 で考えられる
- 特殊耐久は、ざっくり HP×特防 で考えられる
- 合計が同じなら、2つの値が近いほど積は大きくなりやすい
- HPは物理耐久と特殊耐久の両方に効く
- 両受けでは、HP×防御とHP×特防のうち、低いほうを底上げすることが大切
- 両受けの目安は、最終的なHP:防御:特防を2:1:1に近づけること
- 振る数値そのものではなく、振ったあとの実数値で考える
- もともとHPが高いポケモンは、防御や特防を伸ばしたほうが効率的なこともある
- 実際の配分は、何を耐えたいかによって変わる
数学的に一番美しい考え方は、 積を大きくするにはバランスを見ることです。
HPだけ。
防御だけ。
特防だけ。
どれか一つだけを見ていると、 耐久の効率は見えにくくなります。
HP×防御。
HP×特防。
このように積で見ることで、 ポケモンの耐久はかなり数学的に理解できます。
さらに両受けを考えるなら、 物理耐久と特殊耐久のうち低いほうを底上げすることが大切です。
その目安として、 最終的なHP:防御:特防を2:1:1に近づける、 という見方を持っておくと、 HP・防御・特防の配分をかなり整理しやすくなります。
ポケモンの育成は、 感覚だけでなく、 数字の見方を学ぶ題材としてもかなりおもしろいです。