英語を勉強していると、かなり早い段階で次のように習うことがある。
形容詞に -ly をつけると副詞になる。
たしかに、これはかなり便利な説明である。
quick → quickly
careful → carefully
slow → slowly
quick は「速い」、quickly は「速く」。 careful は「注意深い」、carefully は「注意深く」。
こう見ると、-ly は副詞を作る接尾辞だと考えたくなる。
しかし、英語はそこまで単純ではない。
-ly はたしかに副詞を作る
まず、基本として、-ly が副詞を作ることは多い。
She speaks slowly.
彼女はゆっくり話す。
He answered carefully.
彼は注意深く答えた。
They worked quietly.
彼らは静かに作業した。
このような -ly 副詞は、動詞の様子を説明する。
つまり、
どのように話すのか
どのように答えるのか
どのように作業するのか
を表している。
だから、学習の最初の段階では、
形容詞 + -ly = 副詞
と覚えることには意味がある。
しかし -ly がついても形容詞の語がある
問題は、-ly がついているからといって、必ず副詞とは限らないことである。
たとえば、次の語を見てみたい。
friendly
lovely
lonely
lively
これらは -ly で終わっている。
しかし、普通は副詞ではなく、形容詞として使われる。
She is friendly.
彼女は親しみやすい。
It was a lovely day.
すてきな一日だった。
He felt lonely.
彼は孤独を感じた。
つまり、-ly で終わっているからといって、機械的に副詞だと決めることはできない。
friendly は「親しみやすく」ではなく、「親しみやすい」である。
もし「親しみやすく」と言いたいなら、普通は次のように言う。
in a friendly way
ここが少しややこしい。
-ly がない副詞もある
逆に、-ly がついていないのに副詞として働く語もある。
fast
hard
late
well
たとえば、
He runs fast.
の fast は、「速く」という意味で、動詞 runs を説明している。
つまり副詞である。
しかし、fastly とは普通言わない。
He works hard.
の hard も、「一生懸命に」という意味で副詞として働いている。
これも、hardly とは意味が違う。
He works hard.
彼は一生懸命働く。
He hardly works.
彼はほとんど働かない。
このように、-ly がつけば単純に副詞になる、という話ではない。
-ly がない副詞もあれば、-ly がつくことで意味が大きく変わる語もある。
deep と deeply のように使い分ける語もある
さらに、同じ語に -ly がついた形と、つかない形の両方がある場合もある。
deep / deeply
high / highly
near / nearly
late / lately
これらは、単純に「-ly があるかないか」だけでは説明しにくい。
たとえば、deep と deeply では、どちらも副詞的に使われることがある。
dig deep
深く掘る
think deeply
深く考える
かなり大ざっぱに言えば、deep は物理的な深さ、deeply は心理的・抽象的な深さと結びつきやすい。
もちろん、これは絶対的な規則ではない。
しかし、-ly がつくことで、単に副詞になるだけでなく、意味の方向が変わることがある。
大切なのは「品詞」と「意味」を分けて見ること
-ly を考えるときに大切なのは、品詞だけで判断しすぎないことである。
たしかに、多くの -ly 語は副詞である。
しかし、
- -ly がついて副詞になる語
- -ly がついていても形容詞の語
- -ly がなくても副詞として使われる語
- -ly がつくことで意味が変わる語
がある。
つまり、-ly は便利な目印ではあるが、万能の判定機ではない。
-ly があるから副詞
-ly がないから副詞ではない
と決めつけると、英語の実際の使い方とずれてしまう。
学習者はどう覚えればよいか
学習者としては、まず基本を押さえればよい。
quick → quickly
careful → carefully
slow → slowly
このように、形容詞に -ly をつけて副詞を作るパターンは非常に重要である。
ただし、それだけで終わらせない方がよい。
次のように、例外というより「別のタイプ」として整理しておくとよい。
- friendly / lovely:-ly で終わる形容詞
- fast / hard:-ly がなくても副詞になる語
- hard / hardly:-ly がつくと意味が変わる語
- deep / deeply:意味の方向が変わる語
こう見ると、-ly は「副詞を作る接尾辞」としてだけでなく、英語の語の働きを考える入口になる。
まとめ
-ly は、英語で副詞を作るときによく使われる接尾辞である。
quick → quickly
careful → carefully
slow → slowly
のように、形容詞から副詞を作る典型的なパターンがある。
しかし、-ly がついていれば必ず副詞というわけではない。
friendly
lovely
lonely
のように、-ly で終わっていても形容詞として使われる語がある。
また、
fast
hard
late
のように、-ly がなくても副詞として働く語もある。
さらに、
hard / hardly
deep / deeply
のように、-ly がつくことで意味の方向が変わる語もある。
だから、-ly は大切な目印ではある。
しかし、-ly だけで品詞や意味を決めつけるのではなく、 文の中でどう働いているのかを見ることが大切である。