塾長ノート

連鎖関係代名詞とは何か

I think がはさまる関係代名詞

関係代名詞を勉強していると、ある程度進んだところで少しややこしい文に出会う。

たとえば、次のような文である。

This is the book which I think is useful.

意味は、

これは、私が役に立つと思う本です。

である。

一見すると、関係代名詞 which のあとに I think が入っていて、 どこがどうつながっているのか分かりにくい。

このような形は、学校文法では 連鎖関係代名詞 と呼ばれることがある。

名前は少し大げさだが、考え方自体はそれほど難しくない。

まず普通の関係代名詞を確認する

まず、普通の関係代名詞から確認しておく。

This is the book which is useful.

これは、

これは役に立つ本です。

という意味である。

ここでは、which が先行詞 the book を受けている。

そして、関係詞節の中では、

which is useful

となっている。

つまり、もとの関係としては、

the book is useful

である。

ここまでは、比較的わかりやすい。

そこに I think がはさまる

では、次の文はどうだろうか。

This is the book which I think is useful.

これは、先ほどの文に I think がはさまった形と考えるとわかりやすい。

This is the book which is useful.

This is the book which I think is useful.

つまり、話し手がただ「役に立つ本だ」と言っているのではなく、

私は、その本が役に立つと思っている

という判断を加えている。

ここで大事なのは、I think をいったん外して考えることである。

This is the book which I think is useful.
→ This is the book which is useful.

こうすると、which の役割が見えやすくなる。

which は何の役割をしているのか

次に、which が関係詞節の中でどんな役割をしているのかを見てみたい。

This is the book which I think is useful.

この文では、which は is useful の主語にあたる。

つまり、もとの関係は、

the book is useful

である。

I think は、そこに挿入されているように見える。

which [I think] is useful

と考えるとわかりやすい。

もちろん、厳密には「ただの挿入」とだけ言い切ると文法的には雑になる。

しかし、高校英文法や読解の実用としては、まず

I think をいったん外す

という読み方で十分に役に立つ。

連鎖関係代名詞とは何か

連鎖関係代名詞とは、簡単に言えば、

関係代名詞のあとに I think や I believe などが続き、
そのあとで本来の文の続きが出てくる形

である。

たとえば、

This is the book which I think is useful.

では、

which is useful

の間に I think が入っているように見える。

同じように、

He is the man who I believe can help us.

では、

who can help us

の間に I believe がはさまっている。

つまり、

who I believe can help us

は、

who can help us

I believe が加わった形と見ることができる。

よく出る表現

連鎖関係代名詞でよくはさまる表現には、次のようなものがある。

  • I think
  • I believe
  • I suppose
  • I know
  • you think
  • he says
  • she believes

たとえば、次のように使われる。

This is the person who I think is responsible.
She is the student who I believe will pass the exam.
This is the idea which he says is important.

どれも、関係代名詞のあとに I thinkhe says のような判断・発言を表す部分が入っている。

読み方のコツ

読み方のコツはシンプルである。

I think / I believe / he says などを、いったん外して読む。

たとえば、

This is the book which I think is useful.

なら、

This is the book which is useful.

として考える。

そこに、

I think

が加わって、

私が役に立つと思う本

になる。

同じように、

She is the student who I believe will pass the exam.

なら、

She is the student who will pass the exam.

を先に見る。

そこに I believe が入って、

私が試験に合格すると信じている生徒

になる。

目的格の関係代名詞とは混同しない

ここで注意したいことがある。

連鎖関係代名詞では、関係代名詞のあとに 主語 + 動詞 が続く。

which I think is useful

これだけを見ると、

which I think

のように見えて、「which は think の目的語なのかな」と感じるかもしれない。

しかし、この文では、which は think の目的語ではない。

which は is useful の主語である。

which I think is useful
→ which is useful

と見ると分かりやすい。

つまり、見た目だけで目的格と判断しないことが大切である。

省略できるかどうかは慎重に考える

関係代名詞では、「目的格の関係代名詞は省略できる」と習うことが多い。

しかし、連鎖関係代名詞では、この判断が少しややこしくなる。

たとえば、

This is the book which I bought.

の which は、bought の目的語である。

そのため、

This is the book I bought.

のように省略できる。

一方で、

This is the book which I think is useful.

の which は、think の目的語ではなく、is useful の主語にあたる。

そのため、「I think の後ろにあるから目的格だ」と単純に考えると、読み間違える。

実際の英語では、関係代名詞が省略される形も見られるが、学習段階ではまず、

which I think is useful
→ which is useful

と考えて、which の役割を確認する方が安全である。

日本語にするときのコツ

日本語にするときは、I think などを「私が〜と思う」として、関係詞節の中に自然に入れればよい。

This is the book which I think is useful.
これは、私が役に立つと思う本です。
She is the student who I believe will pass the exam.
彼女は、私が試験に合格すると信じている生徒です。
This is the idea which he says is important.
これは、彼が重要だと言っている考えです。

日本語では、かなり自然に訳せることが多い。

ただし、英文を読むときは、どこが関係代名詞の本体なのかを見失いやすい。

そのため、まずは I thinkhe says を外して骨格を見るのが大切である。

学習者はどう理解すればよいか

連鎖関係代名詞という名前は、少し難しく聞こえる。

しかし、学習者としては、まず次のように理解すればよい。

関係代名詞のあとに I think などがはさまることがある。

そして、読みにくいときは、

I think などをいったん外して読む。

これだけでかなり見通しがよくなる。

たとえば、

the book which I think is useful

なら、

the book which is useful

を先に見る。

そこに I think が入っていると考える。

これが、連鎖関係代名詞を読むときの基本である。

まとめ

連鎖関係代名詞とは、簡単に言えば、

関係代名詞のあとに I think や I believe などがはさまる形

である。

This is the book which I think is useful.

では、which is useful の間に I think が入っているように見える。

読むときは、

which I think is useful
→ which is useful

のように、I think をいったん外すと構造が見えやすい。

連鎖関係代名詞は、名前ほど難しいものではない。

ただし、関係代名詞のあとに主語と動詞が続くため、目的格の関係代名詞と勘違いしやすい。

大切なのは、表面の語順だけでなく、

関係代名詞が、後ろのどの動詞・形容詞とつながっているのか

を見ることである。

そこが見えると、少し複雑な英文もずっと読みやすくなる。

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