英語を勉強していると、to と for の違いで迷うことが多い。
どちらも日本語では「〜に」「〜へ」「〜のために」と訳されることがある。
I gave a book to him.
I bought a book for him.
どちらも日本語にすると、
彼に本をあげた。
彼に本を買った。
のように、「彼に」と訳せてしまう。
しかし、英語の to と for は同じではない。
かなり大ざっぱに言えば、
to:到達点
for:方向・目的・利益
と考えると見えやすくなる。
to は「到達点」を表しやすい
まず、to から見てみる。
to の中心には、あるものがどこかに向かい、そこに届くという感覚がある。
I went to Tokyo.
私は東京へ行った。
この文では、Tokyo が移動の到達点である。
同じように、
I sent an email to her.
私は彼女にメールを送った。
では、メールが her に向かって届く感じがある。
つまり、to は、
何かが、どこかへ届く
ある地点に到達する
という感覚を持ちやすい。
give は to と相性がよい
この感覚は、第4文型から第3文型への書き換えでも見える。
He gave me a book.
He gave a book to me.
give は、ものが相手に渡る動詞である。
つまり、
a book → me
という移動がある。
だから、
He gave a book to me.
では、to me が「本の到達点」を表している。
send, show, lend, teach なども、相手に何かが届く、伝わる、向かう感じがあるため、to と相性がよい。
send a letter to her
show the picture to him
lend money to my friend
teach English to students
for は「方向・目的・利益」を表しやすい
一方、for は少し違う。
for は、何かが誰かに直接届くというより、
〜のために
〜に向けて
〜を目的として
という感覚を持ちやすい。
I bought a book for him.
この文では、本がその場で him に届いたとは限らない。
重要なのは、
彼のために本を買った
ということである。
つまり、for him は「彼の利益になるように」「彼のために」という方向を表している。
buy は for と相性がよい
buy は、相手にものを直接渡す動詞ではない。
まず「買う」という行為があり、その行為が誰かのために行われる。
He bought me a book.
He bought a book for me.
この場合、for me は、
私のために
という意味である。
make, cook, choose, find なども、誰かのために何かをする感じがあるため、for と相性がよい。
make dinner for my family
cook lunch for her
choose a present for him
find a seat for me
これらは、何かが相手に到達するというより、相手のために行為が行われている。
to と for は日本語訳だけでは区別しにくい
日本語では、to も for も「〜に」と訳せることがある。
give a book to him
彼に本をあげる
buy a book for him
彼に本を買う
しかし、英語では見ている関係が違う。
give の場合は、本が彼に届く。
buy の場合は、彼のために本を買う。
つまり、
to:相手が到達点になる
for:相手のために行為が行われる
と考えるとよい。
いつもきれいに分かれるわけではない
ただし、to と for の違いは、いつも機械的に決まるわけではない。
動詞によって相性があり、慣用的な使い方もある。
また、文脈によっては、to と for のどちらもありえるような表現もある。
だから、
to は絶対に到達
for は絶対に目的
と覚えると、かえって危ない。
それでも、学習者にとっては、
to は到達点を見ている
for は方向・目的・利益を見ている
という補助線はかなり役に立つ。
まとめ
to と for は、日本語ではどちらも「〜に」と訳されることがある。
しかし、中心にある感覚は違う。
to:到達点
for:方向・目的・利益
たとえば、
He gave a book to me.
では、本が私に届く。
一方で、
He bought a book for me.
では、私のために本を買っている。
日本語訳だけを見ると、どちらも「私に」と訳せることがある。
しかし、英語では、
何かが相手に届くのか
相手のために行為が行われるのか
が違う。
to と for の違いは、単語の訳だけで覚えるより、動きや関係の見え方として捉えると理解しやすい。