ポケモンローカライズ研究、今回は イーブイ を取り上げる。
イーブイは、英語では Eevee と呼ばれる。
イーブイ → Eevee
ピカチュウと同じように、英語でもかなり日本語名に近い形で使われている。
しかし、ピカチュウが「音そのものの強さ」で残っている名前だとすれば、 イーブイは少し違う。
イーブイ / Eevee には、Evolution、つまり「進化」という発想が深く関わっている。
この記事では、イーブイと Eevee の名前から、 「進化する可能性」を名前に込めるローカライズを考えてみたい。
なお、ポケモン名の由来は、公式にすべてが細かく説明されているわけではない。 ここでは、名前の形と英単語から読み取れる範囲で、英語学習につながる考察として整理する。
イーブイは「進化」のポケモン
イーブイの大きな特徴は、さまざまな姿に進化することである。
初代では、
シャワーズ
サンダース
ブースター
の3種類に進化した。
その後も、エーフィ、ブラッキー、リーフィア、グレイシア、ニンフィアなど、 進化先が増えていった。
つまり、イーブイは単にかわいいノーマルタイプのポケモンというだけではない。
「どんな姿にもなれるかもしれない」という可能性そのものが、キャラクターの中心にある。
だから、名前にも 進化 のイメージが入りやすい。
Eevee は E-V から来た名前とされる
イーブイの英語名 Eevee は、一般的に E-V の発音から来た名前と説明される。
Evolution
↓
E-V
↓
Eevee
evolution は「進化」を意味する英単語である。
その最初の2文字が、
E
V
である。
これをアルファベットの読み方で発音すると、
イー・ヴィー
のようになる。
そこから、ポケモン名として Eevee という表記になっていると考えると分かりやすい。
日本語名のイーブイも、この E-V の音をカタカナにしたものとして見ることができる。
なぜ Evolution そのものではないのか
もしイーブイを意味だけで名づけるなら、
Evolution
そのものを名前にしてもよさそうである。
しかし、それではポケモンの名前としては長すぎる。
しかも、Evolution は普通の英単語としての意味が強い。
キャラクター名というより、
概念そのもの
になってしまう。
一方、Eevee は短く、かわいらしく、名前として覚えやすい。
そして、よく見ると Evolution の E-V が隠れている。
つまり、Eevee は、
進化というテーマを残しながら、名前として短く整えた形
だと言える。
イーブイは「意味を訳した名前」ではない
フシギダネの英語名 Bulbasaur は、植物の芽や球根を表す bulb と、 トカゲ・恐竜を連想させる saur から考えられる名前だった。
ヒトカゲの Charmander は、char と salamander を連想させる名前だった。
ゼニガメの Squirtle は、squirt と turtle を組み合わせた名前だった。
それらに比べると、Eevee は少しタイプが違う。
Eevee は、
見た目を英語で説明した名前
というより、
進化というコンセプトを音にした名前
である。
つまり、Eevee という名前は、イーブイの姿そのものよりも、 イーブイが持つ可能性を前に出している。
「進化の可能性」が名前になっている
イーブイは、進化先が多いことで知られている。
水タイプへ
電気タイプへ
炎タイプへ
エスパータイプへ
あくタイプへ
くさタイプへ
こおりタイプへ
フェアリータイプへ
いろいろな方向に進化できるからこそ、イーブイは特別な存在である。
その特徴を、名前の中に直接入れるなら、
Evolution
という語が出てくる。
ただし、名前としてはそのままでは重い。
そこで、Evolution の最初の2文字を音にして、
E-V → Eevee
とする。
これは、かなりうまい名前づくりである。
意味を直接説明しすぎず、しかし名前の奥に「進化」のテーマを残しているからである。
英語名と日本語名の距離が近い
イーブイの場合、日本語名と英語名の距離がかなり近い。
イーブイ
Eevee
音としては、ほとんど同じである。
これは、ピカチュウにも近い。
ピカチュウ → Pikachu
イーブイ → Eevee
ただし、理由は少し違う。
ピカチュウは、音そのものがキャラクターとして非常に強いため、 英語でもそのまま残ったと考えられる。
一方、イーブイは、Evolution の E-V という英語的な発想が名前の中心にある。
そのため、日本語名と英語名が近いだけでなく、 もともと英語の evolution とつながる名前として理解しやすい。
Eevee は英単語学習にもつながる
Eevee から学べる重要な英単語は、やはり evolution である。
evolution:進化、発展
evolution は、生物の進化だけでなく、 ものごとの発展や変化を表すときにも使われる。
たとえば、
the evolution of language
言語の変化・発展
のように使うことができる。
ポケモンでは「進化」というと、姿が変わるゲーム上の現象を思い浮かべる。
しかし、英語の evolution は、より広く「変化して発展すること」を表す語である。
イーブイという名前を通して、evolution という語を覚えると、 単語だけでなく、そのイメージもかなり残りやすい。
ローカライズでは「特徴」ではなく「コンセプト」を残すこともある
ポケモン名のローカライズでは、見た目やタイプをそのまま名前に入れることが多い。
Bulbasaur:植物の芽・球根+生き物らしさ
Charmander:火で焦がす感じ+サラマンダー
Squirtle:水を噴き出す+カメ
しかし、Eevee は少し違う。
Eevee では、見た目よりも、
進化の可能性
が名前の中心になっている。
これは、ローカライズにおいて大切な視点である。
キャラクター名は、必ずしも見た目を説明する必要はない。
ときには、そのキャラクターの一番大事なコンセプトを名前にすることがある。
イーブイの場合、そのコンセプトは「進化」である。
だからこそ、Eevee という名前は、イーブイらしさをかなりよく表している。
まとめ
イーブイは、英語で Eevee と呼ばれる。
Evolution
↓
E-V
↓
Eevee
Eevee は、Evolution の最初の2文字である E-V の発音から来た名前とされる。
イーブイは、さまざまな姿に進化できるポケモンである。
そのため、名前にも「進化」のテーマが強く関わっている。
Evolution そのものを名前にすると長く説明的になる。
しかし、E-V をもとに Eevee とすれば、 短く、かわいらしく、名前として覚えやすい。
イーブイ / Eevee は、見た目を説明する名前ではなく、 「進化の可能性」というコンセプトを名前にした例だと言える。
ポケモン名のローカライズでは、見た目やタイプだけでなく、 そのポケモンの中心にあるテーマが名前になることもある。
イーブイは、そのことを分かりやすく見せてくれるポケモンである。