ポケモンローカライズ研究、今回は ニャース を取り上げる。
ニャースは、英語では Meowth と呼ばれる。
ニャース → Meowth
これは、かなりローカライズらしい名前である。
なぜなら、ニャースの名前には「猫の鳴き声」が関わっているからである。
日本語では、猫の鳴き声をよく、
ニャー
と表す。
一方、英語では、
meow
と表す。
つまり、ニャースから Meowth へのローカライズは、 単語の意味を訳すだけでなく、鳴き声の表し方そのものを言語ごとに移し替えている。
日本語名:ニャース
まず、日本語名の ニャース から考える。
ニャースという名前からは、かなり自然に、
ニャー
という猫の鳴き声が感じられる。
日本語では、猫の鳴き声を「ニャー」「ニャン」のように表すことが多い。
ニャースという名前も、その猫らしい音をもとにした名前として見ると分かりやすい。
ただし、単に「ニャー」ではなく、語尾に ス がついている。
これにより、
猫っぽい音
ポケモン名としてのまとまり
の両方が生まれている。
ニャースは、猫の鳴き声をそのまま少し変形して、名前として整えたものだと言える。
英語名:Meowth
英語名は Meowth である。
この名前からまず見えるのは、meow である。
meow:ニャー、猫の鳴き声
英語では、猫の鳴き声を meow と表す。
日本語の「ニャー」にあたる音である。
そのため、Meowth は、
英語での猫の鳴き声をもとにした名前
と見ることができる。
ここが非常におもしろい。
ニャースを英語にするとき、単に音をそのまま Nyarth のように写したのではない。
英語圏の人にとって猫らしく聞こえる meow を使って、名前を作り直している。
なぜ Nyarth ではなく Meowth なのか
ニャースをローマ字風に写せば、Nyarth のような形も考えられる。
実際、日本語名をそのまま音写するなら、そちらの方が近い。
しかし、英語版では Meowth になった。
これは、かなりローカライズ的な判断である。
日本語の「ニャー」は、日本語話者にとって猫らしい音である。
しかし、英語話者にとって猫の鳴き声として自然なのは、
meow
である。
つまり、英語名では、日本語の音をそのまま残すよりも、 英語の中で猫らしく聞こえる音に置き換えている。
ニャー → meow
ここに、言語ごとの世界の切り取り方が表れている。
猫そのものは同じでも、その鳴き声をどう聞き取り、どう文字にするかは言語によって違う。
ニャースと Meowth の違いは、そのことをとても分かりやすく見せてくれる。
動物の鳴き声は言語ごとに違う
動物の鳴き声は、実際には同じ動物から出ている音である。
しかし、その音を人間がどう聞き取り、どう言語化するかは、言語によってかなり違う。
たとえば、日本語では猫の鳴き声を、
ニャー
と表す。
英語では、
meow
と表す。
どちらかが絶対に正しいという話ではない。
どちらも、その言語の音の体系の中で、猫の声を表そうとしている。
つまり、鳴き声の表現も、言語のフィルターを通っている。
ニャースが Meowth になることは、 ただの名前変更ではなく、動物の声をどう言語化するかの違いでもある。
Meowth の -th は何をしているのか
Meowth は、単に Meow ではない。
語尾に -th がついている。
meow + th → Meowth
この -th については、いくつかの見方ができる。
ひとつは、日本語名のニャース、あるいは Nyarth の語尾の響きを少し残しているという見方である。
もうひとつは、mouth や wealth のような語を連想させるという見方である。
ニャースは、コインやお金のイメージとも結びついている。
そのため、wealth「富」を思わせる響きがあると考えると、 ニャースのキャラクター性ともつながる。
ただし、ここは断定しすぎない方がよい。
はっきり言えるのは、Meowth は単なる meow ではなく、 猫の鳴き声を名前として少し変形した形だということである。
ニャースは「招き猫」のイメージも持っている
ニャースの見た目には、猫だけでなく、招き猫のようなイメージも重なっている。
特に、額にある小判のようなものは印象的である。
招き猫は、日本では商売繁盛や幸運を招くものとして知られている。
ニャースにも、
猫
小判
お金
幸運
のような要素が重なっている。
その意味では、ニャースは単に猫のポケモンというだけではない。
日本文化にある招き猫や小判のイメージも背負っている。
英語名の Meowth は、まず猫の鳴き声である meow を前面に出している。
一方で、語尾の響きやキャラクターの設定から、お金や富のイメージも重ねて読むことができる。
ここにも、ローカライズの面白さがある。
ニャースと Meowth はどちらも鳴き声を名前にしている
ニャースと Meowth を比べると、どちらも猫の鳴き声をもとにした名前であることが分かる。
ニャース:ニャー
Meowth:meow
つまり、名前の発想自体はかなり近い。
しかし、使われている音は違う。
日本語では「ニャー」が猫らしい。
英語では「meow」が猫らしい。
同じ猫の声でも、言語ごとに聞こえ方が違う。
だから、英語版では日本語の「ニャー」をそのまま残すのではなく、 英語の「meow」に置き換えた。
これは、かなり自然なローカライズである。
ローカライズは「意味」だけでなく「音」も移す
ニャースと Meowth の例から分かるのは、ローカライズでは意味だけでなく音も大切だということである。
フシギダネやヒトカゲ、ゼニガメでは、見た目やタイプ、能力が名前に反映されていた。
一方、ニャースでは、
猫の鳴き声
が中心にある。
鳴き声は、辞書的な意味だけでは扱いにくい。
なぜなら、鳴き声はその言語の音の感じに合わせて表されるからである。
そのため、ローカライズでは、
元の音をそのまま残すのか
その言語で自然な音に置き換えるのか
を選ぶ必要がある。
ニャースの場合、英語名では meow を使うことで、 英語話者にとって猫らしい名前になっている。
英語学習として見る Meowth
Meowth から学べる英語は、まず meow である。
meow:ニャー、猫の鳴き声
meow は、猫の鳴き声を表す英語である。
また、動詞として「猫がニャーと鳴く」という意味でも使われる。
たとえば、
The cat meowed.
と言えば、「その猫はニャーと鳴いた」という意味になる。
ニャースの英語名を見ると、
日本語のニャー
英語の meow
の対応が分かりやすい。
これは、単語の意味だけでなく、言語ごとの音の表し方を学ぶ入口になる。
まとめ
ニャースは、英語で Meowth と呼ばれる。
ニャース:ニャー
Meowth:meow
日本語名のニャースは、日本語で猫の鳴き声を表す「ニャー」をもとにした名前として考えられる。
一方、英語名の Meowth は、英語で猫の鳴き声を表す meow をもとにしている。
つまり、ニャースから Meowth へのローカライズでは、 猫の鳴き声そのものが、日本語の「ニャー」から英語の meow へ置き換えられている。
これは、ローカライズが単なる意味の翻訳ではないことを示している。
動物の鳴き声のような音の表現も、言語ごとに違う。
そのため、ローカライズでは、その言語の中で自然に聞こえる音を選ぶ必要がある。
ニャースと Meowth の違いは、ことばが世界の音をどう切り取るのかを考えるうえで、とても面白い例である。