塾長ノート

絵文字は英語でも emoji

絵と文字から生まれた語が、画面の中の表現を世界へ運ぶ

日本語では、

メッセージに絵文字をつける
ハートの絵文字を送る
絵文字だけで返事をする

のように、「絵文字」という言葉を自然に使う。

スマートフォンやSNSでのやり取りでは、 文字だけでなく、 顔の表情、食べ物、動物、乗り物、記号などの小さな画像によって、 気持ちや情報を伝えることがある。

この「絵文字」は、 英語でも、

emoji

と言う。

She sent me a heart emoji.
彼女は私にハートの絵文字を送りました。
I often use emojis in my messages.
私はメッセージでよく絵文字を使います。

日本語の「絵文字」という語が、 デジタル上の表現とともに、 emoji という形で英語の中にも入っているのである。

英語でも emoji を使う

英語の emoji は、 メッセージやメール、SNSなどで使う小さな画像や記号を表す。

emoji
絵文字・電子的なやり取りで使われる小さな画像や記号

たとえば、

He replied with a smiling emoji.
彼は笑顔の絵文字で返信しました。
Which emoji do you use most often?
どの絵文字をいちばんよく使いますか。
Her message was full of emojis.
彼女のメッセージは絵文字でいっぱいでした。

のように使える。

「カラオケ」が英語でも karaoke と言えるのと同じように、 「絵文字」も、 英語にするときに別の基本語へ言い換える必要はない。

絵文字を送る
send an emoji
絵文字を使う
use emojis
ハートの絵文字
a heart emoji

のように、 emoji を中心に表現すればよい。

emoji は「絵」と「文字」から生まれた

emoji という語は、 英語の中で見ると、 emotionemotional と関係がありそうに感じられる。

実際、絵文字は、 喜び、悲しみ、驚き、怒りなどの気持ちを表すためにもよく使われる。

しかし、emoji は、 英語の emotion から生まれた語ではない。

その成り立ちは、日本語の、

絵(え):picture / drawing
文字(もじ):letter / character

にある。

絵 + 文字
emoji

つまり、絵文字とは、 もともと「感情を表すマーク」というよりも、

絵を、文字のように使うもの

として名づけられた言葉である。

日本語では「絵文字」と書けば、 絵と文字の組み合わせであることがすぐに見える。

一方、英語に入った emoji は、 日本語を知らない人にとっては、 一つのまとまった借用語として使われる。

同じ語を使っていても、 日本語話者には語の組み立てが見えやすく、 英語話者には日本から入ってきた名称として受け取られているのである。

emoji は emotion からできた語ではない

emojiemotion は、 音の形がよく似ている。

しかも、絵文字には、

😊 うれしい気持ち
😢 悲しい気持ち
😡 怒っている気持ち

のように、 感情を表すものが多い。

そのため、 emojiemotion と関係する語だと思ってしまうのは自然である。

しかし、語の由来としては両者は別である。

emoji:日本語の「絵」+「文字」
emotion:感情を表す英語

絵文字が感情を表すためによく使われることと、 emoji という名前が emotion から生まれたこととは同じではない。

ここには、単語を見るときの面白さがある。

見た目や音が似ていて、 意味の上でも関係がありそうに感じられても、 実際の語源はまったく別の場合がある。

emoji は、 英語らしい響きを持ちながら、 日本語の「絵文字」という構造を背負って英語へ入った語なのである。

emoticon とは何が違うのか

emoji と似た場面で使われる語に、 emoticon がある。

emoticon は、 もともと、

:-)
:-(
;-)

のように、 文字や記号を組み合わせて表情を表すものを指す。

emoticon
文字記号を組み合わせて表す顔や感情の記号

一方、emoji は、

😊
🍎
🚃

のように、 一つの画像記号として表示されるものを表す。

emoticon::-) のような文字記号の組み合わせ
emoji:😊 や 🍎 のような画像記号

また、語の成り立ちも異なる。

emoticon:emotion + icon
emoji:絵 + 文字

両者は、 文章だけでは伝えにくい雰囲気や気持ちを補うという点では近い。

しかし、 emoticon は英語の要素から作られた語であり、 emoji は日本語から英語へ入った語である。

絵文字は「感情」だけを表すものではない

絵文字というと、 笑顔や泣き顔のような、 感情を表す画像をまず思い浮かべやすい。

しかし、emoji は、 感情だけを表すものではない。

🍞 食べ物
🚲 乗り物
☀️ 天気
🎂 誕生日や祝い
✅ 確認や完了

のように、 物、出来事、予定、状況、返事なども表すことができる。

たとえば、

I'll bring pizza tonight. 🍕
今夜ピザを持っていくね。
Good job! 👏
よくできました。
See you at the station. 🚃
駅で会おう。

のように、 絵文字は文の内容を補ったり、 やり取りの雰囲気をやわらかくしたり、 言葉の代わりに簡単な情報を示したりする。

ここでも、「絵文字」という日本語の名前は分かりやすい。

絵文字は単なる 「感情を表す顔のマーク」ではなく、 絵を文字のように使うもの だからである。

日本語の語が、英語の中でも必要とされる

前回扱った karaoke は、 日本語で生まれた娯楽の名前が、 その遊び方とともに英語へ入った例だった。

emoji も、 日本語で名づけられたものが、 英語の中でそのまま使われるようになった例である。

ただし、こちらは娯楽の名前ではなく、

画面の上で、絵を使って気持ちや情報を伝えること

に関わる語である。

現在では、 日本語でメッセージを書く人だけでなく、 英語でメッセージを書く人も、 さまざまな言語を使う人も、 絵文字を使ってやり取りをする。

そして英語では、 その小さな画像記号を表す名前として、 日本語由来の emoji が使われている。

日本語は、 外国語から言葉を受け取るだけの言語ではない。

日本語の中で生まれた語が、 新しい道具や表現の広がりとともに、 別の言語へ渡っていくこともある。

emoji は、 日本語で名づけられた表現のしかたが、 英語の中でも必要な語になった例なのである。

英作文・英会話での使い方

英作文や英会話では、 「絵文字」を表すときに emoji をそのまま使えばよい。

たとえば、

私はメッセージでよく絵文字を使います。

なら、

I often use emojis in my messages.

と言える。

また、

彼女は私にハートの絵文字を送りました。

なら、

She sent me a heart emoji.

が使いやすい。

「彼は絵文字だけで返信しました」なら、

He replied with just an emoji.

と言える。

英語で実際に使うときは、 次のような組み合わせを覚えておくとよい。

use emojis
絵文字を使う
send an emoji
絵文字を送る
add an emoji to a message
メッセージに絵文字を加える
reply with an emoji
絵文字で返信する

日本語と英語で同じ語を使えるからこそ、 その語と一緒によく使う動詞まで覚えておくと、 実際の表現として使いやすくなる。

よく使う形で覚える

「絵文字」まわりの英語は、 次の形で整理しておくと使いやすい。

emoji
絵文字
use emojis
絵文字を使う
send an emoji
絵文字を送る
a heart emoji
ハートの絵文字
a smiling emoji
笑顔の絵文字
reply with an emoji
絵文字で返信する
emoticon
文字記号を組み合わせた顔文字・感情記号

日本語の「絵文字」は、 英語でも emoji として使える。

そのうえで、 emojiemotion から生まれた語ではなく、 日本語の「絵」と「文字」に由来する語であることも押さえておきたい。

まとめ

日本語の「絵文字」は、 英語でも、

emoji

と言う。

emoji は、 英語の emotion から生まれた語ではなく、

絵(え)+ 文字(もじ)

に由来する日本語の言葉である。

英語では、

send an emoji
use emojis
a heart emoji

のように使うことができる。

また、 emoticon は :-) のように文字記号を組み合わせて表すものを指し、 emoji とは語の成り立ちも異なる。

「絵文字」という語が興味深いのは、 日本語では非常に分かりやすい 「絵を文字のように使う」という発想が、 emoji という形で英語にも入り、 デジタル上のコミュニケーションを表す語として使われている点である。

日本語は、 外国語から言葉を受け取るだけではない。

日本語の中で名づけられた物事が広がることで、 その名前が別の言語の中でも必要とされることがある。

emoji は、 絵と文字のあいだにある表現を日本語が名づけ、 その言葉が英語の中でも使われるようになった例なのである。

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