物がどこにあるかを英語で言うとき、 前置詞が必要になる。
The book is on the desk.
その本は机の上にあります。
この文の on は、 ふつう「〜の上に」と訳される。 そのため、 最初は on = 上に と覚えても大きな問題はない。
しかし、 次の文も見てほしい。
The picture is on the wall.
その絵は壁にかかっています。
絵は、 壁の「上」に置かれているわけではない。 それでも英語では on the wall と言う。
ここから分かるのは、 on が単に日本語の「上に」と対応する語なのではなく、 物がある面に接している位置関係 を表す語だということである。
同じように、 in / under / by / near / between / in front of / behind も、 物と場所の関係を表す。
今回は、 場所を表す前置詞を、 日本語訳の暗記だけではなく、 どのような位置関係を示しているのか という視点から整理しよう。
on は、面に接している位置を表す
まず、 on の基本を確認しよう。
The book is on the desk.
その本は机の上にあります。
机には、 物を置ける平らな面がある。 本はその面に接した状態で置かれている。 このような位置関係を on で表す。
There is a cup on the table.
テーブルの上にカップがあります。
My notebook is on the chair.
私のノートは椅子の上にあります。
ここでは、 日本語でも自然に 「〜の上に」と訳せる。
しかし、 on は、 水平な面だけに使うわけではない。
There is a picture on the wall.
壁に絵があります。
There is a notice on the door.
ドアに張り紙があります。
壁やドアは縦の面である。 それでも、 絵や張り紙がその面に接しているため、 on が使える。
つまり、 on の中心は、 「上か下か」よりも、 ある面に触れて支えられている、または取り付けられている という見方にある。
反対に、 物が机の上方にあっても、 机に接していないなら、 on では表しにくい。
The lamp is above the desk.
そのランプは机の上方にあります。
above は、 机より高い位置にあることを表すが、 接しているとは限らない。
on the desk
→ 机の面に接している
above the desk
→ 机より上方にある。接しているとは限らない
中学英語の問題では、 まず on the desk / on the table / on the wall のような基本表現を正確に使えるようにしたい。 そのうえで、 on は面との接触をとらえる語 だと分かっていると、 「壁に」がなぜ on the wall になるのかも理解しやすくなる。
in / under / by / near で、物の位置関係を言い分ける
場所を表す前置詞は、 on だけではない。 物がどのような場所にあるのかによって、 使う前置詞を変える。
まず、 in は、 ある範囲や入れ物の中にあることを表す。
There are some eggs in the box.
箱の中に卵がいくつかあります。
My brother is in his room.
私の弟は自分の部屋にいます。
箱なら、 その内側に物が入っている。 部屋なら、 壁などで囲まれた範囲の内側に人がいる。 このような「中に入っている」という関係を in で表す。
on the box
→ 箱の面の上にある
in the box
→ 箱の中に入っている
次に、 under は、 ある物より下の位置にあることを表す。
My cat is under the bed.
私の猫はベッドの下にいます。
The bag is under the desk.
そのかばんは机の下にあります。
on the desk なら机の上の面に置かれている。 under the desk なら机より下の空間にある。 同じ the desk を使っても、 前置詞が変われば場所の捉え方が大きく変わる。
また、 by と near は、 どちらも近い場所を表すことがある。
The chair is by the window.
その椅子は窓のそばにあります。
There is a library near my house.
私の家の近くに図書館があります。
by は、 「すぐそばに」「隣に」という近さを表しやすい。 near は、 「近くに」と、 少し広めに場所を捉えるときにも使える。
ただし、 これは厳密な距離を数字で分ける規則ではない。 中学英語では、 まず次のような基本的なイメージで押さえるとよい。
by the window
→ 窓のすぐそばに
near the station
→ 駅の近くに
英作文では、 日本語の「〜に」だけを見て前置詞を選ぶのではなく、 中なのか、上なのか、下なのか、近くなのか を先に考えることが大切である。
between / in front of / behind で、基準になる物との関係を示す
場所を表す語句には、 一語の前置詞だけでなく、 in front of のように複数の語で一つの働きをするものもある。
between は、 二つの人や物の間にあることを表す。
The bank is between the station and the library.
銀行は駅と図書館の間にあります。
between A and B の形で、 A と B の間にある場所を示す。
My seat is between Ken and Yuki.
私の席は健と由紀の間です。
二つの基準になるものを示すため、 between を使うときは and と組み合わせる形をよく使う。
in front of は、 「〜の前に」を表す。
There is a bus stop in front of the school.
学校の前にバス停があります。
Ken is standing in front of the door.
健はドアの前に立っています。
一方、 behind は、 「〜の後ろに」を表す。
There is a garden behind the house.
家の後ろに庭があります。
The ball is behind the box.
ボールは箱の後ろにあります。
これらの表現では、 ある物を基準にして、 その前・後ろ・間のどこに別の物があるのかを示している。
between A and B
→ A と B の間に
in front of the school
→ 学校の前に
behind the house
→ 家の後ろに
また、 場所を表す前置詞の後ろには、 基準となる名詞が続く。
on the desk
in the box
under the bed
near my house
between the station and the library
前置詞だけで場所が決まるのではなく、 前置詞 + 名詞 のまとまりで、 「何を基準にしてどこにあるのか」を表すのである。
The book is ... と There is a book ... を使い分ける
場所を表す前置詞は、 すでに話題になっている物の場所を説明するときにも、 新しく物の存在を伝えるときにも使える。
The book is on the desk.
その本は机の上にあります。
この文では、 the book という、 すでに分かっている本について、 その場所を説明している。
一方、 次の文はどうだろうか。
There is a book on the desk.
机の上に本が一冊あります。
この文では、 机の上にある a book を、 新しく話の中に登場させている。
The book is on the desk.
→ その本がどこにあるかを説明する
There is a book on the desk.
→ 机の上に本が存在することを伝える
どちらの文でも、 on the desk は同じように 「机の面に本がある」 という場所を示している。 違うのは、 文の中で何を先に話題にしているかである。
物の場所を英語で表すときは、 次の順序で考えると組み立てやすい。
1. 何の場所を説明したいのかを決める
2. 何を基準にした場所なのかを決める
3. その位置関係に合う前置詞を選ぶ
たとえば、 「私のかばんは机の下にあります」なら、
My bag is under the desk.
「公園の近くに図書館があります」なら、
There is a library near the park.
「学校の前にバス停があります」なら、
There is a bus stop in front of the school.
日本語では、 いずれも大きく「〜にあります」と言える。 しかし英語では、 その場所をどのような関係として見るのか によって、 前置詞を選ぶ必要がある。
on を単に「上に」と暗記するだけでなく、 面に接している関係として理解する。 in は内側、 under は下、 near は近く、 between は二つのものの間として理解する。
前置詞は小さな語だが、 物と世界の位置関係を、 英語で切り分けて示すための大切な語なのである。