塾長ノート

There is a book on the desk. の There は何を表しているのか

ある場所に存在する人や物を、会話に登場させる

部屋に入ったとき、 机の上に本が一冊置いてあることに気づいたとする。 そのことを英語で伝えるなら、 次のように言える。

There is a book on the desk.
机の上に本が一冊あります。

この文は、 中学英語で初めて見ると、 少し不思議に感じるかもしれない。

there という語を見れば、 まず「そこに」と訳したくなる。 しかし、 この文の場所はすでに on the desk が表している。

on the desk
→ 机の上に

では、文のはじめの There は何をしているのだろうか。

There is / There are ... は、 ある場所に人や物が存在することを述べるための形である。 とくに、 それまで話題に出ていなかった人や物を、 「〜があります」「〜がいます」と 会話の中に登場させるときに使いやすい。

今回は、 There is / There are ... の基本の形と、 なぜ後ろに a booksome books のような語が置かれやすいのかを整理していこう。

There is / There are ... は「〜がある・いる」を表す

There is / There are ... は、 人や物が存在することを表す。

There is a book on the desk.
机の上に本が一冊あります。
There is a boy in the park.
公園に男の子が一人います。
There are two dogs near the tree.
木の近くに犬が二匹います。

日本語では、 「机の上に」「公園に」のように 場所を先に言ってから、 「本がある」「男の子がいる」と述べるのが自然である。

英語でも、 この形は 「ある場所に何かが存在する」 という内容を伝える。 基本の語順は次のようになる。

There is / are + 人・物 + 場所を表す語句.
→ 場所に、人・物があります/います。

たとえば、 a book は存在する物、 on the desk はその物がある場所を表している。

There is a book on the desk.
本が一冊机の上にある。

人について述べる場合も、 形は同じである。

There is a student in the library.
図書館に生徒が一人います。
There are some students in the library.
図書館に何人かの生徒がいます。

日本語では、 物なら「ある」、人や動物なら「いる」と訳し分けることが多い。 しかし英語では、 どちらも同じ There is / There are ... の形で表すことができる。

is と are は、後ろに登場する人や物に合わせる

There is ...There are ... のどちらを使うかは、 後ろに置かれる人や物が、 一つ・一人なのか、 複数なのかによって決まる。

一つの物や一人の人を述べるなら、 is を使う。

There is a pen on the desk.
机の上にペンが一本あります。
There is an apple in the bag.
かばんの中にりんごが一つあります。
There is a girl at the door.
ドアのところに女の子が一人います。

二つ以上の物や、 二人以上の人を述べるなら、 are を使う。

There are two pens on the desk.
机の上にペンが二本あります。
There are some apples in the bag.
かばんの中にりんごがいくつかあります。
There are three girls at the door.
ドアのところに女の子が三人います。

文のはじめに There があるため、 There に合わせて is / are を決めるように思えるかもしれない。 しかし、 ここで大切なのは、 後ろに登場する人や物を見ることである。

There is a book on the desk.
→ a book は一冊なので is
There are two books on the desk.
→ two books は複数なので are

これは、 すでに学んだ This is a book.These are books. で、 単数・複数によって is / are を使い分けたのとつながっている。

a book と the book では、文の役割が違う

There is ... の文では、 次のように a / ansome が使われることが多い。

There is a book on the desk.
机の上に本が一冊あります。
There are some books on the desk.
机の上に本が何冊かあります。

なぜなら、 この形は、 「そこに何があるのか」を新しく伝える場面で とくに使いやすいからである。

たとえば、 まだ相手が机の上に本があることを知らない場面で、 まず本の存在を知らせるなら、 次のように言える。

There is a book on the desk.
机の上に本が一冊あります。

この a book は、 「いま初めて話題に出す一冊の本」 と考えるとよい。

いったんその本が話題に出たあとで、 「その本は私のものです」 と言うなら、 今度は the book を使える。

There is a book on the desk.
The book is mine.
机の上に本が一冊あります。その本は私のものです。

次の二つを比べてみよう。

There is a book on the desk.
→ 机の上に、本が一冊あることを知らせる。
The book is on the desk.
→ すでに分かっているその本が、どこにあるかを述べる。

どちらも日本語では 「本は/本が机の上にある」 と訳せる場面がある。 しかし、 英語では、 新しく存在を紹介するのか、 すでに話題になっている物の場所を説明するのかによって、 文の組み立て方が変わる。

まず中学英語では、 There is a ... / There are some ... を、 「新しく人や物の存在を伝える基本の形」 として身につけておけばよい。

場所を表す語句を後ろに置いて、存在する場所を伝える

There is / There are ... の文では、 人や物がどこにある・いるのかを伝えるために、 場所を表す語句がよく続く。

There is a cat under the table.
テーブルの下に猫が一匹います。
There is a library near my school.
私の学校の近くに図書館があります。
There are many students in the classroom.
教室にたくさんの生徒がいます。
There are two pictures on the wall.
壁に絵が二枚あります。

ここで、 文頭の There と、 場所を表す語句を混同しないようにしたい。

There is a cat under the table.
→ 「猫がいる」という形を作る部分 / 実際の場所を示す部分

「テーブルの下に」 という具体的な場所を表しているのは、 under the table である。 文頭の There は、 その場所に何かが存在することを述べる文を始める働きをしている。

したがって、 There is ... の形を見るたびに、 機械的に 「そこに〜があります」 と訳す必要はない。 後ろの場所表現を確認しながら、 日本語として自然に 「机の上に本があります」 「公園に男の子がいます」 と捉えればよい。

まとめ:There is / are ... は、存在するものを新しく示す形

今回のポイントを整理しよう。

There is a book on the desk.
机の上に本が一冊あります。

There is / There are ... は、 ある場所に人や物が存在することを表す形である。 とくに、 それまで話題に出ていなかったものを、 「〜があります」「〜がいます」と新しく伝えるときに使いやすい。

一つ・一人なら There is ...、 複数なら There are ... を使う。

There is a chair in the room.
部屋にいすが一脚あります。
There are some chairs in the room.
部屋にいすがいくつかあります。

また、 a chairsome chairs が使われやすいのは、 これから話題に出す人や物の存在を伝える文だからである。

There is a book on the desk.
→ 本の存在を新しく伝える。
The book is on the desk.
→ 分かっている本の場所を伝える。

There をただ「そこに」と訳すのではなく、 「そこに何があるのかを新しく伝えるための形」 と捉えられると、 この文の仕組みが見えやすくなる。

次は、 There is not ...Is there ...? のように、 存在を否定したり、 存在するかどうかをたずねたりする形へ進もう。

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