塾長ノート

I went to the station. の to は何を表しているのか

出発点・行き先・通る道筋を、前置詞で描く

前回は、 物がどこにあるかを表す前置詞を扱った。

The book is on the desk.
その本は机の上にあります。

この文では、 本が机とどのような位置関係にあるのかを、 on で示していた。

しかし、 前置詞が表すのは、 止まっている物の場所だけではない。 人や物が動くときには、 どこへ向かうのかどこから来たのかどのような道筋を通ったのか も前置詞で表すことができる。

I went to the station.
私は駅へ行きました。

この文の to は、 「駅」という場所そのものを説明しているのではなく、 移動が駅の方向へ向かっていること を表している。

今回は、 to / from / into / out of / along / across / through を中心に、 移動を表す文で前置詞をどう選ぶのかを整理していこう。

to は、移動が向かう先を表す

to は、 人や物が移動するとき、 その移動の行き先を示す。

I went to the station.
私は駅へ行きました。
She walked to the library.
彼女は図書館まで歩きました。
My father went to Osaka yesterday.
私の父は昨日、大阪へ行きました。

いずれも、 gowalk という移動が、 駅・図書館・大阪という場所へ向かっている。

ここで、 場所を表す at と比べてみよう。

I was at the station.
私は駅にいました。
I went to the station.
私は駅へ行きました。

at the station は、 駅という場所にいたことを表す。 一方、 to the station は、 駅を到着先として移動したことを表す。

日本語では、 どちらも「駅に」と表す場合がある。 しかし英語では、 すでにその場所にいるのか、 その場所へ向かって動くのかによって、 前置詞が変わる。

She is in the room.
彼女は部屋の中にいます。
She went to the room.
彼女はその部屋へ行きました。

in は部屋の内側にいる位置、 to は部屋を行き先とする移動を示している。

なお、 go home のように、 home の前にはふつう to を置かない。

I went home after school.
私は放課後、家に帰りました。

これは、 home がこの文では「家へ」という方向を含んで働くためである。 まずは、 go to the stationgo to schoolgo home をそれぞれまとまりとして確認しておくとよい。

from / into / out of で、出発点や境界を表す

to が向かう先を示すのに対して、 from は、 移動の出発点を示す。

I came from Tokyo.
私は東京から来ました。
This train runs from Ueno to Sendai.
この電車は上野から仙台まで走ります。

二つ目の文では、 from Ueno が出発点、 to Sendai が到着する方向を表している。

from A to B
AからBまで

という形で、 移動の始まりと終わりを一つの文の中に置くことができる。

では、 部屋の外から中へ入る動きを表すときはどうだろうか。

The cat ran into the room.
その猫は部屋の中へ走って入りました。
The boy went out of the room.
その少年は部屋の外へ出ていきました。

into は、 外側から内側へ入っていく動き、 out of は、 内側から外側へ出ていく動きを表す。

ここでも、 位置を表す in との違いが大切である。

The cat is in the room.
その猫は部屋の中にいます。
The cat ran into the room.
その猫は部屋の中へ走って入りました。

一つ目は、 猫がすでに部屋の中にいる状態を述べている。 二つ目は、 猫が部屋の外から中へ移動したことを述べている。

日本語ではどちらも「部屋の中に」と訳されることがあるが、 英語では 位置なのか、境界を越える動きなのか を区別して表せるのである。

along / across / through で、通る道筋を描く

移動を表す文では、 行き先や出発点だけでなく、 途中でどのような道筋を通るのかも表すことができる。

まず、 along は、 道や川などに沿って進む動きを表す。

Walk along this street.
この通りに沿って歩きなさい。
We walked along the river.
私たちは川に沿って歩きました。

通りや川の伸びている方向に合わせて、 そのそばを進んでいくイメージである。

一方、 across は、 道・川・広場などを一方の側からもう一方の側へ 横切る 動きを表す。

She walked across the street.
彼女は通りを横切って歩きました。
They swam across the river.
彼らは川を泳いで渡りました。

along the street は通りに沿って進むこと、 across the street は通りの反対側へ渡ることなので、 同じ street を使っていても動きは異なる。

Walk along this street.
→ 通りの方向に沿って進む
Walk across this street.
→ 通りの向こう側へ渡る

さらに、 through は、 公園・森・トンネルなど、 ある空間の中を通り抜ける動きを表す。

We walked through the park.
私たちは公園を通って歩きました。
The train went through the tunnel.
その電車はトンネルを通り抜けました。

across は面を横切るような動き、 through は空間の中を通り抜けるような動きとして整理すると、 違いをつかみやすい。

場所と移動を分けて考えると、前置詞を選びやすい

前置詞を選ぶとき、 日本語の「に」「へ」「を」だけを手がかりにすると、 迷いやすい。

まず、 文が止まっている位置を述べているのか、 それとも移動を述べているのかを考えるとよい。

The boy is in the park.
その少年は公園にいます。
→ 公園の中にいる位置
The boy went to the park.
その少年は公園へ行きました。
→ 公園を行き先とする移動
The boy ran into the park.
その少年は公園の中へ走って入りました。
→ 外から中へ入る移動
The boy walked through the park.
その少年は公園を通って歩きました。
→ 公園の中を通り抜ける移動

同じ the park でも、 話し手が描こうとしている関係が変われば、 前置詞も変わる。

移動を表す代表的な前置詞は、 次のようにまとめられる。

to:向かう先・行き先
from:出発点
into:外から中へ入る動き
out of:中から外へ出る動き
along:線に沿って進む動き
across:一方から反対側へ横切る動き
through:空間の中を通り抜ける動き

たとえば、 道案内で 「この通りに沿って歩いて、通りを渡り、公園を通り抜けて駅へ行く」 と言いたいなら、 一つ一つの動きを前置詞で描くことになる。

Walk along this street, go across the road, walk through the park, and go to the station.
この通りに沿って歩き、道を渡り、公園を通って、駅へ行きなさい。

前置詞は、 日本語訳を一つ覚えるためだけの語ではない。 人や物がどこにあり、 どこからどこへ、 どのように動いていくのかを、 文の中で具体的に描くための語なのである。

学習塾Study+から

学習塾Study+では、前置詞を日本語訳の一覧として覚えるだけでなく、矢印や簡単な図を頭に思い浮かべて整理します。 to は行き先へ向かう矢印、from は出発点から離れる矢印、across は反対側へ渡る線、through は空間の中を抜ける線です。 位置と移動を分けて理解できると、英文を作るときにも前置詞を選びやすくなります。

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