これまで学んできた一般動詞の文では、 動詞の後ろに 「何を」にあたる語を置くことがあった。
I play tennis.
私はテニスをします。
I want a new racket.
私は新しいラケットがほしいです。
tennis や a new racket は、 動詞が向かう相手となる語である。
では、 「私はテニスをしたいです」 と言いたいときは、 どうなるだろうか。
I want to play tennis.
私はテニスをしたいです。
この文で、 want の後ろに置かれているのは、 物の名前ではない。
to play tennis というまとまりが、 「テニスをすること」 を表している。
I want a new racket.
→ 新しいラケットを望む
I want to play tennis.
→ テニスをすることを望む
→ テニスをしたい
この to + 動詞の原形 の形を、 不定詞 と呼ぶ。
不定詞には、 中学英語で学ぶ大きな働きが三つあるが、 今回はその最初として、 「〜すること」を表し、 名詞のように動詞の後ろに置かれる使い方を整理しよう。
不定詞は to + 動詞の原形で作る
不定詞の基本の形は、 とてもはっきりしている。
to + 動詞の原形
たとえば、 次のような形である。
to play
すること/するために
to read
読むこと/読むために
to study
勉強すること/勉強するために
to be
〜であること/〜になること
大切なのは、 to の後ろは動詞の原形 になるという点である。
主語が変わっても、 to play の play に s はつかない。
I want to play tennis.
私はテニスをしたいです。
She wants to play tennis.
彼女はテニスをしたがっています。
二つ目の文では、 主語が She なので、 文の中心となる動詞 want は wants になる。
しかし、 to の後ろにある play は原形のままである。
She wants to play tennis.
→ 三単現の s は wants につく
→ to の後ろの play は原形
過去の文でも同じである。
I wanted to play tennis yesterday.
私は昨日、テニスをしたいと思いました。
過去を表す -ed は wanted に現れ、 to play の形は変わらない。
また、 be動詞にあたる意味を置きたい場合も、 am / is / are ではなく、 原形の be を使う。
I want to be a teacher.
私は先生になりたいです。
My brother wants to be a soccer player.
私の兄(弟)はサッカー選手になりたがっています。
to am や to is とはしない。
to の後ろは、いつでも動詞の原形。
to play / to study / to be
名詞的用法は「〜すること」を表す
不定詞には、 使われ方によっていくつかの働きがある。
今回扱うのは、 名詞的用法 と呼ばれる働きである。
名前だけを見ると難しく感じるが、 基本は 「〜すること」 と考えればよい。
to play tennis
テニスをすること
to read books
本を読むこと
to visit Australia
オーストラリアを訪れること
これらは、 一つひとつの物の名前ではないが、 文の中では 「何を望むのか」 「何が好きなのか」 にあたるまとまりとして使える。
次の二つの文を比べてみよう。
I like tennis.
私はテニスが好きです。
I like to play tennis.
私はテニスをすることが好きです。
一つ目の文では、 tennis という名詞が、 like の後ろに置かれている。
二つ目の文では、 to play tennis という不定詞のまとまりが、 同じ位置に置かれている。
I like tennis.
→ 名詞が「好きなもの」を表す
I like to play tennis.
→ 不定詞が「好きなこと」を表す
このように、 名詞が入る位置に置かれ、 「〜すること」を表すため、 名詞的用法 と呼ばれる。
特に最初に押さえたいのは、 不定詞が 動詞の目的語 になる形である。
I want to read this book.
私はこの本を読みたいです。
She likes to listen to music.
彼女は音楽を聞くことが好きです。
We started to clean the classroom.
私たちは教室をそうじし始めました。
いずれも、 動詞の後ろに to + 動詞の原形 のまとまりが続いている。
want to や like to は、動詞と不定詞を組み合わせた形である
不定詞の名詞的用法は、 いくつかの動詞の後ろでよく使われる。
まず、 最もよく目にするのが want to ... である。
I want to play tennis.
私はテニスをしたいです。
She wants to visit Kyoto.
彼女は京都を訪れたがっています。
What do you want to be in the future?
あなたは将来、何になりたいですか。
直訳に近く考えれば、 want to play は 「することを望む」 である。
それを日本語として自然にすると、 「〜したい」 となる。
want to study
→ 勉強することを望む
→ 勉強したい
want to be a doctor
→ 医者であること/医者になることを望む
→ 医者になりたい
like to ... では、 「〜することが好きだ」 という意味になる。
I like to read books.
私は本を読むことが好きです。
My sister likes to cook.
私の姉(妹)は料理をすることが好きです。
begin to ... や start to ... は、 「〜し始める」 を表す。
It began to rain.
雨が降り始めました。
The students started to sing.
生徒たちは歌い始めました。
ほかにも、 次のような形がある。
I hope to see you again.
私はまたあなたに会いたいと思っています。
He tried to open the door.
彼はそのドアを開けようとしました。
ここで、 want to や like to を、 ただ一つの決まり文句として覚えるだけではもったいない。
前にある動詞が、 後ろの 「〜すること」 をどう受け止めるかによって、 文全体の意味が決まる。
want + to play tennis
→ テニスをすることを望む
→ テニスをしたい
like + to play tennis
→ テニスをすることを好む
→ テニスをするのが好きだ
start + to play tennis
→ テニスをすることを始める
→ テニスをし始める
こう見れば、 不定詞は文を長くするための飾りではなく、 動詞の後ろに 行動そのもの を置けるようにする形だとわかる。
to の後ろに名詞が来るか、動詞が来るかを見る
中学英語では、 to をすでに別の場面でも見ている。
I go to school every day.
私は毎日、学校へ行きます。
I went to the library yesterday.
私は昨日、図書館へ行きました。
これらの to の後ろには、 school や the library という場所を表す名詞が続いている。
go to the library
→ 図書館へ行く
一方、 不定詞では、 to の後ろに動詞の原形が続く。
want to study English
→ 英語を勉強したい
like to play tennis
→ テニスをすることが好きだ
つまり、 同じ to が見えても、 その後ろを見ることで、 まず形を見分けられる。
to + 名詞
go to the park
→ 公園へ
to + 動詞の原形
want to play tennis
→ テニスをすること/テニスをしたい
また、 疑問文や否定文にするときは、 文の中心となる動詞に注目する。
Do you want to play tennis?
あなたはテニスをしたいですか。
I don't want to play tennis today.
私は今日、テニスをしたくありません。
Did she want to visit Australia?
彼女はオーストラリアを訪れたいと思いましたか。
do / don't / did と関係して形が変わるのは、 文の中心にある want の部分である。
後ろの to play や to visit は、 やはり to + 動詞の原形 のまま変わらない。
まとめると、
不定詞は、to + 動詞の原形で作る。
to play / to read / to be
名詞的用法の不定詞は、「〜すること」を表す。
to play tennis → テニスをすること
動詞の後ろに置かれ、その動詞の目的語として働くことがある。
I want to play tennis.
I like to read books.
to の後ろは、主語や時制が変わっても動詞の原形である。
She wants to play tennis.
I wanted to play tennis.
I want to play tennis. の to play tennis は、 「テニスをすること」 という行動を、 文の中で一つのまとまりとして扱えるようにしている。
これにより、 英語では、 「何かがほしい」だけでなく、 「何かをしたい」 「何かをするのが好きだ」 「何かをし始める」 といった内容を表せるようになる。
次は、 To study English is important. や My dream is to be a teacher. のように、 不定詞が文の主語や補語になる場合を整理していこう。