ポケモンの技「しっぺがえし」は、英語では Payback と呼ばれる。
しっぺがえし → Payback
日本語の「しっぺ返し」も、英語の payback も、「相手から受けたことに対して返す」という意味を持つ。
かなり分かりやすい対応だが、英語の payback には「仕返し」以外の意味もある。
日本語の「しっぺ返し」は「すぐ仕返しする」
一般日本語の「しっぺ返し」は、相手から受けた行為に対して、すぐに仕返しをすることを表す。
デジタル大辞泉では「しっぺい返し」の音変化とされ、もともとは竹篦で打たれたのを打ち返すところから、「すぐに仕返しをすること」という意味になったと説明されている。
しっぺ返しを食う
→ 自分がしたことに対して、仕返しを受ける
つまり日本語の中心には、相手から受けたものを返すという発想がある。
payback は「仕返し・報復」
payback は名詞で、「仕返し」「報復」「報い」の意味になる。発音は /ˈpeɪ.bæk/ で、前半の pay に強勢がある。
It was payback for what he had done.
→ それは彼がしたことへの仕返しだった。
Cambridge Dictionaryでは、過去にした悪いことのために自分へ悪いことが返ってくる、あるいは相手に対する報復という意味で説明されている。
payback
= 仕返し・報復
= やったことに対して返ってくるもの
pay back は動詞になる
payback と pay back は、見た目は似ているが品詞と綴りが違う。
payback → 名詞
pay back → 動詞句
pay someone back は、まず「借りたお金を人に返す」という意味で使える。
I'll pay you back tomorrow.
→ 明日お金を返すよ。
そこから、「されたことに対して仕返しする」という意味にもなる。
I'll pay him back for that.
→ あのことは彼に仕返ししてやる。
「返済する」と「仕返しする」が同じ pay back で表せるのは、どちらも受けたものを返すという発想でつながっている。
payback は「投資の見返り・回収」にもなる
payback は、仕返しだけの単語ではない。
ビジネス英語では、投資から得られる利益や、投資額と同じ額を回収するまでの期間を表すことがある。
the payback on an investment
→ 投資から得られる見返り・回収
payback period
→ 投資回収期間
ここでも、「出したものが戻ってくる」という基本イメージは同じである。
つまり payback は、
悪いことをする → 悪いことが返ってくる
お金を出す → 利益や元本が返ってくる
というように、「返ってくるもの」という発想から意味が広がっている。
revenge との違い
「復讐」といえば revenge も有名である。
revenge は、受けた害への罰として相手に害を与える「復讐」を広く表す語である。
一方 payback は、「仕返し」「報い」という感覚で使われ、やられたことへの返しというイメージが見えやすい。
revenge → 復讐
payback → 仕返し・報い
これは使い分けの目安であり、二語の用法には重なる部分もある。
ゲームでは、後から攻撃すると強くなる
メインシリーズでは、相手よりあとに「しっぺがえし」で攻撃すると威力が高まる。
相手が先に動き、そのあとから強くやり返す。このしくみは、日本語の「しっぺ返し」と英語の payback が持つ「受けたものを返す」というイメージによく重なる。
カードでは、追い込まれた場面で大きく返す
ポケモンカードのサナギラスが持つワザ「しっぺがえし」は30ダメージから始まり、相手のサイドが残り1枚なら90ダメージが追加される。
英語カードのShinx LV.11が持つ Payback も、相手のPrize cardが残り1枚のときにダメージが増える。
カードのワザは収録カードごとに効果が異なるが、この二つはどちらも、相手が勝利へ近づいた場面で威力を増す。追い込まれてから大きく返すところにも、paybackらしさが表れている。
「payback time」という表現
payback time という言い方もある。
It's payback time.
→ 仕返しの時間だ。
「これまでの行いの報いを受けるときだ」という、強い響きを持つ表現である。
まとめ
ポケモンの技「しっぺがえし」は、英語では Payback。
payback
→ 仕返し・報復
→ 行為への報い
→ 投資の見返り・回収
さらに動詞句の pay back には、
お金を返す
仕返しをする
という意味がある。
日本語の「しっぺ返し」も英語の payback も、「受けたものを返す」という発想を共有している。
技名から、日常英語だけでなくビジネス英語の payback period まで広げられる、おもしろい単語である。