ポケモンの技「ねこだまし」は、英語では Fake Out と呼ばれる。
ねこだまし → Fake Out
日本語だけを見ると、 「猫をだます?」と少し不思議に感じるかもしれない。
しかし「猫だまし」は、 もともと相撲で使われる言葉である。
一方、英語の fake out も、 相手をだましたり、フェイントで惑わせたりするという意味を持つ。
日本語と英語で使っている言葉はかなり違う。 それでも、相手の意表を突いて動きを乱すという方向では、 かなり似たイメージが見えてくる。
そもそも「猫だまし」って何?
日本相撲協会は「猫だまし」について、 立ち合いと同時に相手の顔の前で両手を叩いて、 相手を驚かせる戦法として紹介している。
猫だまし
→ 相手の目の前で手を打ち、驚かせて隙を作る
つまり「猫だまし」は、 普通の意味で猫をだますことではない。
相手を一瞬ひるませたり、 意表を突いたりする相撲の奇襲戦法なのである。
ここでは、現代の相撲用語としての意味を押さえておこう。
ゲームでは、ガルーラの「ねこだまし」を使って 相手の機先を制する戦い方が紹介されている。
技名と戦い方のイメージがかなりつながりやすい。
fake out は「だます・惑わせる」
fake out は、 北米英語のくだけた表現として、 相手をだましたり、誤解させたりする意味で使われる。
He faked me out.
→ 彼にうまくだまされた。
スポーツでは、 フェイントなどの動きで相手を惑わせる、 という意味でも使われる。
The player faked out the defender.
→ その選手はフェイントでディフェンダーをかわした。
Collins English Dictionaryでも、 fake out は フェイント・はったり・欺く動作などによって 相手をだます、出し抜く意味として説明されている。
fake は「偽物」だけではない
fake と聞くと、 「偽物」という名詞を思い浮かべる人が多いかもしれない。
This watch is a fake.
→ この時計は偽物だ。
形容詞なら、
fake news
→ 偽のニュース
のように「偽物の・本物ではない」という意味になる。
さらに動詞では、 本当ではないものを本当らしく見せる という意味になる。
He faked an injury.
→ 彼はけがをしたふりをした。
ここから fake out の 「相手に本当とは違うものを信じさせる」 という意味も理解しやすい。
日本語と英語で「だます」の方法が違う
この技名は、日英を並べると特におもしろい。
ねこだまし
→ 相撲の奇襲戦法
Fake Out
→ だます、フェイントで惑わせる
日本語は、 具体的な相撲の戦法を名前に使っている。
英語は、 相手をフェイントで惑わせるという より一般的な表現を使っている。
直訳ではない。 それでも「相手の意表を突く」という中心的なイメージは近い。
日英の語は違っても、相手を惑わせて隙を作るという共通点がある。
ポケモンの Fake Out は相手をひるませる
ゲームでは、Fake Out は場に出た最初のターンだけ使え、 優先度が高く、 相手をひるませる。
つまり、 相手が動く前に意表を突いて行動を止める。
日本語の「猫だまし」も、 英語の fake out も、 この技の性格とかなり結びつけやすい。
技の性質と一般英語の意味を並べると、相手を惑わせるイメージがつかみやすい。
fake out と fake は分けて覚える
fake と fake out は、 関係はあるが同じ使い方ではない。
fake = 偽物の / 偽物 / ~のふりをする
fake someone out = 人をだます・フェイントで惑わせる
That bag is fake.
→ そのバッグは偽物だ。
She faked a smile.
→ 彼女は作り笑いをした。
He faked the defender out.
→ 彼はフェイントでディフェンダーを出し抜いた。
fake out は、 まとまりとして覚えてしまうと使いやすい。
技名から一般英語へ広げる
Fake Out という技名を入口にすると、 fake のいろいろな使い方まで一緒に覚えられる。
fake ID
→ 偽造ID
fake a smile
→ 笑顔のふりをする
a fake
→ 偽物・偽者
fake someone out
→ 人をだます・フェイントで惑わせる
ポケモンの英語技名が、 スポーツや日常会話でも使える表現につながる例である。
まとめ
ポケモンの技「ねこだまし」は、 英語では Fake Out。
日本語の「猫だまし」は相撲の奇襲戦法で、 相手の目の前で手を打って驚かせ、隙を作る。
一方、一般英語の fake out は、
fake someone out
→ 人をだます
→ フェイントで惑わせる
という意味で使われる。
日本語と英語で表現方法は違う。 それでも「相手の意表を突いて惑わせる」という方向には、 おもしろい共通点がある。