ポケモンの「あくび」は、英語で Yawn。日本語と英語がほぼ同じ動作を表す、分かりやすい名前だ。
あくび → Yawn
ただし、あくびをすることと、眠いこと、疲れていることは同じではない。英語でもyawn、sleepy、drowsy、tiredはそれぞれ役割が違う。技の効果を入口にすると、「眠り」に近い言葉の使い分けが見えてくる。
yawnは動詞でも名詞でも使える
yawnは、口を大きく開けて深く息を吸い、吐く「あくび」を表す。動詞なら「あくびをする」、名詞なら「あくび一回・あくびという動作」である。
She yawned loudly during the movie.
→ 彼女は映画の途中で大きなあくびをしました。
ここではyawnedが動詞。yawn loudlyで「大きな声を出してあくびをする」のようなまとまりになる。
He let out a long yawn.
→ 彼は長いあくびをしました。
こちらのa yawnは名詞。あくびが出ることはlet out a yawn、あくびをこらえることはstifle a yawnとも言える。動詞と名詞の形が同じなので、前後の語から働きを見分けよう。
人は眠いときだけでなく、退屈なときなどにもあくびをする。yawnそのものは口を開ける動作を表し、必ず「眠い」という気持ちまで含むわけではない。
sleepyは「眠りたい感じ」
sleepyは「眠い」。眠りたい、眠りが近いという感覚を日常的に表す。
I feel sleepy after lunch.
→ 昼食の後は眠くなります。
feel sleepyは自然な組み合わせ。人だけでなく、活動が少なく静かな場所をa sleepy townと表すこともあるが、まずは人の「眠い」を押さえればよい。
sleepは「眠る・睡眠」という動詞・名詞で、sleepyはそこからできた形容詞。「私は眠い」ならI’m sleepy.、「私は眠る」ならI sleep.となり、同じ形では使わない。
drowsyは「うとうとして、ぼんやり」
drowsyも「眠い」に近いが、起きている状態と眠っている状態の間で、意識がぼんやりしている感じを表しやすい。
This medicine may make you feel drowsy.
→ この薬で眠気を感じることがあります。
薬の注意書きや、運転中の眠気など、眠気で注意力が落ちる場面にもよく出る。sleepyと意味は大きく重なるが、drowsyはうとうとした状態や、はっきり目が覚めていない感じが前に出やすい。
ゲームのYawnでも、眠りに落ちる前の状態を英語でdrowsyと表す。一般英語の「うとうとした・眠気のある」という感覚と、技の二段階の効果がきれいにつながる。
tiredは「休みが必要なほど疲れた」
tiredは「疲れた」。休息や睡眠が必要な状態を広く表し、必ずしも今すぐ眠りたいとは限らない。
I’m tired after walking all day.
→ 一日中歩いて疲れています。
運動で脚が疲れていても、頭は冴えていて眠くないことがある。その場合はtiredだが、sleepyとは限らない。反対に、昼食後に眠くても、体力を使い切って疲れているとは限らない。
sleepy → 眠りたい、眠気がある
drowsy → うとうとして、ぼんやりしている
tired → 疲れていて、休息が必要
これは使い分けの傾向であり、会話では意味が重なる。夜遅くにI’m tired.と言えば、「疲れた」だけでなく、もう寝たい気持ちまで自然に伝わることもある。
sleepyとasleepは使う位置も違う
asleepは「眠っている状態」。sleepyが眠る前の感覚を表すのに対し、asleepはすでに眠っていることを表す。
The baby is sleepy.
→ 赤ちゃんは眠そうです。
The baby is asleep.
→ 赤ちゃんは眠っています。
sleepyはa sleepy babyのように名詞の前にも置ける。一方、asleepは通常The baby is asleep.のようにbe動詞などの後で使い、名詞の前ならa sleeping babyが自然だ。
ゲームでは、眠りが一拍遅れてやってくる
ターン制のメインシリーズで「あくび」を受けた相手は、その場ですぐ眠るのではない。まず眠気を催した状態になり、場に残っていれば次のターン終了時にねむり状態になる。
使用したターン → 相手が眠気を催す
次のターン → 相手はまだ行動できる
そのターンの終了時 → 条件を満たせば、ねむり状態になる
一手ぶん時間があるため、相手には選択肢が残る。次のターン中に交代すれば、そのポケモンの眠気は消え、眠りを避けられる。「あくび」は即座に行動を止める技ではなく、場に残るか、交代するかを相手へ迫る技としても働く。
「次のターンに必ず眠る」わけではない
相手がすでに、まひ・どく・やけどなどの主要な状態異常になっている場合、通常「あくび」は成立しない。ポケモンは基本的に、こうした主要な状態異常を同時に二つ持たないためである。
「みがわり」や「まもる」で防がれる場合もある。さらに、「ふみん」「やるき」のように眠りを防ぐ特性、眠りを防ぐフィールドや味方の効果などによって、技が効かなかったり、眠気を催しても実際の眠りまで進まなかったりする。
細かな条件は作品や状況で変わるが、要点は二つ。交代すれば眠気が消えることと、眠りを防ぐ条件があれば最後まで成立しないことだ。単純に「命中したら次のターン必ず眠る」と覚えないほうが正確である。
日本語も英語も、動作そのものを名前にする
日本語の「あくび」と英語のYawnは、意味としてかなり直接的に対応している。どちらも、口を大きく開ける動作そのものを技名にしている。
面白いのは、その動作がすぐ眠らせる攻撃ではなく、眠気をうつして、少し後に眠らせる技として描かれていることだ。技名だけなら日常的な一動作だが、効果ではyawnからsleepy、drowsy、asleepへと状態が進むように見える。
日本語と英語の名前の差を探すより、ほぼ同じ名前から周辺語へ広げるほうが、今回は英語学習として実りが大きい。
まとめ
「あくび」は英語でYawn。yawnは「あくびをする」という動詞でも、「あくび」という名詞でも使える。
yawn → あくびをする / あくび
sleepy → 眠い、眠りたい
drowsy → うとうとして、ぼんやりした
tired → 疲れた
asleep → 眠っている
ゲームでは、相手をその場で眠らせるのではなく、次のターン終了時まで眠りを遅らせる。交代すれば眠気は消え、状態異常・特性・場の効果などで成立しないこともある。
あくび、眠気、疲れ、睡眠は似ていても同じではない。Yawnという短い技名から広げると、yawn・sleepy・drowsy・tired・asleepを、それぞれの状態と一緒に覚えられる。