ポケモンの「なげつける」は、英語で Fling。flingは、物を急に、勢いよく「放り投げる」動作を表す。
なげつける → Fling
英語の「投げる」にはthrow、toss、hurlもある。動きの勢いや軽さを比べると、Flingという一語が技の印象をどう伝えているのかが見えやすくなる。
flingは「勢いよく放り投げる」
flingは、物を突然、強い勢いで投げるときに使う。単に手から離すだけでなく、素早さや荒々しさを感じさせやすい語である。
She flung the bag onto the chair.
→ 彼女はバッグを椅子の上へ放り投げました。
flingは不規則動詞で、活用はfling–flung–flung。flingedとはしない。
現在形:fling
過去形:flung
過去分詞:flung
throwは最も広い「投げる」
throwは、「投げる」を広く表す最も一般的な語。強く投げる場合にも、相手へ普通にパスする場合にも使える。
He threw the ball to me.
→ 彼は私にボールを投げました。
throwは動作そのものを中立的に表せる。一方、flingはthrowの一種でありながら、突然の動きや強い勢いを前に出しやすい。
tossは「軽く、ひょいと投げる」
tossは、軽く投げる、ひょいと放る、無造作に投げるという場面でよく使われる。
She tossed me the keys.
→ 彼女は私に鍵を軽く放りました。
Let's toss a coin.
→ コインを投げて決めましょう。
toss a coinは、コインを空中へ投げて表裏を決める定番表現。flingほど強い勢いを感じさせず、小さく軽い動作を表しやすい。
hurlは「力いっぱい投げつける」
hurlも、強い力で激しく投げる語。怒りや攻撃性を伴う場面にもよく合う。
He hurled the stone into the river.
→ 彼は石を川へ力いっぱい投げ込みました。
flingとhurlは意味が重なる。flingは急で勢いのある動作、hurlは大きな力を込めた激しい投げ方を強く感じさせる傾向があるが、文脈によって境界は重なる。
「投げる」以外にも使えるfling
flingは、物を空中へ投げる場面だけの語ではない。腕、扉、自分の体などを急に大きく動かすときにも使える。
She flung the door open.
→ 彼女は扉を勢いよく開けました。
He flung himself onto the bed.
→ 彼はベッドへ勢いよく身を投げ出しました。
fling the door openでは、扉を投げるのではなく、急に勢いよく開ける。flingの中心にあるのは、「物を投げる」という形よりも、勢いのある急な動きである。
名詞のflingには別の意味もある
名詞のflingは、短期間だけ楽しむ活動や、長続きするつもりのない短い恋愛関係を表すことがある。
They had a brief summer fling.
→ 2人には夏の短い恋愛がありました。
この名詞用法は技名の「投げる」とは別の意味。文脈と品詞で見分ける必要がある。
ゲームでは持ち物を攻撃に変える
現在のメインシリーズの「なげつける」は、あくタイプの物理技。使用者が持っている道具を相手へ投げつけて攻撃する。
威力は固定ではなく、投げる持ち物によって変わる。多くのきのみは低い威力になり、「くろいてっきゅう」のように大きな威力になる道具もある。すべての持ち物を同じ強さの弾として扱う技ではない。
持ち物を持っている → 投げて攻撃
技の威力 → 持ち物によって変わる
一部の持ち物 → 相手へ追加効果
投げた持ち物 → その戦闘中は手元からなくなる
持ち物の効果まで相手へ届くことがある
一部の持ち物は、ダメージに加えて相手へ特別な効果を与える。たとえば「かえんだま」ならやけど、「どくどくだま」ならもうどく、「でんきだま」ならまひを引き起こす。
きのみは、投げられた相手にそのきのみの効果を発生させる。「おうじゃのしるし」や「するどいキバ」なら、相手をひるませる効果もある。
つまり「なげつける」は、持ち物を失う代わりに、威力と追加効果を戦術へ変える技である。Flingの「勢いよく放り投げる」という動作が、その仕組みを短い一語で表している。
持ち物がなければ使えない
使用者が持ち物を持っていなければ、「なげつける」は失敗する。また、すべての持ち物を投げられるわけではない。
わざマシンやモンスターボール類のほか、特定のポケモンの姿や能力と強く結びついた専用道具などは投げられない。作品や世代によって例外が増減するため、細かな対象は遊ぶ作品の仕様で確認する必要がある。
「まもる」などで攻撃を防がれた場合も、投げた持ち物は消費される。持ち物を使う技だからこそ、通る相手と使うタイミングの両方が重要になる。
失った持ち物はどうなる?
投げた持ち物は、その戦闘中は使用者の手元からなくなる。ただし「リサイクル」を使えば、その戦闘中に「なげつける」で消費した持ち物を取り戻せる。
通信対戦やバトル施設では、戦闘が終わると持ち物は元に戻る。現在の第9世代では通常の戦闘でも、きのみ以外の持ち物は戦闘後に復元される。一方、過去世代では通常戦闘で消費した道具が戻らない作品もあるため、古い作品と現行仕様を混同しないようにしたい。
日本語も英語も「勢い」を伝える
日本語の「投げつける」は、物を相手や目標へ向けて勢いよく投げる表現。「投げる」よりも、強さや荒々しさが出やすい。
英語のFlingも、throwより急で勢いのある投げ方を感じさせる。日英で見せ方はかなり近く、どちらも「持ち物をただ手放す」のではなく、「相手へ勢いよく放り投げる」動作を前に出していると見ると分かりやすい。
ただしflingとthrowの違いは、いつでも機械的に分けられるものではない。flingは勢いを加える選択肢、throwは広く使える基本語として覚えるのが実用的である。
まとめ
「なげつける」は英語でFling。flingは「急に、勢いよく放り投げる」を中心に、物や体を勢いよく動かす場面にも使える。
throw → 最も広く使える「投げる」
toss → 軽く・ひょいと・無造作に投げる
fling → 急に勢いよく放り投げる
hurl → 力を込めて激しく投げつける
ゲームでは、持ち物を投げて攻撃し、その種類に応じて威力や追加効果が変わる。持ち物がなければ失敗し、投げられない道具もある。
Flingという技名からは、一般的なthrowだけでは見えにくい「勢い」まで学べる。過去形・過去分詞がflungになることも合わせて覚えておこう。