塾長ノート

be動詞はなぜ am / is / are / was / were になるのか

英語で一番不規則な基本動詞

英語を習い始めると、かなり早い段階で be動詞 が出てくる。

I am a student.
He is my friend.
They are happy.

そして、過去形になると、

I was tired.
They were busy.

のように形が変わる。

英語学習では、これは最初の方に覚える内容である。

しかし、よく考えるとかなり不思議である。

be
am
is
are
was
were
been
being

これらは、現代英語ではすべて be動詞の形として扱われる。

けれども、形だけを見ると、同じ語から規則的に作られたようには見えない。

なぜ be動詞は、こんなに形が多いのだろうか。

be動詞は英語で最も基本的な動詞の1つ

be動詞は、英語の中でも特に基本的な動詞である。

意味としては、

〜である
〜にいる
〜にある

のように訳されることが多い。

たとえば、

I am a teacher.
She is in Tokyo.
The book is on the desk.

のように、身分・状態・存在・場所などを表す。

英語の文を作るうえで、be動詞は避けて通れない。

それくらい基本的な動詞なのに、形は非常に不規則である。

むしろ、英語の中でも特に不規則な動詞と言ってよい。

普通の動詞ならここまで変わらない

普通の英語の動詞は、もう少し形の変化が分かりやすい。

play → plays → played → playing
walk → walks → walked → walking
study → studies → studied → studying

もちろん、英語には不規則動詞もある。

go → went → gone
take → took → taken
write → wrote → written

しかし、それでも多くの場合、どこかに同じ語の名残が見える。

ところが be動詞は違う。

be
am
is
are
was
were

これらを見ても、同じ語からきれいに変化したようには見えない。

実際、be動詞は、複数の古い形が集まってできた動詞として考えると分かりやすい。

be動詞には複数の古い系統が混ざっている

現代英語の be動詞は、1つのきれいな語根から一直線にできたものではない。

かなり大ざっぱに言えば、次のような複数の古い系統が混ざっている。

be / been / being に関わる系統
am / is / are に関わる系統
was / were に関わる系統

これらは、現代英語ではすべて「be動詞」として1つにまとめられている。

しかし、歴史的には、もともと同じ形から単純に作られたものではない。

だから、形が大きく違って見える。

be動詞は、

1つの動詞が規則的に変化したもの

というより、

似た意味をもつ古い形が、1つの活用表の中に集まったもの

と見ると分かりやすい。

これは補充法の代表例である

ここで出てくるのが 補充法 である。

補充法とは、ある語の活用の中に、別系統の形が入り込む現象である。

これまで見た例で言えば、

go → went
good → better → best
bad → worse → worst
little → less → least

などがある。

be動詞も、補充法の非常に分かりやすい例である。

現代英語では、

be
am
is
are
was
were

が1つの動詞の活用として並んでいる。

しかし、これらはすべてが同じ語形から規則的に作られたわけではない。

複数の古い形が、現代英語の be動詞の活用の中に入り込んでいる。

だから、be動詞は補充法の代表例としてよく扱われる。

am / is / are は現在形の中でも形が違う

be動詞の不規則さは、過去形だけの問題ではない。

現在形の段階ですでに、形が分かれている。

I am
you are
he is
we are
they are

普通の動詞なら、現在形でここまで大きく形が変わることはあまりない。

I play
you play
he plays
we play
they play

三人称単数で -s がつくくらいである。

ところが be動詞では、

am
is
are

というかなり違う形が並ぶ。

つまり、be動詞は現在形の中だけでも、普通の動詞とはかなり違う。

これも、古い複数の形が1つの動詞としてまとまっていることを考えると理解しやすい。

was / were も別の古い系統に由来する

過去形の was / were も、be からそのまま作られた形ではない。

現代英語では、

am / is → was
are → were

のように習う。

もちろん、学習上はそれでよい。

しかし、語形の歴史を見ると、was / were もまた古い別系統の形にさかのぼる。

つまり、

be という形に過去形の語尾をつけたもの

ではない。

be動詞の過去形にも、別の古い形が入り込んでいる。

ここにも補充法が見られる。

よく使う語ほど不規則な形を残しやすい

では、なぜ be動詞のような基本語が、これほど不規則な形を残しているのだろうか。

これは、これまでの記事でも見てきたように、

よく使う語ほど、古い形を残しやすい

ということが関係している。

be動詞は、英語の中でも非常によく使われる。

あまりにもよく使われるため、多少不規則でも、人々はその形を覚えて使い続ける。

もし、あまり使われない語であれば、不規則な形は規則的な形にそろえられやすい。

しかし、be動詞のような超基本語は違う。

日常的に何度も使われるため、古い形がそのまま残りやすい。

だから、英語で最も基本的な動詞が、英語で最も不規則な動詞の1つでもある。

英語学習ではまず活用として覚える

ここまで歴史の話をしてきたが、英語学習としては、まず活用を覚える必要がある。

I am
you are
he / she / it is
we are
they are

そして過去形は、

I was
you were
he / she / it was
we were
they were

である。

テストや実際の英作文では、まずここが使えることが大事である。

ただし、背景を知っておくと、

なぜ be動詞だけこんなに変なのか

という疑問が少し解ける。

be動詞は、気まぐれに形が変わっているのではない。

古い複数の形が、1つの動詞の活用として残っているのである。

be動詞は「例外」ではなく英語史のかたまり

be動詞は、学校英語では最初に習う基本項目である。

しかし、英語史の視点から見ると、かなり奥が深い。

be / am / is / are / was / were は、 現代英語では1つの動詞の形として扱われる。

しかし、その中には複数の古い語形が重なっている。

だから、be動詞は単なる「最初に覚える基本動詞」ではない。

英語の歴史がぎゅっと詰まった動詞である。

そう考えると、

be動詞はなぜこんなに形が多いのか

という疑問は、

英語の古い形が、現代英語の中に残っているから

と見ることができる。

まとめ

be動詞には、さまざまな形がある。

be
am
is
are
was
were
been
being

これらは、現代英語では1つの be動詞の活用として扱われる。

しかし、形だけを見ると、同じ語から規則的に作られたようには見えない。

実際、be動詞には複数の古い系統が混ざっている。

be / been / being に関わる系統
am / is / are に関わる系統
was / were に関わる系統

このように、1つの語の活用に別系統の形が入り込む現象を 補充法 という。

be動詞は、英語における補充法の代表例である。

英語の最初に習う be動詞は、実はかなり複雑な歴史を背負っている。

ただの例外として丸暗記することもできる。

しかし、背景を知ると、be動詞は英語史のかたまりのような存在として見えてくる。

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