塾長ノート

コインランドリーは英語で laundromat

同じ施設にも、言語ごとの定着のしかたがある

日本語では、

コインランドリーで布団を洗う
駅前にコインランドリーができた
雨の日はコインランドリーを使う

のように、「コインランドリー」という言葉を自然に使う。

coin も laundry も英語にある語なので、 英語でもそのまま使えそうに見える。

実際、coin laundry という表現が英語で使われることもある。

ただし、英語で「コインランドリー」を表す基本語として、 まず覚えておきたいのは、

laundromat

である。

特にアメリカ英語では、洗濯機や乾燥機を自分で使う店舗を laundromat と呼ぶのが一般的である。

今回の「コインランドリー」は、 「英語では絶対に通じない日本語」としてではなく、 日本語と英語で、同じ施設に対する呼び名の定着のしかたが少し違う例として見ていきたい。

アメリカ英語では laundromat

アメリカ英語で「コインランドリー」と言いたいときは、 laundromat が使いやすい。

laundromat
コインランドリー・セルフサービスの洗濯店

たとえば、

I went to the laundromat yesterday.
昨日、コインランドリーに行きました。
There is a laundromat near my apartment.
私の住んでいる部屋の近くにコインランドリーがあります。
I washed my blankets at the laundromat.
コインランドリーで毛布を洗いました。

のように言える。

日常会話で、洗濯をしに行く店を指したいなら、 まずは laundromat を覚えておくとよい。

イギリス英語では launderette

イギリス英語では、 launderette または laundrette が使われる。

launderette / laundrette
コインランドリー:主にイギリス英語

たとえば、

I need to find a launderette near the hotel.
ホテルの近くでコインランドリーを探す必要があります。

のように言える。

ざっくり整理すると、

laundromat:主にアメリカ英語
launderette / laundrette:主にイギリス英語

である。

旅行や英会話でまず一つ覚えるなら、 アメリカ英語の laundromat が使いやすい。

coin laundry も英語で使われる

「コインランドリー」は、 よく「英語では通じない和製英語」として紹介されることがある。

しかし、ここは少し丁寧に見た方がよい。

英語でも、

coin laundry
coin-operated laundry

のような表現は使われる。

coin-operated は、「コインを入れて作動する」という意味である。

coin-operated washing machines
コイン式の洗濯機

したがって、日本語の「コインランドリー」は、 英語の要素を不自然に並べただけで意味がまったく通じない語、 とまでは言い切れない。

ただし、英語学習として基本語を一つ選ぶなら、

laundromat

を押さえておくのがよい。

日本語では「コイン」が施設の名前として残った

日本語の「コインランドリー」は、 コインを入れて自分で洗濯機を使う場所という仕組みが、 そのまま施設の呼び名になった言葉である。

日本語話者にとっては、

ランドリー

だけよりも、

コインランドリー

の方が、街中にあるセルフサービスの洗濯店をすぐに思い浮かべやすい。

つまり、日本語では、 利用方式を表す「コイン」まで含めた形 が、 施設名として定着したのである。

これは、ガソリンスタンドやペットボトルと同じように、 英語由来の要素が日本語の生活の中で、 使いやすい物や場所の名前になった例として見ることができる。

英語では「洗濯する場所」としてまとめられる

一方、英語の laundromatlaunderette は、 「洗濯をする施設」というまとまりで語を作っている。

日本語では、

コインで使うランドリー

という利用方式が言葉の表面に現れている。

英語では、

laundromat
launderette

という施設名としてまとまっている。

同じ場所を指していても、 何を分かりやすい特徴として名前に残すかは、言語によって違う。

「コインランドリー」という日本語は、 日本語話者にとってその施設がどのような場所であるかを、 とても分かりやすく示す言葉になっている。

「和製英語だから誤り」とは限らない

カタカナ語については、

英語ではこう言わない
だから日本語の表現はおかしい

という説明になりがちである。

しかし、「コインランドリー」は、 その見方だけでは少し取りこぼしが出る。

英語では laundromat や launderette が基本語である一方、 coin laundry や coin-operated laundry のように、 コイン式の洗濯施設を説明する表現も存在する。

つまり、この語は、 日本語だけで完全に閉じた奇妙な表現というより、 英語にも理解可能な要素を持ちながら、 日本語では特に日常語として強く定着した表現である。

外来語を見るときは、 「通じるか・通じないか」の二択だけでなく、 どちらの言語で、どの表現が普通の言い方として定着したのか を見ることが大切である。

英作文・英会話での注意

英作文や英会話では、次のような日本語で迷いやすい。

昨日、コインランドリーに行きました。

アメリカ英語を基準にするなら、

I went to the laundromat yesterday.

と言える。

また、

この近くにコインランドリーはありますか。

なら、

Is there a laundromat near here?

が使いやすい。

イギリス英語では、

Is there a launderette near here?

のように言うこともできる。

よく使う形で覚える

「コインランドリー」まわりの英語は、 次の形で覚えておくと使いやすい。

laundromat
コインランドリー:主にアメリカ英語
launderette / laundrette
コインランドリー:主にイギリス英語
coin-operated laundry
コイン式の洗濯施設
go to the laundromat
コインランドリーに行く
find a laundromat
コインランドリーを探す

日常会話では、まず laundromat を使えるようにしておくとよい。

まとめ

日本語の「コインランドリー」は、 セルフサービスの洗濯店を表す自然な言葉である。

英語で基本表現として覚えるなら、

laundromat:主にアメリカ英語
launderette / laundrette:主にイギリス英語

が使いやすい。

ただし、

coin laundry
coin-operated laundry

のような表現も英語で使われるため、 「コインランドリーは英語では絶対に通じない」と単純化するのも正確ではない。

日本語では、コインを入れて使うという仕組みが前面に出た 「コインランドリー」という形が、生活の中で定着した。

和製英語やカタカナ語を見るときは、 英語でまず何と言えば自然なのか を学びつつ、 日本語ではなぜその形が便利な言葉として残ったのか まで見ると、言葉の受け入れ方がより立体的に見えてくる。

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