塾長ノート

アルバイトは英語で part-time job

英語に見えるカタカナ語が、実はドイツ語から来ている

日本語では、

コンビニでアルバイトをする
塾講師のバイトを始める
夏休みにバイトを探す

のように、「アルバイト」や「バイト」という言葉を日常的に使う。

カタカナで書かれているうえに、 働くことに関係する言葉なので、 英語でも arbeitalbeit のような形で通じそうに思えるかもしれない。

しかし、「アルバイト」は英語由来の語ではない。

もともとはドイツ語の、

Arbeit

に由来する言葉である。

そして、英語で日本語の「アルバイト」に近い内容を表すなら、

part-time job

を使うのが基本である。

I have a part-time job at a convenience store.
私はコンビニでアルバイトをしています。

今回は、英語だと思っていたカタカナ語が実は別の外国語に由来し、 日本語の中で独自の意味を持つようになった例を見ていきたい。

英語では part-time job

英語で「アルバイト」を表す基本的な表現は、 part-time job である。

part-time job
アルバイト・短時間勤務の仕事

たとえば、

I got a part-time job at a cafe.
カフェでアルバイトを始めました。
She is looking for a part-time job.
彼女はアルバイトを探しています。
My part-time job is tutoring junior high school students.
私のアルバイトは中学生に勉強を教えることです。

のように言える。

part-time は、 一日または一週間の勤務時間の一部だけ働くことを表す。

そのため、学生が授業のあとに働く仕事や、 本業とは別に短時間で行う仕事を言うときに使いやすい。

「アルバイトをする」は work part-time

日本語では、

アルバイトをする

と言う。

英語では、名詞として a part-time job を使うこともできるが、 動作として言うなら work part-time が使いやすい。

I work part-time at a restaurant.
私はレストランでアルバイトをしています。
He works part-time after school.
彼は放課後にアルバイトをしています。
I want to work part-time during the summer vacation.
夏休みにアルバイトをしたいです。

つまり、

a part-time job:アルバイトという仕事
work part-time:アルバイトをする

と整理しておくと使いやすい。

「アルバイトの人」なら part-time worker

日本語では、

アルバイトの店員
アルバイトの人
アルバイトを雇う

のようにも言う。

このように、働く人そのものを表すなら、 英語では part-time workerpart-time employee が使える。

part-time worker
アルバイトとして働く人
part-time employee
短時間勤務の従業員
The store hired several part-time workers.
その店は数人のアルバイトを雇いました。

英語では、 仕事を言うのか、働くことを言うのか、働く人を言うのかで、 表現が少しずつ変わる。

アルバイトはドイツ語の Arbeit から来ている

「アルバイト」は、英語ではなく、 ドイツ語の Arbeit に由来する。

Arbeit
労働・仕事・作業

ドイツ語の Arbeit は、 日本語の「アルバイト」のように、 学生が放課後にする短時間の仕事だけを表す語ではない。

もっと広く、

働くこと
仕事
作業
労働

などを表す語である。

つまり、

ドイツ語の Arbeit:仕事・労働を広く表す
日本語のアルバイト:本業や学業のかたわらにする仕事

という違いがある。

日本語は、外国語の語をそのまま受け取ったのではなく、 自分たちの生活の中で必要な意味へと絞り込んで使うようになったのである。

日本語では「本業ではない仕事」の意味になった

日本語の「アルバイト」は、 ふつう、

学生が学業のかたわらにする仕事
本業とは別に行う仕事
一時的・短時間で行う仕事

のような意味で使われる。

たとえば、学生が飲食店で働いているとき、

飲食店で働いています。

とも言えるが、

飲食店でアルバイトをしています。

と言うことで、 それが学生生活や本業とは別の仕事であることまで伝わりやすくなる。

日本語の「アルバイト」は、 単に労働を表すのではなく、 その人の生活の中で、その仕事がどのような位置にあるのか まで示す語になっている。

「バイト」という短縮語まで定着している

日本語では、「アルバイト」を短くして、

バイト

と言うことも非常に多い。

今日バイトある。
新しいバイトを探している。
バイト代が入った。

のような表現は、日常会話でごく自然である。

ここでは、ドイツ語に由来する語が日本語に入り、 さらに日本語の会話の中で短くなっている。

Arbeit

アルバイト

バイト

外来語は、元の外国語から借りられて終わるわけではない。

日本語の中で意味を変え、 音の形を短くし、 新しい言葉と結びついて使われていく。

たとえば、

バイト代
バイト先
バイト仲間
初バイト

のような語も自然に作ることができる。

「バイト」は、すでに日本語の中で自由に働く語になっているのである。

「英語ではない」ことがむしろ面白い

このシリーズでは、英語のように見えるカタカナ語を多く扱ってきた。

しかし、「アルバイト」は、 そもそも英語由来ではなく、ドイツ語由来である。

日本語のカタカナ語は、 英語だけから成り立っているわけではない。

歴史的には、 医学・哲学・学術・生活文化などの分野を通して、 ドイツ語、フランス語、ポルトガル語、オランダ語など、 さまざまな言語の語が日本語に入ってきた。

「アルバイト」は、 カタカナ語を見たときに、

カタカナだから英語だろう

と決めつけることができない例である。

そして、外国語の語が日本語に入ったあと、 元の言語とは違う意味を持つようになることもある。

そこに、外来語を考える面白さがある。

文脈によっては side job も使う

日本語の「アルバイト」は、 学生の短時間労働だけでなく、 本業とは別に行う仕事を指すこともある。

その場合、英語では文脈によって、

part-time job
side job

を使い分けることがある。

I have a part-time job at a bookstore.
私は書店でアルバイトをしています。
He has a side job as a translator.
彼は副業として翻訳の仕事をしています。

part-time job は勤務時間が限られた仕事に注目する。

side job は、本業とは別にしている仕事という位置づけに注目する。

日本語ではどちらも「アルバイト」や「副業」と言える場面があるが、 英語では何を伝えたいかによって表現を選ぶことになる。

英作文・英会話での注意

英作文や英会話では、次のような日本語で迷いやすい。

私はコンビニでアルバイトをしています。

これは、

I have a part-time job at a convenience store.

または、

I work part-time at a convenience store.

と言える。

また、

夏休みにアルバイトを探しています。

なら、

I'm looking for a part-time job during the summer vacation.

が使いやすい。

さらに、

彼女はアルバイトとして働いています。

なら、

She works part-time.

のように簡潔に言える。

よく使う形で覚える

「アルバイト」まわりの英語は、 次の形で整理しておくと使いやすい。

part-time job
アルバイト
have a part-time job
アルバイトをしている
get a part-time job
アルバイトを始める・見つける
look for a part-time job
アルバイトを探す
work part-time
アルバイトとして働く
part-time worker
アルバイトとして働く人

日本語の「アルバイト」一語をそのまま英語へ移すのではなく、 仕事を言うのか、働くことを言うのか、人を言うのかで形を選びたい。

まとめ

日本語の「アルバイト」「バイト」は、 本業や学業のかたわらに行う仕事を表す自然な日常語である。

英語で表すなら、

part-time job
work part-time

が基本になる。

そして、「アルバイト」は英語由来ではなく、 ドイツ語の Arbeit に由来する語である。

ドイツ語の Arbeit は「仕事・労働」を広く表すが、 日本語の「アルバイト」は、 学業や本業のかたわらにする仕事という意味で定着した。

さらに、日本語では「バイト」と短くなり、 「バイト先」「バイト代」のように、 日常生活の中で新しい語を作る材料にもなっている。

外来語を見るときは、 英語では何と言えば自然なのか を学ぶと同時に、 どの言語から入り、日本語の中でどのような意味へ変化したのか を見ることが大切である。

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