塾長ノート

This is a book. の a は何を表しているのか

一つの数えられる名詞を、文の中に登場させる

be動詞を使うと、 自分や人、物について説明することができる。

I am a student.
私は生徒です。
This is a book.
これは本です。

この二つの文には、 be動詞とは別に、 もう一つ共通しているものがある。

I am a student.
This is a book.

studentbook の前に、 a が置かれている。

日本語では、 ふつう、

私は生徒です。
これは本です。

と言えばよく、 わざわざ「一人の生徒です」「一冊の本です」と言う必要はない。

そのため、 英語を学び始めたときには、 なぜ a が必要なのかが分かりにくい。

しかし英語では、 bookstudent のように、 一つ、二つと数えることのできる名詞を、 一つだけ表すときには、 その名詞をそのまま置くことはできない。

This is a book.
I am a student.

のように、 a などの語を前に置く必要がある。

今回は、 日本語ではあまり訳に現れない a / an が、 英語の文の中で何を表しているのかを見ていこう。

a は「一つの数えられるもの」を表す

book は、 一冊、二冊と数えることができる名詞である。

one book
one book and two books

pendogstudent も同じである。

one pen
one dog
one student

英語では、 このような数えられる名詞を、 一つだけ取り上げるとき、 名詞の前に a を置く。

a book
一冊の本 / 本
a pen
一本のペン / ペン
a dog
一匹の犬 / 犬
a student
一人の生徒 / 生徒

したがって、 目の前にある一冊の本を示して、 「これは本です」と言うなら、

This is a book.

となる。

日本語訳では、 a を毎回「一つの」と訳さないことも多い。

This is a book. を、 ふつうは 「これは一冊の本です」ではなく、 「これは本です」と訳す。

それでも英語では、 book を一つのものとして文に出すために、 a が必要である。

同じように、

I am a student.
私は生徒です。

では、 自分が「生徒という種類に属する一人」であることを述べている。

ここでも、 日本語では単に「生徒です」と言うが、 英語では a student とする。

まずは、

book / pen / dog / student のように数えられる名詞を、
一つだけ表すときは a を付ける

と押さえておくとよい。

a と an は、後ろの語の音によって選ぶ

一つの数えられるものを表すとき、 いつでも a を使うわけではない。

後ろに続く語の最初の音によって、 aan を使い分ける。

a book
a pen
a dog
an apple
an egg
an orange

appleegg のように、 母音の音で始まる語の前では、 an を使う。

This is an apple.
これはりんごです。
That is an egg.
あれは卵です。

ここで大切なのは、 a / an の選択は、すぐ後ろに来る語によって決まる ということである。

たとえば、 book の前に old を置いて、 「古い本」と言うなら、

an old book
古い本

となる。

名詞は book だが、 a / an のすぐ後ろに来るのは old だからである。

同様に、

a new book
新しい本
an old car
古い車

のように言う。

形容詞が入っても、 a / an は名詞の仲間全体の前に置かれる。

This is a book.
This is a new book.
This is an old book.

「これは新しい本です」と言いたいときに、

This is new a book.

とはしない。

a / an + 形容詞 + 名詞 という順で置く。

初めの段階では、

a book / an apple
a new book / an old book

のようなまとまりで、 声に出して身につけておくとよい。

my や this が付くときは、a を重ねない

前の記事では、 次のような文を見た。

This is my notebook.
これは私のノートです。

ここでは、 notebook は一冊の数えられる名詞である。

それなら、 なぜ a notebook ではなく、 my notebook になっているのだろうか。

a は、 「一つの本」「一人の生徒」のように、 まだどのものかを特定せず、 一つのものとして取り上げるときに使う。

一方、 my を置くと、 「私のノート」と、 どのノートについて話しているのかが示される。

This is a notebook.
これはノートです。
This is my notebook.
これは私のノートです。

そのため、 名詞の前に my があるときは、 a を重ねない。

This is my notebook.
○ これは私のノートです。
This is a my notebook.
×

同じように、 your を使うときも、 a は置かない。

Is this your book?
これはあなたの本ですか。

また、 目の前の名詞を this book のように直接表すときも、

This book is new.
この本は新しいです。

となり、 a は置かない。

初めの段階では、 次のように比べておくと分かりやすい。

This is a book.
→ これは本です。
This is my book.
→ これは私の本です。
This book is new.
→ この本は新しいです。

book を一つだけ使うときは、 その前に amythis などのどれかが必要になる、 と見ておくとよい。

このあと学習が進むと、 the という語も出てくる。

the は、 すでに話題になっているものなどを指すときに使うが、 それは別の記事で改めて整理したい。

a を見ると、「一つのものを取り上げた」と分かる

英文を読むとき、 a / an が出てきたら、 日本語に必ず「一つの」と訳す必要はない。

けれども、 英語では、 話し手が数えられるものを一つ取り上げている、 ということが示されている。

This is a dog.
これは犬です。

では、 目の前の一匹の動物を、 「犬という種類の一つ」として紹介している。

He is a teacher.
彼は先生です。

では、 その人が 「先生という立場にある一人」であることを述べている。

I have a bike.
私は自転車を持っています。

では、 持っている物として、 一台の自転車を文の中に登場させている。

このように、 a / an は、 be動詞の文だけで使うものではない。

一般動詞を学んだあとにも、 数えられる名詞を一つ表すときには必要になる。

まとめると、

book / student / dog のような数えられる名詞を一つだけ表すとき、
英語では a / an などを名詞の前に置く。
a と an は、すぐ後ろに続く語の最初の音によって使い分ける。
a book / an apple / a new book / an old book
my や this などが名詞の前に置かれるときは、a を重ねない。
my book / this book

日本語では、 「これは本です」 「私は生徒です」 と言うだけで自然である。

しかし英語では、 一つの数えられる名詞を文の中に置くとき、 その名詞をどのように取り上げるのかを、 名詞の前で示す必要がある。

This is a book.a は、 日本語では目立たなくても、 英語の文を作るうえでは欠かすことのできない語なのである。

次は、 もう一つの文の中心である 一般動詞 に戻り、 I play tennis.I like music. のような文が、 どのように作られるのかを見ていく。

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