これまでの記事では、 次のような文を何度も使ってきた。
I am a student.
私は生徒です。
This is my book.
これは私の本です。
どちらの文にも、 日本語で言えば 「私」に関係する語が入っている。
しかし、 英語では、 一文目は I、 二文目は my となっている。
さらに、 次のような文もある。
Do you know me?
あなたは私を知っていますか。
This book is mine.
この本は私のものです。
ここでは、 me、 mine という形が使われている。
日本語では、
私は
私の
私を
私のもの
のように、 「私」という部分自体は同じまま、 後ろの助詞や語を変えて表すことができる。
一方、 英語では、 「私」が文の中でどのような役割を持つかによって、
I / my / me / mine
と、 語そのものの形が変わる。
このように、 名詞の代わりに人や物を指す語を 代名詞 と呼ぶ。
今回は、 「私」を表す四つの形を中心に、 文の中で何を表しているかを見ることで、 代名詞の使い分けを整理していこう。
I は、文の主語として「私」を置く形
まず、 I は、 自分を文の主語として置くときに使う。
I am a student.
私は生徒です。
I play tennis.
私はテニスをします。
I can swim.
私は泳げます。
どの文でも、 I は、 「誰について話しているのか」を示している。
I am a student.
→ 私について、生徒であると説明する
I play tennis.
→ 私がテニスをすると述べる
I can swim.
→ 私が泳げると述べる
つまり、 I は、 日本語で言えば 「私は」「私が」に近い位置で使われる。
ここで、 I を me に変えて、
Me am a student.
Me play tennis.
とはしない。
文の主語として 「私は」「私が」と言いたいときは、 I を使う。
これは、 これから代名詞を学ぶときの最初の基準になる。
文の主語になる「私」
→ I
my は、後ろの名詞に「私の」を加える形
次に、 my を見てみよう。
This is my book.
これは私の本です。
この文では、 my の後ろに book という名詞が置かれている。
my book
私の本
my は、 何かが「私の〜」であることを表し、 後ろの名詞を説明する形である。
my pen
私のペン
my dog
私の犬
my brother
私の兄(弟)
my school
私の学校
文の中でも、 次のように使える。
My dog is cute.
私の犬はかわいいです。
I like my school.
私は自分の学校が好きです。
This is my notebook.
これは私のノートです。
my は、 後ろに名詞を必要とする。
そのため、 「これは私の本です」と言うなら、
This is my book.
となるが、 「この本は私のものです」と言うときに、
This book is my.
とはしない。
my は、 あくまで my book、 my pen のように、 後ろの名詞と一緒に使う形だからである。
まずは、
後ろの名詞に「私の」を付ける
→ my + 名詞
と覚えておくとよい。
me は、動詞の後ろで「私を・私に」を表す形
次に、 me を見てみよう。
Do you know me?
あなたは私を知っていますか。
この文では、 知っているのは you であり、 知られる相手が me である。
you → know → me
あなたが → 知っている → 私を
me は、 動詞の後ろなどで、 動作が向かう相手として 「私を」「私に」を表す形である。
He knows me.
彼は私を知っています。
She likes me.
彼女は私のことが好きです。
Please help me.
私を手伝ってください。
そのため、 「彼女は私のことが好きです」と言うときに、
She likes I.
とはしない。
文の主語としての「私」なら I、 動詞の相手としての「私」なら me を使う。
I like her.
私は彼女のことが好きです。
She likes me.
彼女は私のことが好きです。
このように、 誰が好きなのか、 誰を好きなのかによって、 代名詞の形が変わる。
中学英語では、 me のように、 動詞の後ろなどで使われる形を 目的格 と呼ぶ。
用語を覚えることも必要だが、 まずは、
私が〜する
→ I
〜が私を・私に…する
→ me
という文の中での役割を見分けられることが大切である。
mine は、後ろに名詞を置かず「私のもの」と言う形
最後に、 mine を見てみよう。
This book is mine.
この本は私のものです。
この文では、 mine の後ろに book は置かれていない。
mine だけで、 「私のもの」という意味を表している。
my と mine を比べてみよう。
This is my book.
これは私の本です。
This book is mine.
この本は私のものです。
my は、 後ろに book のような名詞を置いて使う。
my book
my pen
my bag
一方、 mine は、 後ろに同じ名詞を繰り返さず、 「私のもの」と表すことができる。
This pen is mine.
このペンは私のものです。
That bag is mine.
あのかばんは私のものです。
そのため、
This book is my.
×
This book is mine.
○
となる。
「私の本」と、名詞を続けて言うなら my book。
「私のもの」と、名詞を繰り返さずに言うなら mine。
my + 名詞
→ my book / my pen / my dog
mine のみ
→ This book is mine. / This pen is mine.
学校文法では、 mine のような形を 所有代名詞 と呼ぶ。
つまり、 「私のもの」という意味を持ち、 名詞の代わりとして使える形である。
I / my / me / mine は、役割で選ぶ
ここまでの四つの形を、 文の中で並べてみよう。
I am a student.
私は生徒です。
→ 文の主語になる「私」
This is my book.
これは私の本です。
→ 後ろの名詞に「私の」を加える
Do you know me?
あなたは私を知っていますか。
→ 動詞の相手になる「私を・私に」
This book is mine.
この本は私のものです。
→ 名詞を繰り返さず「私のもの」と表す
表にして整理すると、 次のようになる。
I:私は・私が
my:私の + 名詞
me:私を・私に
mine:私のもの
代名詞を学ぶとき、 この順番を I - my - me - mine と声に出して覚えることは役に立つ。
ただし、 並びだけを覚えても、 実際の英文でどれを使うのかは判断しにくい。
重要なのは、 文の中での役割を見ることである。
「私」が文の主語か
→ I
「私の〜」と後ろの名詞を説明するか
→ my
動詞の後ろで「私を・私に」となるか
→ me
名詞を置かず「私のもの」と言うか
→ mine
まとめると、
I / my / me / mine は、すべて「私」に関係する語である。
ただし、文の中での役割によって形が変わる。
I は主語、my は後ろの名詞を説明する形、
me は動詞の相手、mine は「私のもの」を表す形である。
英語では、 「誰のことを言っているか」だけでなく、 「その人が文の中でどの位置にいるか」まで、 語の形に表れる。
代名詞の形を覚えることは、 単なる暗記表を埋める作業ではない。
誰が何をし、誰に向かい、何が誰のものなのか を、 英語の文の中で見分けるための土台なのである。