これまで学んできた英語の文は、 ほとんどが主語から始まっていた。
I am a student.
私は生徒です。
You play tennis.
あなたはテニスをします。
He can swim.
彼は泳げます。
英語では、 まず 「誰について述べるのか」を示し、 そのあとに動詞を置くのが基本だった。
ところが、 次の文では様子が違う。
Open the door.
ドアを開けなさい。/ドアを開けてください。
この文には、 I も you も he も書かれていない。
いきなり Open という動詞から文が始まっている。
それでも、 この文を聞いた人は、 「誰かがドアを開けるという説明だ」とは思わない。
自分に向けて、 「ドアを開けてほしい」と言われているのだと理解する。
このように、 相手に何かをするように求める文を、 命令文 と呼ぶ。
命令文では、 指示を受ける相手が目の前にいることが分かるため、 ふつう主語の you を書かずに、 動詞から文を始めるのである。
命令文には、言葉に出ていない you がある
Open the door. は、 話している相手に対して、 ドアを開けるように求める文である。
Open the door.
→ (あなたが)ドアを開けてください。
日本語でも、 誰に向かって話しているかが明らかなら、
ドアを開けて。
ここに座って。
教科書を見て。
のように、 「あなたは」とわざわざ言わないことが多い。
英語の命令文でも、 指示を受ける人は基本的に you だと分かっている。
そのため、
Open the door.
Sit down.
Look at this picture.
のように、 主語を書かずに動詞から始める。
ここで注意したいのは、 主語が「存在しない」というより、 指示を受ける相手が you だと理解されているため、通常は書かれない ということである。
たとえば、
You play tennis.
あなたはテニスをします。
は、 相手について事実や習慣を述べる文である。
一方、
Play tennis.
テニスをしなさい。/テニスをして。
は、 相手に行動を求める文である。
同じ play を使っていても、 You play ... と Play ... では、 文がしていることが違う。
You read this book.
あなたはこの本を読みます。
Read this book.
この本を読みなさい。/この本を読んでください。
命令文では、 「あなたは何をする人か」を説明するのではなく、 相手にしてほしい行動を直接示す のである。
命令文では、動詞の原形から始める
肯定の命令文では、 文の最初に 動詞の原形 を置く。
Open the door.
ドアを開けてください。
Use this pen.
このペンを使ってください。
Read this book.
この本を読んでください。
Study English every day.
毎日英語を勉強しなさい。
前に can を学んだときにも、 後ろの一般動詞は原形になった。
I can play tennis.
命令文では、 can の後ろだから原形になるのではなく、 命令文そのものが 動詞の原形から始まる形 である。
play → Play tennis.
use → Use this pen.
open → Open the window.
また、 命令文は、 行動を表す一般動詞だけで作るとは限らない。
be動詞を使って、 相手にある状態でいるように求めることもできる。
Be careful.
気をつけて。
Be quiet.
静かにしてください。
Be kind to others.
他の人に親切にしなさい。
ここで使われている Be は、 be動詞の原形である。
これまでbe動詞は、 主語に合わせて am / is / are の形で見てきた。
I am careful.
She is quiet.
They are kind.
しかし命令文では、 主語が書かれず、 動詞の原形から始めるため、
Be careful.
Be quiet.
のように Be を使う。
一般動詞でもbe動詞でも、 命令文の基本は、
動詞の原形から始めて、相手に行動や状態を求める
という点にある。
「〜するな」は Don't で始める
相手に何かをするよう求めるのではなく、 何かをしないように求めることもある。
ドアを開けないで。
ここで走らないで。
心配しないで。
このような否定の命令文では、 文の最初に Don't を置く。
Don't open the door.
ドアを開けないでください。
Don't run here.
ここで走らないでください。
Don't worry.
心配しないでください。
Don't の後ろには、 肯定の命令文と同じように、 動詞の原形を置く。
Open the door.
Don't open the door.
Use this computer.
Don't use this computer.
be動詞を使った命令文も、 否定すると Don't be ... となる。
Be noisy.
騒がしくしなさい。
Don't be noisy.
騒がしくしないでください。
Don't be late.
遅れないでください。
ここは、 これまで学んだbe動詞の否定文とは形が違うので注意したい。
You are not late.
あなたは遅れていません。
→ 相手の状態を説明する否定文
Don't be late.
遅れないでください。
→ 相手に求める否定の命令文
You are not late. は、 相手が遅れていないという説明である。
Don't be late. は、 これから遅れないように相手へ求める文である。
日本語ではどちらも 「遅れない」という言葉が含まれるが、 英語では、 説明なのか指示なのかによって文の形が変わる。
Please を添えると、依頼として伝えやすい
日本語では、 Open the door. を場面によって、 「ドアを開けなさい」と訳すことも、 「ドアを開けてください」と訳すこともある。
命令文という名前から、 いつも強く命令する表現のように感じるかもしれない。
しかし実際には、 場面や言い方によって、 指示にも依頼にもなる。
よりはっきり丁寧に依頼したいときには、 please を添えることができる。
Please open the door.
ドアを開けてください。
Please sit down.
座ってください。
Look at this picture, please.
この絵を見てください。
please は、 文の最初に置くことも、 文の終わりに置くこともできる。
ただし、 please を付ければ、 どんな強い言い方でも必ず丁寧になる、 と単純に考えるのは避けたい。
実際の丁寧さは、 場面や声の調子、 相手との関係にも左右される。
中1英語では、 まず
動詞の原形で始める
→ Open the door.
Don't + 動詞の原形で、しないように求める
→ Don't open the door.
Please を添えて、依頼として表せる
→ Please open the door.
という基本を身につければよい。
まとめると、
命令文では、指示を受ける相手が you だと分かるため、
通常は主語を書かず、動詞の原形から文を始める。
一般動詞なら、Open the door. / Read this book.
be動詞なら、Be careful. / Be quiet.
否定の命令文では、Don't + 動詞の原形を使う。
Don't run. / Don't be late.
Open the door. に主語が見えないのは、 英語が急に主語を必要としなくなったからではない。
話し手が、 目の前の相手に向けて、 してほしい行動を直接示しているからである。
次は、 相手だけに指示する命令文とは少し違い、 話し手も一緒に行うことを提案する Let's ... の文へ進む。