これまでに、 can と may は、 どちらも許可を表せることを見てきた。
You can use my pen.
あなたは私のペンを使ってもよいです。
You may use my pen.
あなたは私のペンを使ってもよいです。
これらは、 話し手が相手に 「使ってよい」と許可を与える文である。
では反対に、 自分が相手のペンを使いたいとき、 「使ってもよいですか」とたずねるには、 どうすればよいだろうか。
Can I use your pen?
あなたのペンを使ってもよいですか。
May I use your pen?
あなたのペンを使ってもよいですか。
この二つの文は、 どちらも相手に許可を求めている。
ただし、 Can I ...? は日常的な場面で使いやすく、 May I ...? は少し改まった場面で使いやすい。
今回は、 Can I ...? と May I ...? の形と使い分けを、 これまで学んだ助動詞の働きと結びつけながら整理していこう。
Can I ...? は、日常的に許可を求める形
can は、 中1ではまず 「〜することができる」 という能力の意味で学んだ。
I can swim.
私は泳ぐことができます。
しかし、 can は、 「〜してよい」 という許可も表す。
You can sit here.
あなたはここに座ってもよいです。
許可を求めるときには、 この文を疑問文の形にする。
Can I sit here?
私はここに座ってもよいですか。
助動詞の疑問文は、 助動詞を主語の前に置いて作る。
I can use your pen.
↓
Can I use your pen?
ここでも、 can の後ろには動詞の原形を置く。
Can I use this desk?
この机を使ってもよいですか。
Can I open the window?
窓を開けてもよいですか。
Can I go home now?
今、家に帰ってもよいですか。
このとき、 Can I open the window? を、 「私は窓を開ける能力がありますか」 と考える必要はない。
自分の行動について相手の判断を求めている場面なら、 Can I ...? は自然に 「〜してもよいですか」 という許可の質問になる。
May I ...? も、許可を求めることができる
may も、 許可を表す助動詞である。
You may use this room.
あなたはこの部屋を使ってもよいです。
この文を疑問文にすると、 自分がその行動をしてよいかを、 相手にたずねる表現になる。
May I use this room?
この部屋を使ってもよいですか。
作り方は、 can の疑問文と同じである。
I may enter this room.
↓
May I enter this room?
may の後ろにも、 動詞の原形を置く。
May I come in?
入ってもよいですか。
May I ask a question?
質問をしてもよいですか。
May I borrow your dictionary?
あなたの辞書を借りてもよいですか。
Can I ...? と May I ...? は、 どちらも 「私は〜してもよいですか」 と許可を求めることができる。
違いは、 許可を求めているかどうかではなく、 その場面での言い方の雰囲気にある。
Can I ...?
→ 日常的で、会話で使いやすい許可の求め方
May I ...?
→ やや改まった、丁寧な許可の求め方
たとえば、 友達に消しゴムを借りたいときには、 Can I borrow your eraser? が使いやすい。
一方、 授業中に先生へ質問をしてよいかたずねたり、 客として改まった場面で許可を求めたりするときには、 May I ...? がよく合う。
ただし、 これは絶対的な決まりではない。 Can I ...? でも丁寧に話すことはでき、 実際の日常会話では広く使われる。
答えるときは、許可を与えるか断るかを示す
Can I ...? や May I ...? で聞かれたら、 相手は許可を与えるか、 許可できないことを伝える。
Can I use your pen?
— Yes, you can.
— Sure.
— Of course.
あなたのペンを使ってもよいですか。
— はい、よいですよ。
許可できないときには、 次のように言える。
Can I open the window?
— Sorry, you can't.
窓を開けてもよいですか。
— すみません、だめです。
May I ...? に対しては、 教科書的には Yes, you may. や No, you may not. のように答える形も確認できる。
May I come in?
— Yes, you may.
入ってもよいですか。
— はい、よいですよ。
ただ、 実際のやり取りでは、 Sure. や Of course. のように答えることもできる。
May I ask a question?
— Of course.
質問をしてもよいですか。
— もちろんです。
ここで気をつけたいのは、 質問の主語が I であっても、 答える側から見ると相手は you になることである。
Can I use your pen?
— Yes, you can.
「私が使ってよいですか」と聞かれた人が、 「あなたは使ってよいですよ」と返すため、 答えでは you を使う。
また、 Can I ...? は許可を求めているので、 「はい、私はできます」という Yes, I can. で答えるのではない。
同じ can / may でも、文の場面で意味が決まる
can と may には、 これまでに複数の使い方が出てきた。
まず、 can は能力と許可を表すことができる。
I can play the piano.
私はピアノを弾くことができます。
→ 能力
You can use my piano.
あなたは私のピアノを使ってもよいです。
→ 許可を与える
Can I use your piano?
あなたのピアノを使ってもよいですか。
→ 許可を求める
一方、 may は許可のほかに、 可能性も表す。
You may use this piano.
あなたはこのピアノを使ってもよいです。
→ 許可を与える
May I use this piano?
このピアノを使ってもよいですか。
→ 許可を求める
She may play the piano at the concert.
彼女はコンサートでピアノを弾くかもしれません。
→ 可能性
同じ can や may でも、 ただ日本語訳を一つに固定してしまうと、 文の意味を捉えにくい。
誰かができることを述べているのか、 行動を認めているのか、 自分がしてよいかを聞いているのか、 起こる可能性を述べているのか。
文が使われる場面を見ることで、 助動詞の意味は整理しやすくなる。
Can I ...? と May I ...? で、許可を求められる
まとめると、
Can I + 動詞の原形 ...?
→ 日常的に「〜してもよいですか」と許可を求める。
Can I use your pen?
May I + 動詞の原形 ...?
→ やや改まって「〜してもよいですか」と許可を求める。
May I use your pen?
どちらも、助動詞を主語の前に置き、後ろには動詞の原形を置く。
答えるときは、質問者を you として答える。
Can I use your pen? — Yes, you can.
助動詞は、 ただ動詞の前に置く小さな語ではない。 行動を許すのか、 許可を求めるのか、 可能性を述べるのかによって、 話し手と相手との関係を表すことができる。
Can I ...? と May I ...? を使えるようになると、 自分が何かをしたいときに、 相手へ許可を求める表現ができるようになる。
次は、 Will you help me? や Can you help me? のように、 相手に何かをしてもらうための表現を見ていこう。