塾長ノート

Do you like tea? と Would you like some tea? は何が違うのか

普段の好みと、その場でのすすめを分ける

英語を学び始めたころに、 次のような文を習った人は多いだろう。

Do you like tea?
あなたは紅茶が好きですか。

この文は、 相手が普段から紅茶を好むかどうかを たずねている。

ところが、 家に来た友達に飲み物をすすめる場面では、 次のような文が使われる。

Would you like some tea?
紅茶はいかがですか。

この文にも like が入っている。 しかし、 「あなたは紅茶が好きですか」 と好みを調べているのではない。

目の前の相手に、 「いま紅茶を飲みますか」 「よかったら紅茶をどうぞ」 とすすめているのである。

Would you like ...? は、 相手に物をすすめたり、 相手を何かに誘ったりするときに使える、 やわらかな表現である。

今回は、 Do you like ...? との違いから出発して、 Would you like + 名詞?Would you like to + 動詞の原形? の使い方を整理していこう。

Do you like ...? は、普段の好みをたずねる

Do you like + 名詞? は、 相手がそのものを好きかどうか、 普段の好みをたずねる文である。

Do you like tea?
あなたは紅茶が好きですか。
Do you like soccer?
あなたはサッカーが好きですか。
Do you like this song?
あなたはこの歌が好きですか。

たとえば、 初めて話す相手の好みを知りたいときには、 Do you like tea? と聞くことができる。

相手が Yes, I do. と答えても、 それだけで今すぐ紅茶を飲むとは限らない。

A: Do you like tea?
B: Yes, I do. I drink it every morning.
A: 紅茶は好きですか。
B: はい。毎朝飲みます。

ここでは、 紅茶を出す・受け取るという場面ではなく、 紅茶についての好みを話題にしている。

一方、 テーブルの上に紅茶が用意されていて、 相手に一杯すすめるなら、 Do you like tea? だけでは目的に合いにくい。

その場で相手に紅茶をすすめたいなら、 Would you like some tea? を使う。

Do you like tea?
→ 普段、紅茶が好きかをたずねる。

Would you like some tea?
→ 今、紅茶を飲むかとすすめる。

日本語では、 どちらも場面によっては 「紅茶はどうですか」 のように言えることがある。 しかし、英語では、 普段の好みその場でのすすめ を文の形で分けて表すことが大切である。

Would you like + 名詞? は、物をすすめる

Would you like + 名詞? は、 相手に飲み物や食べ物などをすすめるときに使える。

Would you like some tea?
紅茶はいかがですか。
Would you like some cookies?
クッキーはいかがですか。
Would you like another piece of cake?
ケーキをもう一切れいかがですか。

この表現では、 相手がそのものを好むかどうかよりも、 いま、それを受け取るか が問題になっている。

Would you like some water?
→ 水はお好きですか、ではなく、
→ 水はいかがですか/水を飲みますか。

ここで、 some tea となっていることにも注目したい。

中1では、 some は肯定文、 any は疑問文・否定文で使うことが多い、 という基本を学んだ。

I have some cookies.
私はクッキーをいくつか持っています。

Do you have any cookies?
あなたはクッキーをいくつか持っていますか。

しかし、 Would you like some tea? では、 疑問文であっても some が自然に使われる。

これは、 単に情報を確認しているのではなく、 話し手が紅茶を用意できる状態で、 相手にそれをすすめているからである。

Do you have any tea?
→ 紅茶を持っていますか、と確認する。

Would you like some tea?
→ 紅茶がありますよ、飲みますか、とすすめる。

some / any にはほかにも細かな使い方があるが、 ここではまず、 相手に何かをすすめる疑問文では some が使える と押さえておけばよい。

すすめられたものを受けるなら、 Yes, please. と答えられる。

Would you like some tea?
― Yes, please.
紅茶はいかがですか。
― はい、お願いします。

断るなら、 No, thank you. と答えればよい。

Would you like some cookies?
― No, thank you.
クッキーはいかがですか。
― いいえ、結構です。

この答え方は、 前回扱った Shall I ...? に対する答え方とも共通している。

Shall I open the window?
― Yes, please. / No, thank you.

Would you like some tea?
― Yes, please. / No, thank you.

どちらも、 相手からの申し出やすすめを 受けるか断るかを答えているのである。

Would you like to + 動詞の原形? は、行動に誘う

Would you like の後ろには、 物を表す名詞だけでなく、 to + 動詞の原形 を置くこともできる。

Would you like some tea?
紅茶はいかがですか。

Would you like to play tennis?
テニスをしませんか。

Would you like to + 動詞の原形? は、 相手に何かをすることをすすめたり、 相手を行動に誘ったりする表現である。

Would you like to come with us?
私たちといっしょに来ませんか。
Would you like to watch this movie?
この映画を見ませんか。
Would you like to join our club?
私たちの部に入りませんか。

形としては、 to playto cometo watch のように、 to の後ろに動詞の原形を置く。

Would you like to play tennis?
Would you like to come with us?
Would you like to watch this movie?

この to + 動詞の原形 は、 このあと本格的に学ぶ 不定詞 の形でもある。

今の段階では、 Would you like to ...? を 「〜しませんか」 と誘う形として使えるようにしておけばよい。

誘いを受けるときは、 次のように答えられる。

Would you like to play tennis after school?
― Yes, I'd love to.
放課後、テニスをしませんか。
― はい、ぜひ。

断る場合には、 理由をそえて答えると自然である。

Would you like to go shopping with me?
― I'm sorry, but I have homework today.
私と買い物に行きませんか。
― ごめんなさい、今日は宿題があります。

Would you like some tea?Would you like to play tennis? は、 後ろに何を置くかで内容が変わる。

Would you like + 名詞?
→ 物をすすめる。
Would you like some tea?
紅茶はいかがですか。

Would you like to + 動詞の原形?
→ 行動に誘う。
Would you like to play tennis?
テニスをしませんか。

Would you like ...? は、相手の気持ちをたずねながらすすめる

ここまでに、 相手を誘ったり、 相手に何かをすすめたりする表現をいくつか学んだ。

Shall we play tennis?
テニスをしませんか。

Would you like to play tennis?
テニスをしませんか。

この二つは、 どちらも相手を行動に誘うことができる。

Shall we ...? は、 話し手と相手がいっしょにする行動を 「私たちは〜しましょうか」 と提案する形である。

一方、 Would you like to ...? は、 相手がその行動を望むかどうかをたずねながら、 誘いを差し出す形になっている。

Shall we have lunch together?
→ いっしょに昼食を食べましょうか。

Would you like to have lunch with me?
→ 私と昼食を食べませんか。

中学英語の問題では、 どちらも 「〜しませんか」 と訳せることがある。 まずは、 どちらも誘いを表せると理解しておけばよい。

ただし、 Would you like ...? は、 食べ物や飲み物などをすすめる場面でも使える。

Would you like some juice?
ジュースはいかがですか。

Would you like to sit here?
ここに座りませんか。

そのため、 Would you like ...? を見たら、 ただ 「あなたは〜が好きですか」 と訳すのではなく、 場面に合わせて 「〜はいかがですか」 「〜しませんか」 と考える必要がある。

まとめると、

Do you like + 名詞?
→ 普段の好みをたずねる。
Do you like tea?
紅茶は好きですか。

Would you like + 名詞?
→ その場で物をすすめる。
Would you like some tea?
紅茶はいかがですか。

Would you like to + 動詞の原形?
→ 相手を行動に誘う。
Would you like to play tennis?
テニスをしませんか。

英語では、 同じ like が入っていても、 文全体の形によって、 好みをたずねる文にも、 相手へのすすめや誘いにもなる。

Would you like ...? は、 相手の気持ちを尊重しながら、 何かを差し出すための表現である。 会話でそのまま使える形として、 しっかり身につけておきたい。

次は、 There is a book on the desk. のように、 ある場所に人や物が存在することを表す文へ進もう。

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