日本語では、 次のように聞かれたら、 答え方に少し迷うことがある。
テニスは好きではないのですか。
—— いいえ、好きです。
質問の中に 「好きではない」 という否定が入っているため、 それを打ち消して 「いいえ、好きです」 と答える感覚である。
ところが、 英語では、 次のように聞かれたとき、
Don't you like tennis?
あなたはテニスが好きではないのですか。
「好きです」と答えるなら、 次のように言う。
Yes, I do.
はい、好きです。
日本語の感覚のまま 「いいえ、好きです」 と考えて、 No, I don't. と答えてしまうと、 英語では 「いいえ、好きではありません」 という意味になってしまう。
Don't you like tennis?
Yes, I do.
→ 好きです。
Don't you like tennis?
No, I don't.
→ 好きではありません。
Don't you like tennis? のように、 否定の形で始まる疑問文を 否定疑問文 と呼ぶ。
今回は、 否定疑問文がどのような形で作られ、 なぜ Yes, I do. が「好きです」になるのかを整理していこう。
否定疑問文は、「〜ではないのですか」とたずねる
まず、 普通の疑問文と否定疑問文を比べてみよう。
Do you like tennis?
あなたはテニスが好きですか。
Don't you like tennis?
あなたはテニスが好きではないのですか。
普通の疑問文は、 相手がテニスを好きかどうかを そのままたずねている。
一方、 否定疑問文は、 「好きだと思っていたのに違うのですか」 「好きではないということですか」 のように、 話し手の予想や確認したい気持ちが含まれやすい。
たとえば、 友達がテニス部に入っていると知っていたのに、 「テニスはあまり好きではない」と言ったとする。 そのとき、 驚いて確認するなら、
Don't you like tennis?
テニスが好きではないのですか。
と言うことができる。
be動詞の文でも同じである。
Are you busy today?
あなたは今日、忙しいですか。
Aren't you busy today?
あなたは今日、忙しくないのですか。
→ 忙しいと思っていたが、違うのかと確認する
助動詞を使った文でも、 否定の形でたずねることができる。
Can you swim?
あなたは泳げますか。
Can't you swim?
あなたは泳げないのですか。
→ 泳げると思っていたが、違うのかと確認する
つまり、 否定疑問文は、 ただ文を否定するための形ではない。 否定の内容が本当なのかを、 相手にたずねる文である。
普通の疑問文
Do you like tennis?
→ 好きかどうかをたずねる
否定疑問文
Don't you like tennis?
→ 好きではないのかとたずねる
be動詞・一般動詞・助動詞に not を加えて作る
否定疑問文の作り方は、 これまで学んだ否定文と疑問文の仕組みを組み合わせればよい。
まず、 be動詞の文を見てみよう。
You are busy today.
あなたは今日、忙しいです。
You are not busy today.
あなたは今日、忙しくありません。
この否定の内容を疑問文としてたずねると、 are not の短縮形 aren't が主語の前に出る。
Aren't you busy today?
あなたは今日、忙しくないのですか。
主語が he / she / it の場合は、 isn't を使う。
Isn't he at home now?
彼は今、家にいないのですか。
一般動詞の現在の文では、 普通の疑問文に使う do / does に not を加える。
You like tennis.
→ Do you like tennis?
→ Don't you like tennis?
Emi goes to school by bike.
→ Does Emi go to school by bike?
→ Doesn't Emi go to school by bike?
doesn't を使った後ろでは、 動詞は原形になる。
Doesn't Emi go to school by bike?
× Doesn't Emi goes to school by bike?
一般動詞の過去の文では、 didn't を主語の前に置く。
You studied English yesterday.
→ Did you study English yesterday?
→ Didn't you study English yesterday?
ここでも、 過去を表す働きは didn't が受け持つため、 後ろの動詞は原形の study になる。
助動詞の文では、 助動詞に not を加えた短縮形を前に置く。
You can swim.
→ Can you swim?
→ Can't you swim?
You will come tomorrow.
→ Will you come tomorrow?
→ Won't you come tomorrow?
形をまとめると、 次のようになる。
be動詞の現在
Aren't you busy? / Isn't he at home?
一般動詞の現在
Don't you like tennis? / Doesn't Emi go by bike?
一般動詞の過去
Didn't you study yesterday?
助動詞
Can't you swim? / Won't you come tomorrow?
Yes / No は、答えの内容が肯定か否定かで決まる
否定疑問文で最も注意したいのは、 Yes / No の答え方 である。
英語では、 質問の形が肯定か否定かに関係なく、 自分が答える内容が肯定なら Yes、 否定なら No を使う。
Don't you like tennis?
Yes, I do.
→ I like tennis.(私はテニスが好きです。)
Don't you like tennis?
No, I don't.
→ I don't like tennis.(私はテニスが好きではありません。)
大切なのは、 日本語の 「好きではないのですか」 に対して 「はい」「いいえ」のどちらが自然かを考えることではない。
自分が言いたい英文を、 まず肯定文か否定文で考える。
言いたいことが I like tennis. なら
→ Yes, I do.
言いたいことが I don't like tennis. なら
→ No, I don't.
be動詞の否定疑問文でも同じである。
Isn't he at home now?
彼は今、家にいないのですか。
Yes, he is.
→ He is at home now.(はい、家にいます。)
No, he isn't.
→ He isn't at home now.(いいえ、家にいません。)
日本語訳にすると、 質問との関係で 「いいえ、家にいます」 「はい、家にいません」 のように訳したくなる場面もある。 しかし、 英語の Yes / No は、 後ろに続く英文の肯定・否定とそろえて考えるのが基本である。
助動詞の文も確認してみよう。
Can't you swim?
あなたは泳げないのですか。
Yes, I can.
→ I can swim.(泳げます。)
No, I can't.
→ I can't swim.(泳げません。)
答え方で迷ったら、 質問文をそのまま日本語にして考えるのではなく、 自分の答えを一文で作ってから、 その前に Yes または No を置くとよい。
I can swim.
→ Yes, I can.
I can't swim.
→ No, I can't.
普通の疑問文・付加疑問文・否定疑問文を比べる
最後に、 ここまでに学んだ三つの聞き方を比べてみよう。
Do you like tennis?
あなたはテニスが好きですか。
→ 好きかどうかを普通にたずねる
You like tennis, don't you?
あなたはテニスが好きですね。
→ 「好きだ」と考えながら、文末で確認する
Don't you like tennis?
あなたはテニスが好きではないのですか。
→ 「好きではないのか」と否定の形で確認する
普通の疑問文は、 事実をたずねる基本の形である。
付加疑問文は、 自分の考えをまず述べてから、 「そうですよね」と軽く確認する形である。
否定疑問文は、 「〜ではないのですか」とたずねる形であり、 話し手の予想とのずれや、 驚き・確認の気持ちが表れやすい。
ただし、 答え方の基本は変わらない。
Don't you like tennis?
Yes, I do. / No, I don't.
Aren't you busy today?
Yes, I am. / No, I'm not.
Can't you swim?
Yes, I can. / No, I can't.
まとめると、
否定疑問文は、否定の内容が本当かをたずねる文である。
Don't you like tennis?
→ テニスが好きではないのですか。
be動詞・一般動詞・助動詞に合わせて形を作る。
Aren't you ...? / Don't you ...? / Didn't you ...? / Can't you ...?
答えが肯定なら Yes、否定なら No を使う。
Yes, I do. → 好きです。
No, I don't. → 好きではありません。
Don't you like tennis? は、 日本語との答え方の違いで混乱しやすい文である。
しかし、 「質問が否定だからどう答えるか」ではなく、 「自分が答える内容は肯定か否定か」 を見るようにすれば、 答え方は整理しやすくなる。
次は、 動詞の働きを広げる to + 動詞の原形 の学習へ進み、 まず I want to play tennis. のような文を整理していこう。