前回は、 to + 動詞の原形 の形を不定詞と呼び、 「〜すること」を表して動詞の後ろに置けることを確認した。
I want to play tennis.
私はテニスをしたいです。
この文では、 to play tennis が want の後ろに置かれ、 「何を望むのか」を表していた。
つまり、 不定詞は文の中で 目的語 として働いていたのである。
しかし、 「テニスをすること」を表す不定詞は、 動詞の後ろにしか置けないわけではない。
To play tennis is fun.
テニスをすることは楽しいです。
この文では、 to play tennis が文の最初に置かれている。
「何が楽しいのか」を表しているので、 ここでは文の 主語 になっている。
また、 次のような文も作ることができる。
My dream is to be a teacher.
私の夢は教師になることです。
この文では、 to be a teacher が My dream の中身を説明している。
このように、 be動詞の後ろに置かれて主語を説明する部分を、 補語 と呼ぶ。
今回は、 同じ「〜すること」を表す不定詞が、 文の中で 主語 や 補語 として働く場合を整理しよう。
不定詞は、文の主語にもなれる
まず、 名詞が主語になる文を思い出してみよう。
Tennis is fun.
テニスは楽しいです。
English is important.
英語は大切です。
主語とは、 「何について説明しているのか」を示す文の中心である。
上の文では、 Tennis や English という名詞が、 文の話題となっている。
不定詞の名詞的用法も、 「〜すること」という名詞のようなまとまりを作る。 だから、 名詞と同じように主語の位置へ置くことができる。
To play tennis is fun.
テニスをすることは楽しいです。
To study English is important.
英語を勉強することは大切です。
To get up early is difficult.
早く起きることは難しいです。
ここで大切なのは、 to play tennis が、 ただ文の最初にあるのではなく、 ひとかたまりで「何が楽しいのか」を表していることである。
To play tennis / is fun.
主語 / 主語についての説明
To study English / is important.
主語 / 主語についての説明
日本語でも、 「英語を勉強する」は動作だが、 「英語を勉強すること」とすると、 文の話題として扱える。
英語を勉強する。
→ 動作を述べる
英語を勉強することは大切だ。
→ 動作全体について説明する
英語の不定詞も、 動作を「〜すること」というまとまりにし、 そのまとまりについて fun、 important、 difficult などで説明できるようにしている。
be動詞の後ろでは、主語の中身を説明できる
次に、 不定詞が be動詞の後ろ に置かれる文を見てみよう。
My dream is to be a teacher.
私の夢は教師になることです。
この文の主語は、 My dream である。
しかし、 「私の夢」と言っただけでは、 その夢が何なのかはまだ分からない。
My dream is ...
私の夢は……です。
そこで、 be動詞の後ろに to be a teacher を置き、 夢の中身を説明する。
My dream / is / to be a teacher.
私の夢 / は / 教師になることです。
このように、 be動詞の後ろで主語が何であるか、 どんな内容であるかを説明する部分を 補語 という。
これまでにも、 補語になる名詞や形容詞は見てきた。
I am a student.
私は生徒です。
→ a student が I を説明する
This book is interesting.
この本はおもしろいです。
→ interesting が This book を説明する
不定詞も名詞のように働くため、 be動詞の後ろで、 主語の中身を説明できる。
My hobby is to read books.
私の趣味は本を読むことです。
Her goal is to speak English well.
彼女の目標は英語を上手に話すことです。
His plan is to visit Kyoto next month.
彼の計画は来月京都を訪れることです。
ここでは、 dream、 hobby、 goal、 plan のように、 その具体的な内容を後ろから説明したい名詞と相性がよい。
My dream is to be a teacher.
→ 夢の中身を説明する
My plan is to practice tennis after school.
→ 計画の中身を説明する
「〜すること」を表す同じ不定詞でも、 be動詞の後ろに置けば、 主語として出てきた夢や計画の内容を述べることができるのである。
目的語・主語・補語では、置かれる場所と役割が違う
ここまでで、 名詞的用法の不定詞には、 文の中で三つの置かれ方があることが分かる。
まず、 前回扱った 目的語 になる不定詞である。
I want to play tennis.
私はテニスをしたいです。
→ want の後ろで、「何を望むのか」を表す
次に、 今回扱った 主語 になる不定詞である。
To play tennis is fun.
テニスをすることは楽しいです。
→ 文の先頭で、「何が楽しいのか」を表す
そして、 補語 になる不定詞である。
My dream is to be a teacher.
私の夢は教師になることです。
→ be動詞の後ろで、「夢の中身は何か」を説明する
三つを並べると、 次のようになる。
I want to study English.
→ 目的語:私は英語を勉強することを望む
To study English is important.
→ 主語:英語を勉強することは大切だ
My plan is to study English every day.
→ 補語:私の計画は毎日英語を勉強することだ
どの文でも、 to study English は「英語を勉強すること」を表している。
変わるのは、 不定詞そのものの意味ではなく、 文の中で置かれる場所と役割である。
動詞の後ろに置く
→ 目的語として、「何を〜するのか」を表す
文の先頭に置く
→ 主語として、「何が〜なのか」を表す
be動詞の後ろに置く
→ 補語として、「主語の中身は何か」を説明する
そのため、 英文を読むときは、 不定詞を見つけたらすぐに日本語へ直すだけでなく、 文のどの位置で、何の役割をしているのか も見ることが大切である。
役割が変わっても、形は to + 動詞の原形のままである
不定詞が目的語・主語・補語のどれになる場合でも、 形の基本は変わらない。
to + 動詞の原形
たとえば、 play を使うなら、 どの位置でも to play の形で使う。
I like to play tennis.
私はテニスをすることが好きです。
→ 目的語
To play tennis is fun.
テニスをすることは楽しいです。
→ 主語
My hobby is to play tennis.
私の趣味はテニスをすることです。
→ 補語
また、 be を使う不定詞にも注意したい。
My dream is to be a teacher.
私の夢は教師になることです。
この文では、 主語の My dream が三人称単数であっても、 不定詞の中は to is a teacher にはならない。
My dream is to be a teacher.
→ 文を支える be動詞は is
→ to の後ろの be動詞は原形の be
同様に、 時制が過去になっても、 不定詞の形は変わらない。
My dream was to be a teacher.
私の夢は教師になることでした。
過去を表しているのは was であり、 to be は原形のままである。
まとめると、
名詞的用法の不定詞は、「〜すること」を表す。
to play tennis → テニスをすること
不定詞は、文の主語になることができる。
To play tennis is fun.
不定詞は、be動詞の後ろで主語の中身を説明する補語になることができる。
My dream is to be a teacher.
目的語・主語・補語のどれになっても、形はto + 動詞の原形である。
I want to be a teacher.
My dream is to be a teacher.
不定詞を学ぶと、 英語では動作をただ述べるだけでなく、 その動作を「したいこと」「楽しいこと」「夢の内容」のように、 文の部品として扱えることが分かる。
次は、 I went to the library to study English. のように、 「〜するために」と動作の目的を表す不定詞を整理していこう。