前回の記事では、 動詞の後ろに二つの目的語が並ぶ 第4文型 を見た。
My father gave me a book.
私の父は私に本をくれました。
この文では、 me が「だれに」、 a book が「何を」にあたる。
My father / gave / me / a book
S / V / O / O
では、 次の文はどうだろうか。
We call him Ken.
私たちは彼を健と呼びます。
この文でも、 call の後ろに him と Ken という二つの語が並んでいる。
しかし、 him と Ken は、 「人」と「もの」ではない。
him = Ken
彼を = 健と
Ken は、 目的語である him を何と呼ぶのかを説明している。
このように、 動詞の後ろに目的語を置き、 そのあとに目的語の呼び名や状態を説明する語を置く文を、 中学英語では 第5文型 として整理する。
第5文型では、目的語のあとに補語を置く
第5文型の基本形は、 次のように表せる。
主語 + 動詞 + 目的語 + 補語
S + V + O + C
C は 補語 を表す。 第2文型でも出てきた語である。
You look happy.
あなたは幸せそうに見えます。
You = happy
S = C
第2文型では、 補語は 主語 を説明していた。
一方、 第5文型では、 補語は 目的語 を説明する。
We call him Ken.
私たちは彼を健と呼びます。
We = S
call = V
him = O
Ken = C
この文では、 him が目的語であり、 Ken がその目的語の呼び名を説明する補語である。
him = Ken
O = C
代名詞の形に注意すると、 him は動詞 call の目的語なので、 he ではなく目的格になっている。
関係だけを別の文で確かめるなら、 次のように考えられる。
We call him Ken.
→ He is Ken.
彼は健です。
より分かりやすい例として、 犬の名前を考えてみよう。
We call the dog Lucky.
私たちはその犬をラッキーと呼びます。
The dog is Lucky.
その犬はラッキーです。
the dog と Lucky の間には、 「その犬がラッキーである」という関係がある。
したがって、 第5文型では、
O = C
目的語を、補語が説明する
という関係を見ることが大切である。
第4文型の O + O と、第5文型の O + C は違う
第4文型と第5文型は、 どちらも動詞の後ろに二つの語句が並ぶため、 形だけを見るとよく似ている。
My father gave me a book.
私の父は私に本をくれました。
We call him Ken.
私たちは彼を健と呼びます。
しかし、 後ろの二つの語句の関係は異なる。
My father gave me a book.
me ≠ a book
私は本ではない。
We call him Ken.
him = Ken
彼を健と呼ぶ。
第4文型では、 動詞の後ろに並ぶのは 人 と もの・内容 という二つの目的語である。
give me a book
私に本をくれる
show her a picture
彼女に写真を見せる
第5文型では、 動詞の後ろに置かれるのは 目的語 と、 その目的語を説明する 補語 である。
call him Ken
彼を健と呼ぶ
name the dog Hachi
その犬をハチと名づける
この違いは、 make を使った文で見ると、 さらに分かりやすい。
She made me a cake.
彼女は私にケーキを作ってくれました。
この文では、 me は人、 a cake はものなので、 第4文型である。
me ≠ a cake
S + V + O + O
では、 次の文はどうだろうか。
The news made me happy.
その知らせは私をうれしくさせました。
この文では、 happy は、 me がどのような状態になったのかを説明している。
me = happy
私がうれしい状態になる
S + V + O + C
同じ make でも、 後ろに続く語の関係によって、 文型と意味の見方が変わる。
She made me a cake.
make + 人 + もの
第4文型
The news made me happy.
make + 目的語 + 状態
第5文型
単に語が二つ並んでいるから同じ形だと決めるのではなく、 後ろの二語に「同じものを説明する関係」があるか を見ることが重要である。
補語には、名前だけでなく状態を表す語も置ける
第5文型の補語には、 Ken や Lucky のような名前だけでなく、 目的語の状態を表す形容詞も置くことができる。
まず、 名前を示す文を見てみよう。
We call him Ken.
私たちは彼を健と呼びます。
They named the dog Hachi.
彼らはその犬をハチと名づけました。
この場合、 補語は 「目的語を何と呼ぶか」 「目的語にどんな名前をつけるか」 を表している。
call + O + C
O を C と呼ぶ
name + O + C
O を C と名づける
一方、 形容詞を補語にすると、 目的語の状態を説明できる。
The news made us happy.
その知らせは私たちを幸せにしました。
Please keep your room clean.
あなたの部屋をきれいにしておいてください。
一つ目の文では、 その知らせによって、 us が happy という状態になる。
us = happy
私たちが幸せな状態になる
二つ目の文では、 your room を clean という状態に保つことを表している。
your room = clean
部屋がきれいな状態である
ほかにも、 色を表す語を置くことができる。
They painted the door red.
彼らはそのドアを赤く塗りました。
この文でも、 塗った結果、 the door が red という状態になる。
the door = red
ドアが赤い状態になる
つまり、 第5文型は、 目的語について 名前 や 状態 を後ろから加える形である。
call him Ken
彼を健と呼ぶ
make me happy
私をうれしくさせる
keep the room clean
部屋をきれいに保つ
ただし、 どの動詞でも自由に第5文型を作れるわけではない。 中学段階では、 まず call / name / make / keep のような代表的な動詞とともに、 文の形を押さえておけばよい。
第5文型は、目的語の説明まで読んで意味を完成させる文である
第5文型では、 目的語を見ただけでは、 文の意味がまだ十分に完成しないことがある。
We call him ...
私たちは彼を……と呼びます。
この時点では、 「彼を何と呼ぶのか」 がまだ分からない。
We call him Ken.
私たちは彼を健と呼びます。
Ken まで読んではじめて、 目的語である彼の呼び名が明らかになる。
同じことは、 状態を表す文でも言える。
The movie made me ...
その映画は私を……にしました。
ここで文が止まると、 映画によって自分がどうなったのかが分からない。
The movie made me sad.
その映画は私を悲しい気持ちにしました。
sad まで読んで、 はじめて目的語の状態が分かる。
英文を読むときは、 動詞の後ろに二つの語が並んでいたら、 次のように確かめてみるとよい。
人にものを渡す・伝える関係か。
→ S + V + O + O の第4文型
My father gave me a book.
目的語の名前や状態を説明する関係か。
→ S + V + O + C の第5文型
We call him Ken.
また、 第5文型では、 疑問詞を使って補語にあたる内容をたずねることもできる。
What do you call your cat?
あなたはあなたの猫を何と呼んでいますか。
We call our cat Momo.
私たちは猫をモモと呼んでいます。
この疑問文では、 What が 「猫を何と呼ぶのか」という、 補語にあたる部分をたずねている。
まとめると、
第5文型:S + V + O + C
We call him Ken.
私たちは彼を健と呼びます。
第5文型では、O と C の間に説明の関係がある。
him = Ken
me = happy
your room = clean
第1文型から第5文型までを学ぶ目的は、 文型の番号を暗記することだけではない。
動詞の後ろに続く語が、 動作の対象なのか、 主語の説明なのか、 人とものなのか、 目的語の説明なのかを見分けられるようになると、 英文の骨格をつかみやすくなる。
次は、 It is important for us to study English. のように、 不定詞の「〜すること」を後ろに置き、 誰にとって必要なのかを表す形を見ていこう。