前回は、 good / well → better → best のように、 比較の形が特別に変わる語を見た。
This book is better than that one.
この本はあの本よりよいです。
では、 次の文の better は、何を比べているのだろうか。
I like dogs better than cats.
私は猫より犬のほうが好きです。
この文は、 「犬は猫よりよい」と評価している文ではない。 私がどちらをより強く好きか を比べている。
そして、 「犬と猫では、どちらのほうが好きですか」と 相手にたずねるなら、 次のように言う。
Which do you like better, dogs or cats?
犬と猫では、どちらのほうが好きですか。
今回は、 like ... better と like ... the best を使って、 好みを比べる文の作り方を整理していこう。
like ... better than ... は「…より〜のほうが好きだ」を表す
better は、 もともと good や well の比較級として使われる語である。
This pen is better than that one.
このペンはあのペンよりよいです。
She plays tennis better than I do.
彼女は私より上手にテニスをします。
しかし、 like の後ろに好きなものを置き、 その後ろに better than ... を続けると、 「…より〜のほうが好きだ」を表せる。
I like dogs better than cats.
私は猫より犬のほうが好きです。
I like English better than math.
私は数学より英語のほうが好きです。
She likes summer better than winter.
彼女は冬より夏のほうが好きです。
語順は、 次のように考えるとよい。
I like dogs better than cats.
私は 犬 のほうが、猫 より好きです。
like のすぐ後ろに置かれたものが、 「より好きなもの」である。 日本語では「猫より犬のほうが」と、 比べる相手を先に言いやすいので、 英作文では順番に注意したい。
私は紅茶よりコーヒーのほうが好きです。
→ I like coffee better than tea.
日本語で最初に出てくる 「紅茶より」に引っ張られて、 tea を like の直後に置かないようにする。
Which do you like better, A or B? で二つから選んでたずねる
二つのものについて、 どちらのほうが好きかをたずねるときは、 Which を使う。
Which do you like better, dogs or cats?
犬と猫では、どちらのほうが好きですか。
Which do you like better, summer or winter?
夏と冬では、どちらのほうが好きですか。
Which subject do you like better, English or math?
英語と数学では、どちらの教科のほうが好きですか。
この文は、 次の順番で組み立てられている。
Which + do you like + better, + A or B?
どちらを あなたは好きですか より強く AとBでは
ここでの Which は、 dogs or cats という二つの選択肢のうち、 どちらを選ぶのかをたずねている。
答えるときは、 好きなものを like の後ろに置けばよい。
Which do you like better, dogs or cats?
— I like dogs better.
犬と猫では、どちらのほうが好きですか。
— 犬のほうが好きです。
質問の中ですでに dogs or cats と比べる相手が示されているため、 答えでは than cats まで毎回言わなくてもよい。
なお、 Which is larger, Canada or China? のような文では、 大きいのはどちらかを聞いているので、 Canada is. のように答えられる。
一方、 Which do you like better ...? は、 「あなたが何を好きか」を聞いている。 そのため、 基本の答え方は I like ... better. となる。
like ... the best は「いちばん好きだ」を表す
二つのうち、 どちらをより好きかを比べるときは better を使った。
では、 三つ以上のものの中で、 いちばん好きなものを言うときはどうなるだろうか。
I like soccer the best of all sports.
私はすべてのスポーツの中でサッカーがいちばん好きです。
I like spring the best of all the seasons.
私はすべての季節の中で春がいちばん好きです。
like ... the best は、 「〜がいちばん好きだ」を表す。 教材などでは、 like ... (the) best のように、 the を省略できる形として示されることもある。
好きなものをたずねるときは、 次のように言える。
What sport do you like the best?
あなたは何のスポーツがいちばん好きですか。
— I like soccer the best.
— サッカーがいちばん好きです。
Which season do you like the best?
あなたはどの季節がいちばん好きですか。
— I like spring the best.
— 春がいちばん好きです。
ここで、 What sport は「何のスポーツ」、 Which season は「どの季節」という意味になる。
Which は、 季節のように選択肢の範囲がはっきりしている場面や、 目の前の選択肢から選ぶ場面に特に合いやすい。 What + 名詞 は、 「何の〜」と広くたずねるときに自然である。
ただし、 実際には文脈によって両方が使える場合もある。 中学英語では、 まず次のような基本形を使えるようにしておけばよい。
Which do you like better, A or B?
What sport do you like the best?
Which season do you like the best?
better と the best は、比べる数を見て選ぶ
like ... better と like ... the best の違いは、 何個のものを比べているかを見ると整理しやすい。
I like dogs better than cats.
→ 犬と猫という二つを比べて、犬のほうが好き
I like dogs the best of all animals.
→ 動物全体の中で、犬がいちばん好き
疑問文も同じである。
Which do you like better, dogs or cats?
→ 二つのうち、どちらがより好きか
What animal do you like the best?
→ 動物の中で、何がいちばん好きか
比べる相手が二つ並んでいるのに the best を使ったり、 いちばん好きなものを聞いているのに better を使ったりすると、 文の目的と形が合わなくなる。
まずは、 日本語を英語にするときに、 次の二点を確認しよう。
「AよりBのほうが好き」なら
→ like B better than A
「〜の中でBがいちばん好き」なら
→ like B the best of ...
そして、 質問するときも、 二つから選ばせるのか、 範囲の中のいちばんをたずねるのかを見分ける。
Which do you like better, tea or coffee?
What drink do you like the best?
比較表現は、 形だけを見ると better / best を入れる問題に見える。 しかし実際には、 何と何を比べ、何を聞こうとしているのか を文の中で読み取ることが大切である。