英語の文では、 主語がいつも 何かをする人や物 になるとは限らない。
People speak English in many countries.
多くの国で、人々は英語を話します。
この文では、 People が主語である。 英語を話すのは人々だから、 「する側」が主語になっている。
では、 次の文はどうだろうか。
English is spoken in many countries.
英語は多くの国で話されています。
今度は、 English が主語になっている。 しかし、 英語が誰かを話すわけではない。 英語は、 人々によって 話されるもの である。
このように、 動作をする側ではなく、 動作を受ける側を主語にした文 を、 受け身 または 受動態 という。
受け身を使うと、 「誰がしたのか」よりも、 何がされるのか に目を向けて文を作ることができる。
今回は、 English is spoken in many countries. を入口にして、 受け身の考え方と be動詞 + 過去分詞 という基本の形を整理しよう。
「する側」を主語にする文と、「される側」を主語にする文
まず、 同じ出来事を表す二つの文を比べてみよう。
People speak English in many countries.
多くの国で、人々は英語を話します。
English is spoken in many countries.
英語は多くの国で話されています。
一つ目の文は、 People を主語にしている。 「人々が英語を話す」という、 動作をする人から見た文である。
二つ目の文は、 English を主語にしている。 「英語が多くの国で話される」という、 動作を受けるものから見た文である。
People speak English.
→ English は「話されるもの」
English is spoken.
→ 「話されるもの」を主語にした
ここで大切なのは、 二つの文がまったく別の出来事を表しているわけではない、 ということである。
人々が英語を話すなら、 英語は人々によって話されている。 同じ状況を、 どちらを主語にして伝えるか によって言い方が変わっている。
別の例も見てみよう。
Many students use this room.
多くの生徒がこの部屋を使います。
This room is used by many students.
この部屋は多くの生徒に使われています。
一つ目は生徒の行動を述べる文であり、 二つ目は部屋について述べる文である。 英語の受け身では、 される側について説明したいとき に、 その人や物を主語にして文を始める。
受け身は be動詞 + 過去分詞 で「〜される」を表す
受け身の文では、 動詞をそのまま置くのではなく、 be動詞 + 過去分詞 という形を使う。
English is spoken in many countries.
英語は多くの国で話されています。
この文では、 is が be動詞、 spoken が speak の過去分詞である。
speak - spoke - spoken
話す - 話した - 受け身や完了形で使う形
過去分詞は、 動詞によって形が異なる。 規則的に -ed をつける語もあれば、 特別な形になる語もある。
use - used - used
This room is used by many students.
この部屋は多くの生徒に使われています。
write - wrote - written
This letter is written in English.
この手紙は英語で書かれています。
speak - spoke - spoken
English is spoken in many countries.
英語は多くの国で話されています。
受け身を作るときは、 「される側」を主語にしたうえで、 be動詞 + 過去分詞 を置く。
また、 be動詞は主語に合わせて変わる。 受け身だから常に is になるわけではない。
This book is read by many students.
この本は多くの生徒に読まれています。
These books are read by many students.
これらの本は多くの生徒に読まれています。
I am invited to the party.
私はそのパーティーに招待されています。
主語が単数の This book なら is、 複数の These books なら are、 主語が I なら am を使う。
受け身は新しい文法だが、 be動詞の選び方そのものは、 すでに学んできた I am / he is / they are のルールと同じである。
by ... は「誰によってされるのか」を加える
受け身の文では、 動作をした人を表したいときに、 by ... を使う。
This room is used by many students.
この部屋は多くの生徒によって使われています。
もとの文と比べると、 by の後ろには、 もともと動作をした側が置かれていることが分かる。
Many students use this room.
This room is used by many students.
受け身では、 動作をした人を示す必要があれば、 by ... の形で後ろに加える。
ただし、 受け身の文には、 必ず by ... をつけなければならないわけではない。
English is spoken in many countries.
英語は多くの国で話されています。
この文では、 誰が英語を話すのかは、 あえて書かれていない。 多くの国で話す人々を一人ずつ示す必要はなく、 伝えたい中心は 英語が多くの国で使われていること だからである。
People speak English in many countries.
→ 人々が英語を話すことを述べる
English is spoken in many countries.
→ 英語が広く話されていることを述べる
誰がしたのかが重要でないとき、 すでに分かっているとき、 または広く一般の人が行うことを述べるときには、 by ... を置かずに受け身を使うことが多い。
逆に、 誰がしたのかを伝えることに意味がある場合には、 by ... を加える。
受け身では、何について伝えたいのかを主語にする
受け身を学ぶと、 「能動態の目的語を主語に移して、 be動詞と過去分詞を置く」 という作り方を練習することになる。
もちろん、 文を書き換える問題を解くには、 この手順を正確に使えることが大切である。
しかし、 受け身は単なる語順の入れ替えではない。 文の最初に何を置くかによって、 何について話す文なのか が変わる。
Many people visit this temple every year.
毎年、多くの人々がこの寺を訪れます。
This temple is visited by many people every year.
この寺は毎年、多くの人々に訪れられます。
一つ目の文は、 many people の行動を伝える文である。 二つ目の文は、 this temple がどのような場所なのかを伝える文である。
たとえば、 ある寺を紹介している文章の中であれば、 This temple から始める受け身の文が自然に使いやすい。 話題になっている寺について、 「毎年多くの人に訪れられる」と説明できるからである。
同じように、 英語という言語について説明しているときには、
English is spoken in many countries.
と言えば、 English について、 「多くの国で話されている言語である」 という情報を加えることができる。
受け身の文を作るときは、 まず次の三点を確認するとよい。
1. 動作を受ける人や物を主語にしたいか
2. be動詞を主語に合わせて選べているか
3. 動詞を過去分詞の形にできているか
そして、 誰がしたのかを示す必要があるなら、 by ... を加える。 誰がしたかより、 されるものの説明が中心なら、 by ... を書かないこともある。
主語は、 いつも動作をする人や物ではない。 動作を受けるものを主語にして、 be動詞 + 過去分詞 で表す。
これが、 中3英語で学ぶ 受け身 の基本である。