前回までの記事では、 be動詞 + 過去分詞 を使って、 「〜される」という受け身の文を作ることを見てきた。
English is spoken in many countries.
英語は多くの国で話されています。
Was this picture painted by Picasso?
この絵はピカソによって描かれましたか。
二つ目の文では、 by Picasso によって、 「だれによって描かれたのか」を示している。
しかし、 受け身の文の後ろに置かれる前置詞は、 いつでも by とは限らない。
This desk is made of wood.
この机は木でできています。
Wine is made from grapes.
ワインはぶどうから作られます。
どちらも、 is made という受け身の形を使っている。 ところが、 一方は of、 もう一方は from が続いている。
この違いは、 日本語ではどちらも 「〜でできている」「〜から作られる」 と訳せるため、 丸暗記だけでは混乱しやすい。
今回は、 be made of と be made from を、 受け身の形と材料の見え方の両方から整理しよう。
be made of / from は、何で作られたかを表す受け身である
まず、 make という動詞は、 「〜を作る」を表す。
My father made this desk.
私の父がこの机を作りました。
この文では、 作った人である My father が主語になっている。
では、 机のほうを主語にして、 「この机は作られた」と言うなら、 受け身を使う。
This desk was made by my father.
この机は父によって作られました。
ここで、 by my father は、 机を作った人を示している。
一方、 「だれが作ったか」ではなく、 「何を材料にして作られているか」を述べたいこともある。
This desk is made of wood.
この机は木でできています。
この文で伝えたいのは、 机を作った人ではなく、 机の材料が wood であるということである。
by my father
→ 作った人を示す
of wood / from grapes
→ 材料・原料を示す
また、 This desk is made of wood. は、 今まさに机が作られているという意味ではなく、 「この机は木製である」という、 現在の性質を表している。
受け身の形は、 何かが行われた出来事だけでなく、 その結果として今どのような物であるかを説明するときにも使われる。
したがって、 be made of / be made from は、 be動詞 + made という受け身の形に、 材料を示す前置詞のまとまりが続いた表現だと考えればよい。
be made of は、材料の姿が分かるときに使う
be made of は、 できあがった物を見たときに、 材料が何であるかを捉えやすい場合に使うのが基本である。
This desk is made of wood.
この机は木でできています。
木の机は、 机になった後も、 木の板や木目を見て、 材料が木だと分かる。
そのため、 材料として wood を示すときには、 of を使う。
This chair is made of wood.
この椅子は木でできています。
This ring is made of gold.
この指輪は金でできています。
This bottle is made of glass.
このびんはガラスでできています。
木の椅子なら、 木という材料の姿を残している。 金の指輪なら、 指輪になっても金という材質である。 ガラスのびんなら、 びんになってもガラスでできていることが分かる。
ここで大切なのは、 of = 木・金・ガラスに使う と単語ごとに覚えることではない。
できあがった物を見ても、 材料がそのまま材質として感じられる とき、 made of を使うと考えるのである。
a wooden desk
→ This desk is made of wood.
a gold ring
→ This ring is made of gold.
a glass bottle
→ This bottle is made of glass.
日本語では、 いずれも 「木でできている」 「金でできている」 「ガラスでできている」 と言えばよい。
英語では、 その材料が完成した物の中に材質として残っていると見て、 be made of で表すのである。
be made from は、原料が変化して別の物になったときに使う
一方、 be made from は、 原料が加工され、 できあがった物の中に元の姿がそのまま見えにくい場合に使うのが基本である。
Wine is made from grapes.
ワインはぶどうから作られます。
ワインの中に、 ぶどうが房のまま入っているわけではない。 ぶどうは加工され、 発酵などを経て、 ワインという別のものになる。
このように、 元の原料から変化してできたものを説明するときには、 from を使う。
Cheese is made from milk.
チーズは牛乳から作られます。
Paper is made from wood.
紙は木から作られます。
チーズを見ても、 牛乳がそのままの形で見えるわけではない。 紙を見ても、 木の幹や板の姿がそのまま残っているわけではない。
ここで、 次の二つを比べると違いが分かりやすい。
This desk is made of wood.
この机は木でできています。
Paper is made from wood.
紙は木から作られます。
どちらも、 もとをたどれば wood が関係している。 しかし、 木の机では、 木が材質として分かるため of を使う。
それに対して、 紙は木を加工して作られ、 木の姿から大きく変化しているため、 from を使う。
made of ...
→ 材料が完成品の中にも材質として分かる
made from ...
→ 原料が加工され、別の物になっている
ただし、 現実の物の作り方は複雑であり、 すべてが機械的に一つの規則だけで決まるわけではない。 表現によっては慣用的に使われる形もある。
中学英語の基本としては、 材料の姿が分かるなら of、原料が変化しているなら from という見方を持っておけば、 代表的な文を正しく組み立てられる。
by は作った人、of / from は材料を示す
ここまでの受け身の記事をまとめると、 受け身の後ろに何を加えるかは、 何を伝えたいかによって変わる。
This desk was made by my father.
この机は父によって作られました。
この文では、 「作った人」を伝えたいので、 by を使う。
This desk is made of wood.
この机は木でできています。
この文では、 「材料」を伝えたい。 しかも、 木が材質として分かるので、 of を使う。
Wine is made from grapes.
ワインはぶどうから作られます。
この文も、 伝えたいのは材料・原料である。 ただし、 ぶどうが加工されてワインになっているため、 from を使う。
by + 人・作り手
→ だれによって作られたか
of + 材料
→ 何でできているか。材質が分かる
from + 原料
→ 何から作られるか。原料が変化している
たとえば、 「この椅子は祖父によって作られました」 なら、 作り手を述べるので、
This chair was made by my grandfather.
「この椅子は木でできています」 なら、 見て分かる材質を述べるので、
This chair is made of wood.
「チーズは牛乳から作られます」 なら、 変化した原料を述べるので、
Cheese is made from milk.
このように、 受け身を使うときには、 まず 何を主語にして説明するのか を考える。
そのうえで、 作った人を加えたいなら by、 材料を加えたいなら of または from を選ぶ。
This desk is made of wood. と Wine is made from grapes. は、 どちらも受け身の文である。 しかし、 完成した物の中に材料がどのように残っているかという見方が違うため、 材料を導く前置詞も変わるのである。