塾長ノート

This bag is too heavy for me to carry. はなぜ「重すぎて運べない」になるのか

程度が大きすぎてできないことを、不定詞で続ける

中学2年までに学んだ不定詞では、 to + 動詞の原形 を使って、 「〜すること」や「〜するために」を表してきた。

I want to carry this bag.
私はこのかばんを運びたいです。
I went to the station to meet my friend.
私は友達に会うために駅へ行きました。

中学3年では、 不定詞を使って、 ある物の程度と、 その結果できるかできないかを結びつける表現も学ぶ。

This bag is too heavy for me to carry.
このかばんは、私には重すぎて運べません。

この文には notcannot もない。 それでも日本語では、 「運べない」と訳される。

その鍵になるのが、 too ... to 〜 というまとまりである。

今回は、 too ... to 〜 がどのように 「〜すぎて…できない」 という意味を表すのかを整理しよう。

too ... to 〜 は、「〜すぎて…できない」を表す

まず、 文の中心になる形を確認しよう。

This bag is too heavy to carry.
このかばんは重すぎて運べません。

この文では、 too heavy が 「重すぎる」、 to carry が 「運ぶには」「運ぶことが」という内容を表している。

二つを合わせると、 「運ぶには重すぎる」 となり、 つまり 「重すぎて運べない」 という意味になる。

too + 形容詞 + to + 動詞の原形
→ 〜するには……すぎる
→ ……すぎて〜できない

たとえば、 次のように使える。

This coffee is too hot to drink.
このコーヒーは熱すぎて飲めません。
This question is too difficult to answer.
この問題は難しすぎて答えられません。
The box is too large to carry.
その箱は大きすぎて運べません。

いずれも、 単に 「熱い」「難しい」「大きい」 と述べているだけではない。

その程度が大きすぎるために、 後ろの不定詞で表された行動ができない、 という関係を表している。

不定詞は、 ここでは 「何をするには程度が大きすぎるのか」 を示す働きをしている。

too hot to drink
→ 飲むには熱すぎる

too difficult to answer
→ 答えるには難しすぎる

too large to carry
→ 運ぶには大きすぎる

too ... to 〜 は、 形容詞の程度と不定詞の行動を結びつけ、 「その行動ができないほどの程度である」 ことを表す形なのである。

very heavy と too heavy は同じではない

too を学ぶときに注意したいのは、 very との違いである。

This bag is very heavy.
このかばんはとても重いです。

この文は、 かばんの重さを強く述べている。 しかし、 そのかばんを運べるかどうかまでは示していない。

とても重くても、 力のある人なら運べるかもしれない。

一方、 次の文ではどうだろうか。

This bag is too heavy to carry.
このかばんは重すぎて運べません。

too heavy は、 ただ重さが大きいというだけではなく、 目的にとって重さが大きすぎる ことを表している。

この場合の目的は、 後ろの to carry が示している。 運ぶという行動をするには、 重さが限度を超えているのである。

very heavy
→ とても重い
→ 運べるかどうかは分からない

too heavy to carry
→ 運ぶには重すぎる
→ 運べない

同じように、 次の二文にも違いがある。

The water is very cold.
その水はとても冷たいです。
The water is too cold to swim in.
その水は冷たすぎて泳げません。

一文目は、 水が冷たいという説明である。 二文目は、 泳ぐことを考えると冷たすぎる、 という判断まで含んでいる。

そのため、 too ... to 〜 は、 日本語にすると 「〜すぎて…できない」 のように、 否定の内容を含む訳になる。

ただし、 英文の形としては not を付けるわけではない。

This bag is too heavy to carry.
〇 重すぎて運べません。

This bag is not too heavy to carry.
→ 運べないほど重すぎるわけではありません。

too の中に、 「目的を実行するには度を超えている」 という考え方が入っているため、 そのままで 「できない」という意味につながるのである。

for me は、「誰が運ぶのか」を示す

ここまでの文では、 誰にとって運べないのかを明示していなかった。

This bag is too heavy to carry.
このかばんは重すぎて運べません。

場面によっては、 これだけでも意味は通じる。 しかし、 「私には運べない」と言いたいときには、 不定詞の前に for me を置く。

This bag is too heavy for me to carry.
このかばんは、私には重すぎて運べません。

この for me は、 to carry の動作をする人を示している。

for me to carry
→ 私が運ぶには

for my little brother to carry
→ 私の弟が運ぶには

たとえば、 同じかばんでも、 人によって運べるかどうかは変わる。

This bag is too heavy for my little brother to carry.
このかばんは、私の弟には重すぎて運べません。
This English book is too difficult for me to read.
この英語の本は、私には難しすぎて読めません。
This river is too dangerous for children to swim in.
この川は、子どもたちが泳ぐには危険すぎます。

ここでの for + 人 + to + 動詞の原形 は、 以前学んだ次の形と同じ考え方である。

It is important for us to study English.
私たちが英語を勉強することは大切です。

この文でも、 for us は 「勉強する人」を示している。

It is important for us to study English.
→ 私たちが勉強する

This bag is too heavy for me to carry.
→ 私が運ぶ

文全体の意味は違っても、 for + 人 が不定詞の動作をする人を示す点は共通している。

また、 swim in the river のように、 もとの動詞と前置詞がまとまりになっている場合は、 前置詞を落とさないようにする。

The river is too dangerous for children to swim in.
子どもたちがその川で泳ぐには危険すぎます。

swim in the riverthe river が文の主語になっているため、 不定詞の側には in が残るのである。

日本語の「〜すぎてできない」を、英語の順序で組み立てる

日本語では、 「この問題は難しすぎて私には解けない」 のように、 できないことを直接述べることが多い。

英語の too ... to 〜 では、 次の順序で考えると組み立てやすい。

1. 主語となる物を置く
2. be動詞の後ろに too + 形容詞を置く
3. 必要なら for + 人 で、行動する人を示す
4. to + 動詞の原形で、できない行動を示す

「この問題は私には難しすぎて解けません」なら、 まず主語は This question である。

This question / is / too difficult / for me / to answer.
この問題は / です / 難しすぎる / 私が / 答えるには

英文にすると、 次の形になる。

This question is too difficult for me to answer.
この問題は、私には難しすぎて答えられません。

「このお茶は熱すぎて飲めません」なら、

This tea is too hot to drink.
このお茶は熱すぎて飲めません。

「この靴は私には小さすぎて履けません」なら、

These shoes are too small for me to wear.
この靴は、私には小さすぎて履けません。

このとき、 too の後ろには、 heavy / difficult / hot / small のような形容詞を置く。

そして、 to carry / to answer / to drink / to wear の部分で、 その程度のためにできない行動を示す。

too heavy to carry
→ 運ぶには重すぎる

too difficult to answer
→ 答えるには難しすぎる

too hot to drink
→ 飲むには熱すぎる

この表現を理解すると、 too を単に 「とても」 と訳してしまう間違いを防げる。

very は程度を強める語である。 それに対して too ... to 〜 は、 ある行動をするには程度が大きすぎて、 その行動ができないことを表す。

次に学ぶ 形容詞 + enough to 〜 は、 反対に、 「〜するのに十分……だ」 と、 できる側の程度を表す形である。

まずは、 too ... to 〜 を見たら、 「何をするには、何が大きすぎるのか」 を考えるようにしよう。 不定詞が、 できない行動の内容を示していることが見えれば、 文全体の意味を自然につかめるようになる。

学習塾Study+から

学習塾Study+では、too ... to 〜 を「〜すぎて…できない」という訳だけで覚えるのではなく、 何をするには程度が大きすぎるのかを考えて整理します。 very heavy と too heavy to carry の違いが分かると、 不定詞を使った文を意味から組み立てやすくなります。

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