塾長ノート

This box is light enough for me to carry. はなぜ「運べるほど軽い」になるのか

行動できるだけの程度があることを、不定詞で続ける

前回は、 too ... to 〜 という形を使って、 「〜すぎて…できない」 という意味を表せることを確認した。

This bag is too heavy for me to carry.
このかばんは、私には重すぎて運べません。

では、 反対に、 「私が運べるくらい軽い」 と言いたいときは、 どのように表せばよいだろうか。

This box is light enough for me to carry.
この箱は、私が運べるほど十分に軽いです。

この文で使われているのが、 形容詞 + enough to 〜 という形である。

enough は、 「十分に」「必要なだけ」 という意味を表す。 そのため、 light enough to carry は、 「運ぶことができるくらい、十分に軽い」 という意味になる。

今回は、 形容詞 + enough to 〜 の形と、 前回の too ... to 〜 との違いを整理しよう。

形容詞 + enough to 〜 は、「〜できるほど十分に……だ」を表す

まず、 文の中心になる形を確認しよう。

This box is light enough to carry.
この箱は、運べるほど十分に軽いです。

この文では、 light が 「軽い」、 enough が 「十分に」、 to carry が 「運ぶことができる程度」を示している。

箱がただ軽いだけではなく、 運ぶという行動をするために必要な軽さに達している。 そのため、 「運べるほど軽い」 という意味になる。

形容詞 + enough + to + 動詞の原形
→ 〜するのに十分……だ
→ 〜できるほど……だ

たとえば、 次のように使える。

This book is easy enough to read.
この本は、読めるほど十分にやさしいです。
Ken is tall enough to reach the shelf.
健は、その棚に手が届くほど十分に背が高いです。
She is old enough to travel alone.
彼女は、一人で旅行できるほど十分な年齢です。

いずれも、 形容詞が表す程度が、 後ろの不定詞で示された行動をするために 十分である ことを表している。

easy enough to read
→ 読めるほどやさしい

tall enough to reach the shelf
→ 棚に手が届くほど背が高い

old enough to travel alone
→ 一人で旅行できるほど年齢が上である

このときの不定詞は、 「何をするのに十分な程度なのか」 を示している。

形容詞 + enough to 〜 は、 行動に必要な条件を満たしていることを、 程度と不定詞を結びつけて表す形なのである。

enough は、形容詞の後ろに置く

enough を使うときは、 置く位置にも注意が必要である。

日本語では、 「十分に軽い」 のように、 「十分に」が形容詞の前に来る。 そのため、 英語でも enough light としたくなるかもしれない。

しかし、 形容詞の程度を表す enough は、 形容詞の後ろに置く。

light enough to carry
→ 運べるほど十分に軽い

easy enough to understand
→ 理解できるほど十分にやさしい

warm enough to swim
→ 泳げるほど十分に暖かい

したがって、 「この箱は私が運べるほど軽い」は、 次のように組み立てる。

This box is light enough for me to carry.
〇 この箱は、私が運べるほど十分に軽いです。

形容詞を使う場合は、 次の語順になる。

light enough
tall enough
old enough
easy enough

一方、 enough が名詞の量を表すときは、 名詞の前に置く。

I have enough time to finish my homework.
私には宿題を終えるのに十分な時間があります。
We have enough food for everyone.
私たちには全員分の十分な食べ物があります。

ここでは、 timefood という名詞の量を示しているため、 enough + 名詞 の順になる。

形容詞の場合:light enough
→ 十分に軽い

名詞の場合:enough time
→ 十分な時間

中学英語でまず確実にしたいのは、 形容詞 + enough to 〜 の語順である。

「十分に簡単だから理解できる」なら easy enough to understand、 「十分に軽いから運べる」なら light enough to carry と、 形容詞の後ろに enough を置くことを意識しよう。

too ... to 〜 と enough to 〜 は、限度の反対側を表す

前回学んだ too ... to 〜 と、 今回の 形容詞 + enough to 〜 は、 どちらも程度と行動を結びつける表現である。

ただし、 表している方向は反対である。

This bag is too heavy for me to carry.
このかばんは、私には重すぎて運べません。
This box is light enough for me to carry.
この箱は、私が運べるほど十分に軽いです。

一文目では、 重さが限度を超えているため、 私は運ぶことができない。

二文目では、 運ぶために必要な軽さを満たしているため、 私は運ぶことができる。

too heavy to carry
→ 運ぶには重すぎる
→ 運べない

light enough to carry
→ 運ぶのに十分軽い
→ 運べる

もう一つ比べてみよう。

This question is too difficult for me to answer.
この問題は、私には難しすぎて答えられません。
This question is easy enough for me to answer.
この問題は、私が答えられるほど十分にやさしいです。

too difficult では、 答えるための限度を超えて難しい。 easy enough では、 答えるために必要なやさしさがある。

また、 同じ形容詞を使って、 否定を加えて表すこともできる。

This bag is not light enough for me to carry.
このかばんは、私が運べるほど軽くありません。
つまり、私には運べません。

not light enough は、 運ぶために必要な軽さに達していない、 という意味である。

too heavy to carry
→ 重すぎて運べない

not light enough to carry
→ 運べるほど軽くない
→ 運べない

二つの表現は、 同じ状況を異なる向きから説明することがある。 しかし、 まずは次の基本をつかむことが大切である。

too ... to 〜
→ 程度が大きすぎて、できない

... enough to 〜
→ 必要な程度に達していて、できる

「できない側」を見るか、 「できる側」を見るかで、 使う表現を選べるようにしよう。

for me を加えて、「誰ができるのか」を示す

形容詞 + enough to 〜 では、 誰がその行動をするのかを示すために、 for + 人 を加えることができる。

This box is light enough for me to carry.
この箱は、私が運べるほど十分に軽いです。

この for me は、 to carry の動作をする人を示している。

for me to carry
→ 私が運ぶには

for children to understand
→ 子どもたちが理解するには

for Ken to reach
→ 健が手を届かせるには

たとえば、 次のように使える。

This story is easy enough for children to understand.
この物語は、子どもたちが理解できるほど十分にやさしいです。
The shelf is low enough for Ken to reach.
その棚は、健が手を届かせられるほど十分に低いです。
This room is large enough for us to practice in.
この部屋は、私たちが中で練習できるほど十分に広いです。

最後の文では、 practice in the room というまとまりを考える。 the room が文の主語として前に出ているため、 不定詞の部分には in が残る。

We practice in this room.
私たちはこの部屋で練習します。

This room is large enough for us to practice in.
この部屋は、私たちが中で練習できるほど十分に広いです。

これは、 以前学んだ I need a chair to sit on. や、 前回の too dangerous for children to swim in と同じ考え方である。

日本語から英文を作るときは、 次の順序で考えるとよい。

1. 何が十分な程度なのかを主語にする
2. be動詞の後ろに形容詞 + enough を置く
3. 必要なら for + 人 で、行動する人を示す
4. to + 動詞の原形で、できる行動を示す

「この箱は私が運べるほど軽い」なら、

This box / is / light enough / for me / to carry.
この箱は / です / 十分に軽い / 私が / 運ぶには

そして、 完成した英文は次のようになる。

This box is light enough for me to carry.
この箱は、私が運べるほど十分に軽いです。

enough は、 単に「十分に」という訳語を覚えるだけでは不十分である。 何かをするために必要な程度に達している、 という考え方をつかむことが大切である。

too ... to 〜 が 「できないほど度を超えている」 ことを表すのに対し、 形容詞 + enough to 〜 は 「できるだけの程度がある」 ことを表す。

次は、 ask / tell / want + 人 + to 〜 のように、 人にしてほしい行動や、 人にするように伝える内容を、 不定詞で表す形へ進もう。

学習塾Study+から

学習塾Study+では、too ... to と enough to を訳だけで覚えるのではなく、 「行動できないほど限度を超えている」のか、「行動できるだけの程度に達している」のかを比べながら整理します。 形と意味の向きが分かると、英作文でも表現を選びやすくなります。

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