中学2年までに学んだ不定詞では、 want to 〜 を使って、 「〜したい」 という自分の希望を表すことができた。
I want to help you.
私はあなたを手伝いたいです。
この文で、 実際に help するのは I である。 私が、あなたを手伝いたいと思っている。
では、 「私は、あなたに私を手伝ってほしい」 と言いたいときは、 どのように表せばよいだろうか。
I want you to help me.
私は、あなたに私を手伝ってほしいです。
この文では、 want のあとに you が置かれ、 そのあとに to help me が続いている。
I want to help you. では、 手伝うのは I だった。 しかし、 I want you to help me. では、 手伝うのは you である。
今回は、 want + 人 + to 〜 という形を使って、 「誰に何をしてほしいのか」 を英語で表す方法を整理しよう。
want + 人 + to 〜 は、「人に〜してほしい」を表す
まず、 文の中心になる形を確認しよう。
I want you to help me.
私は、あなたに私を手伝ってほしいです。
この文は、 次のようなまとまりで考えることができる。
I / want / you / to help me.
私は / 望む / あなたが / 私を手伝うことを。
日本語として自然に訳すと、 「私は、あなたに私を手伝ってほしいです」 となる。
want は、 「欲しい」「望む」 という意味を持つ動詞である。 そのあとに 人 + to 〜 を置くと、 その人がする行動を望んでいることを表せる。
I want Ken to join our team.
私は、健に私たちのチームに入ってほしいです。
My mother wants me to clean my room.
母は、私に自分の部屋を掃除してほしいと思っています。
We want you to come to the party.
私たちは、あなたにパーティーに来てほしいです。
どの文でも、 want のあとに置かれた人が、 その後ろの不定詞の行動をする。
want Ken to join
→ 入るのは Ken
wants me to clean
→ 掃除するのは me、つまり私
want you to come
→ 来るのは you
to join / to clean / to come は、 ただ「〜すること」を示しているだけではない。 その直前にある人と結びついて、 その人がする行動 を表しているのである。
I want to help you. と I want you to help me. では、行動する人が違う
want to 〜 と want + 人 + to 〜 は、 見た目がよく似ている。 しかし、 不定詞の行動をする人が違う。
I want to help you.
私はあなたを手伝いたいです。
この文では、 want の主語である I が、 help する人である。
I want you to help me.
私は、あなたに私を手伝ってほしいです。
こちらでは、 want のあとに you が入っている。 そのため、 help する人は you になる。
I want to help you.
→ 手伝うのは I
I want you to help me.
→ 手伝うのは you
同じ違いは、 ほかの動詞でも確認できる。
Tom wants to use this computer.
トムは、このコンピューターを使いたいと思っています。
→ 使うのは Tom
Tom wants his sister to use this computer.
トムは、妹にこのコンピューターを使ってほしいと思っています。
→ 使うのは his sister
日本語では、 「私は〜したい」 と 「私は人に〜してほしい」 の違いが、 「したい」「してほしい」 の形に表れる。
英語では、 want のあとに 行動する人 を入れるかどうかで、 その違いを表している。
want to 〜
→ 主語自身が〜したい
want + 人 + to 〜
→ その人に〜してほしい
不定詞を見たときは、 「to の後ろの動詞は、誰がするのか」 を確かめると、 文の意味を取り違えにくくなる。
人の位置には、me / him / her / us / them を置く
want + 人 + to 〜 の「人」の位置には、 名前だけでなく、 me / him / her / us / them のような語も置くことができる。
My father wants me to study English.
父は、私に英語を勉強してほしいと思っています。
I want him to read this book.
私は、彼にこの本を読んでほしいです。
She wants us to wait here.
彼女は、私たちにここで待ってほしいと思っています。
ここで注意したいのは、 I / he / she / we / they ではなく、 me / him / her / us / them を使うことである。
My father wants me to study English.
○ 父は、私に英語を勉強してほしいと思っています。
My father wants I to study English.
× この位置に I は置かない
I は、 「私が〜する」 と文の主語になるときに使う形である。
I study English every day.
私は毎日英語を勉強します。
一方、 me は、 動詞のあとで 「私を」「私に」 にあたる位置に置かれる形である。
My father wants me to study English.
父は、私に英語を勉強してほしいと思っています。
日本語では、 この me は 「私に」 と訳される。 しかし、 英語の形としては、 want のあとに置かれる人なので、 me という形になる。
want me to study
→ 私に勉強してほしい
want him to read
→ 彼に読んでほしい
want them to come
→ 彼らに来てほしい
to 〜 の行動をする人を入れるときは、 「誰がするのか」だけでなく、 英語ではどの形で置くのか にも注意しよう。
want は「してほしいという希望」を表し、依頼の言い方とは区別する
I want you to help me. は、 日本語では 「あなたに手伝ってほしいです」 と訳される。
ただし、 この文の中心は、 あくまで 私がそのことを望んでいる という内容である。
I want you to help me.
私は、あなたに私を手伝ってほしいです。
相手にその場で丁寧に依頼するなら、 すでに学んだ Could you ...? のような言い方を使うことができる。
Could you help me?
私を手伝っていただけますか。
I want you to help me.
→ 手伝ってほしいという自分の希望を述べる
Could you help me?
→ 相手に手伝ってくれるよう依頼する
文法問題では、 どちらも 「手伝ってほしい」 に近い日本語で現れることがある。 しかし、 文の作り方と働きは同じではない。
want + 人 + to 〜 の文を作るときは、 次の順序で考えるとよい。
1. 誰が望んでいるのかを主語にする
2. want を置く
3. 誰にしてほしいのかを置く
4. 何をしてほしいのかを to + 動詞の原形で続ける
たとえば、 「私は、彼女にこの歌を歌ってほしい」 と言いたいなら、
I want her to sing this song.
「先生は、私たちに英語を話してほしいと思っている」 なら、
Our teacher wants us to speak English.
want to 〜 では、 主語自身がその行動をしたい。 want + 人 + to 〜 では、 主語が別の人にその行動をしてほしいと思っている。
このように、 人の後ろに不定詞を続けることで、 英語では 誰が何をすることを望んでいるのか を一つの文の中で表すことができる。
次は、 同じように 人 + to 〜 を後ろに置く tell や ask を取り上げ、 「してほしい」という希望と、 「するように言う・頼む」という働きの違いを整理しよう。