前回は、 want + 人 + to 〜 を使って、 「人に〜してほしい」 と表す形を確認した。
I want you to help me.
私はあなたに私を手伝ってほしいです。
この文では、 to help の行動をする人は you である。
中学3年では、 同じように 人 + to 〜 を後ろに続けながら、 別の意味を表す動詞を学ぶ。
She told me to open the window.
彼女は私に窓を開けるように言いました。
She asked me to open the window.
彼女は私に窓を開けるように頼みました。
二つの文では、 どちらも me が窓を開ける。 しかし、 told と asked によって、 話し手と相手との関わり方が変わる。
tell + 人 + to 〜 は、 人に〜するように言う形である。 ask + 人 + to 〜 は、 人に〜するように頼む形である。
今回は、 tell / ask + 人 + to 〜 の組み立てを、 すでに学んだ want + 人 + to 〜 と比べながら整理しよう。
tell + 人 + to 〜 は、「人に〜するように言う」を表す
まず、 tell を使った文を見てみよう。
My mother told me to clean my room.
母は私に部屋を掃除するように言いました。
この文では、 母が部屋を掃除するのではない。 部屋を掃除するのは、 me で表された「私」である。
My mother / told / me / to clean my room.
母は / 言った / 私に / 部屋を掃除するように
tell は、 もともと 「伝える」「言う」 という意味の動詞である。 その後ろに 人 + to 〜 を置くと、 その人にある行動をするように伝える意味になる。
Our teacher told us to read the book.
私たちの先生は、私たちにその本を読むように言いました。
My father told me to come home early.
父は私に早く帰宅するように言いました。
The doctor told him to take a rest.
医師は彼に休息を取るように言いました。
いずれの文でも、 to の後ろにある動作をするのは、 told のすぐ後ろに置かれた人である。
told us to read
→ 読むのは私たち
told me to come
→ 帰るのは私
told him to take a rest
→ 休むのは彼
ここで、 日本語の「言う」だけに引っ張られて、 said me to clean のようにはしない。 「人に〜するように言う」では、 中学英語ではまず tell + 人 + to 〜 の形を使えるようにすることが大切である。
また、 tell は必ずしも強い命令だけを表すわけではない。 親や先生の指示、 医師の助言、 あるいは人に伝えた内容など、 文脈に応じて日本語訳は変わる。
ただし基本としては、 相手にその行動をするように伝える 形だと押さえておけばよい。
ask + 人 + to 〜 は、「人に〜するように頼む」を表す
次に、 ask を使った文を見てみよう。
I asked Ken to help me.
私は健に私を手伝ってくれるように頼みました。
この文で、 実際に help するのは Ken である。 私は健に、 その行動をしてくれるように頼んでいる。
I / asked / Ken / to help me.
私は / 頼んだ / 健に / 私を手伝うように
ask には、 「質問する」 という意味もある。
I asked a question.
私は質問をしました。
しかし、 ask + 人 + to 〜 の形では、 「人に〜するように頼む」 という意味になる。
I asked my sister to use her computer.
私は姉に彼女のコンピューターを使わせてくれるよう頼みました。
We asked Mr. Brown to speak slowly.
私たちはブラウン先生にゆっくり話してくれるよう頼みました。
Ken asked me to wait for him.
健は私に彼を待ってくれるよう頼みました。
tell と ask は、 後ろの形がよく似ている。
She told me to open the window.
→ 私に窓を開けるように言った
She asked me to open the window.
→ 私に窓を開けるように頼んだ
どちらの文でも、 窓を開けるのは me である。 違うのは、 tell が相手に行動を伝える・指示する側に重心があり、 ask が相手にその行動をお願いする側に重心があることである。
たとえば、 教室で先生が生徒に指示を出した場面なら、 tell が合いやすい。 友達に手伝いをお願いした場面なら、 ask が合いやすい。
日本語では、 どちらも文脈によって 「〜するように言う」 と訳せることがある。 しかし英作文では、 指示・伝達なのか、依頼なのか を考えて動詞を選ぶ必要がある。
want / tell / ask は、同じ形でも意味の中心が変わる
ここまでで、 中学3年で学ぶ不定詞の形が、 前回からつながっていることが分かる。
I want you to help me.
私はあなたに私を手伝ってほしいです。
I told you to help me.
私はあなたに私を手伝うように言いました。
I asked you to help me.
私はあなたに私を手伝うように頼みました。
三つの文で、 you to help me の部分は共通している。 どの文でも、 私を手伝うのは you である。
しかし、 最初の動詞が変わると、 文全体で表すことが変わる。
want + 人 + to 〜
→ 人に〜してほしいと思う
tell + 人 + to 〜
→ 人に〜するように言う・伝える
ask + 人 + to 〜
→ 人に〜するように頼む
want は、 自分の希望を述べる形である。 それに対して、 tell と ask は、 実際に相手へ言葉を向けたことを表す。
I want Tom to join us.
私はトムに私たちへ加わってほしいです。
I told Tom to join us.
私はトムに私たちへ加わるように言いました。
I asked Tom to join us.
私はトムに私たちへ加わるように頼みました。
また、 人 の位置に代名詞を置くときは、 前回確認したように、 me / you / him / her / us / them の形を使う。
She told him to sit down.
彼女は彼に座るように言いました。
He asked her to help him.
彼は彼女に彼を手伝うよう頼みました。
Our teacher told us to be quiet.
私たちの先生は私たちに静かにするように言いました。
he や she は、 文の主語になる形である。 動詞の後ろで 「誰に」 を表すときは、 him や her を使う。
英文が長く見えても、 まず 誰が、誰に、何をするように言った・頼んだのか を区切って読めばよい。
「〜しないように言う・頼む」は not to 〜 で表す
最後に、 行動をするように言うのではなく、 その行動をしないように言う・頼む 場合を確認しよう。
My mother told me not to stay up late.
母は私に夜更かしをしないように言いました。
この文では、 to stay の前に not が置かれている。
to stay up late
→ 夜更かしをすること
not to stay up late
→ 夜更かしをしないこと
したがって、 tell + 人 + not to 〜 で、 「人に〜しないように言う」 を表すことができる。
The teacher told us not to run in the hall.
先生は私たちに廊下を走らないように言いました。
My father told me not to use his computer.
父は私に彼のコンピューターを使わないように言いました。
ask でも同じように、 ask + 人 + not to 〜 の形を作ることができる。
I asked my brother not to make noise.
私は弟に音を立てないように頼みました。
She asked me not to tell anyone.
彼女は私に誰にも言わないように頼みました。
ここで、 don't to run や to don't run のようにはしない。 不定詞の内容を否定するときは、 not to + 動詞の原形 の順に置く。
told me to open the window
→ 窓を開けるように言った
told me not to open the window
→ 窓を開けないように言った
want / tell / ask + 人 + to 〜 は、 長く見える表現だが、 中心の仕組みは共通している。 人 が、 to の後ろの行動をするのである。
そのうえで、 want なら希望、 tell なら指示・伝達、 ask なら依頼というように、 最初の動詞が関係の違いを示す。
次は、 make / let / have のように、 人に何かをさせるときに to を置かない形へ進む。 今回の形と比べることで、 不定詞の発展をさらに整理しやすくなる。