塾長ノート

My mother made me clean my room. はなぜ to clean ではないのか

相手に行動をさせるとき、make の後ろでは動詞の原形を使う

これまで、 人の後ろに to + 動詞の原形 を置く文を確認してきた。

I want you to help me.
私はあなたに私を手伝ってほしいです。

She told me to open the window.
彼女は私に窓を開けるように言いました。

She asked me to open the window.
彼女は私に窓を開けるように頼みました。

どの文でも、 you / me が、 その後ろの行動をする人である。

ところが、 次の文では、 人の後ろに to が置かれていない。

My mother made me clean my room.
母は私に自分の部屋を掃除させました。

この文でも、 部屋を掃除するのは me である。 しかし、 me to clean ではなく、 me clean となっている。

make には、 make + 人 + 動詞の原形 で、 「人に〜させる」 を表す使い方がある。 このとき、 後ろの動詞の前に to は置かない。

今回は、 make + 人 + 動詞の原形 の組み立てを、 直前に学んだ want / tell / ask + 人 + to 〜 と比べながら整理しよう。

make + 人 + 動詞の原形 は、「人に〜させる」を表す

まず、 make を使った文の形を確認しよう。

My mother made me clean my room.
母は私に自分の部屋を掃除させました。

この文は、 次のように分けて考えられる。

My mother / made / me / clean my room.
母は / させた / 私に / 自分の部屋を掃除することを

My mother は、 行動をさせた人である。 me は、 実際に部屋を掃除した人である。

つまり、 make の後ろでは、 まず 誰に 行動をさせるのかを置き、 その後ろに 何をさせるのか を表す動詞を置く。

make + 人 + 動詞の原形
→ 人に〜させる

例文を増やして確認しよう。

The teacher made us read the book.
先生は私たちにその本を読ませました。
My father made me wash the car.
父は私に車を洗わせました。
The coach made the players run around the park.
コーチは選手たちに公園の周りを走らせました。

それぞれ、 実際に行動をする人は、 us / me / the players である。

made us read
→ 読むのは us

made me wash
→ 洗うのは me

made the players run
→ 走るのは the players

make は、 主語自身がその行動をすることを表すのではない。 主語が、 別の人にその行動を起こさせることを表しているのである。

want / tell / ask と違い、make の後ろには to を置かない

ここで、 直前に学んだ文と比べてみよう。

I want you to clean your room.
私はあなたに自分の部屋を掃除してほしいです。

I told you to clean your room.
私はあなたに自分の部屋を掃除するように言いました。

I made you clean your room.
私はあなたに自分の部屋を掃除させました。

三つの文では、 いずれも部屋を掃除するのは you である。

しかし、 動詞の形には大きな違いがある。

want + 人 + to clean
→ 人に掃除してほしい

tell + 人 + to clean
→ 人に掃除するように言う

make + 人 + clean
→ 人に掃除させる

want / tell / ask では、 人の後ろに to + 動詞の原形 が続く。

一方、 make で「人に〜させる」と表すときは、 人の後ろに 動詞の原形 をそのまま置く。

○ My mother made me clean my room.
× My mother made me to clean my room.

日本語では、 「掃除してほしい」 「掃除するように言う」 「掃除させる」 のどれも、 相手が掃除する内容を含む。

そのため、 英作文では、 ついすべてを 人 + to clean で作りたくなるかもしれない。

しかし英語では、 最初に使う動詞によって、後ろの形が決まる。 `make` を使って「〜させる」と言うなら、 to を置かず、動詞の原形 と覚える必要がある。

made になっても、後ろの動詞は原形のまま置く

もう一つ注意したいのは、 make の時制が変わったときである。

My mother makes me clean my room every Sunday.
母は毎週日曜日に私に自分の部屋を掃除させます。
My mother made me clean my room yesterday.
母は昨日、私に自分の部屋を掃除させました。

現在のことなら、 主語が My mother なので、 makes になる。

過去のことなら、 made になる。

しかし、 後ろの clean は変わらない。

My mother makes me clean my room.

My mother made me clean my room.

時制を表しているのは、 文の中心の動詞である make / makes / made の部分である。

clean は、 me にさせる行動の内容を表しているため、 ここでは動詞の原形のまま置く。

疑問文や否定文でも、 同じ考え方で組み立てられる。

Did your mother make you clean your room?
あなたのお母さんは、あなたに自分の部屋を掃除させましたか。

My mother did not make me clean my room.
母は私に自分の部屋を掃除させませんでした。

疑問文や否定文では、 過去を示す働きを Did / did not が担うため、 made ではなく make を使う。

○ Did your mother make you clean your room?
× Did your mother made you clean your room?

そして、 make の後ろは、 やはり you clean であり、 you to clean にはならない。

make は、相手に行動を起こさせる場面で使う

最後に、 want / tell / ask / make の意味の違いを整理しよう。

I want you to study.
私はあなたに勉強してほしいです。

I tell you to study.
私はあなたに勉強するように言います。

I ask you to study.
私はあなたに勉強するように頼みます。

I make you study.
私はあなたに勉強させます。

want は、 話し手がそうしてほしいと望んでいることを表す。

tell は、 相手にその行動をするように言うことを表す。 ask は、 相手にその行動を頼むことを表す。

それに対して、 make は、 相手が実際にその行動をするようにさせることを表す。 相手に命じたり、 状況によってそうせざるを得なくしたりする場面で使われる。

The heavy rain made us stay home.
激しい雨のため、私たちは家にいなければなりませんでした。

この文では、 雨が私たちに命令したわけではない。 激しい雨という状況によって、 私たちは家にいることになった。

このように、 make + 人 + 動詞の原形 は、 人が別の人に命令して行動させる場面だけでなく、 ある出来事や状況が人に行動を起こさせる場面にも使える。

文を作るときは、 次の順序で考えるとよい。

1. 誰が、行動をさせるのかを主語に置く
2. make / makes / made を時制に合わせて選ぶ
3. 誰にさせるのかを置く
4. 何をさせるのかを、動詞の原形で置く
The teacher / made / us / practice English.
先生は / させた / 私たちに / 英語を練習することを

The teacher made us practice English.
先生は私たちに英語を練習させました。

want / tell / ask + 人 + to 〜 を学んだ後では、 「人の後ろには to を置く」 と考えたくなる。

しかし、 make を使う文では、 make + 人 + 動詞の原形 という別の形を使う。

この違いを理解しておくと、 「人に〜してほしい」 「人に〜するように頼む」 「人に〜させる」 を、 英語で正確に言い分けられるようになる。

学習塾Study+から

学習塾Study+では、make + 人 + 動詞の原形を単なる語順として暗記するのではなく、 誰が行動をさせ、誰が実際にその行動をするのかを確認しながら整理します。 want / tell / ask の後ろでは to が必要なのに、make の後ろでは to を置かないという違いを比較すると、長い文でも形を選びやすくなります。

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