前回は、 make + 人 + 動詞の原形 という形を確認した。
My mother made me clean my room.
母は私に自分の部屋を掃除させました。
この文では、 母が私に掃除をさせている。 私は、 自分の意思だけで掃除をしたというより、 母によってその行動をすることになっている。
では、 次の文はどうだろうか。
My father let me use his computer.
父は私に自分のコンピュータを使わせてくれました。
この文でも、 me の後ろには use という動詞の原形が続いている。 to use ではない。
しかし、 let の意味は make と同じではない。
make me clean my room
→ 私に部屋を掃除させる
let me use his computer
→ 私がコンピュータを使うことを許す/使わせてくれる
make は、 相手に行動をさせることを表す。 それに対して、 let は、 相手がしたい行動をすることを 許す という意味を表す。
今回は、 let + 人 + 動詞の原形 の形と、 make との意味の違いを整理しよう。
let + 人 + 動詞の原形 は、「人が〜することを許す」を表す
まず、 文の形を確認しよう。
My father let me use his computer.
父は私に自分のコンピュータを使わせてくれました。
この文は、 次のように分けて考えられる。
My father / let / me / use his computer.
父は / 許した / 私が / 自分のコンピュータを使うことを
実際にコンピュータを使うのは、 my father ではなく me である。
let の後ろに置かれた人が、 その次の動詞の表す行動をする。
She let her brother play the game.
彼女は弟にそのゲームをさせてあげました。
Our teacher let us use dictionaries.
先生は私たちに辞書を使わせてくれました。
My parents let me stay up late.
両親は私が遅くまで起きていることを許してくれました。
それぞれの文で、 行動をする人を確認すると、 形が見えやすい。
her brother → play the game
us → use dictionaries
me → stay up late
したがって、 let + 人 + 動詞の原形 は、 「人が〜することを許す」 「人に〜させてあげる」 という形として理解できる。
日本語では、 make も let も、 文によっては 「〜させる」 と訳されることがある。
だからこそ、 日本語訳だけで区別するのではなく、 無理にさせるのか、することを許すのか という違いを見ることが大切である。
make は「させる」、let は「することを許す」
make と let は、 どちらも後ろに 人 + 動詞の原形 を置く。
My mother made me clean my room.
母は私に自分の部屋を掃除させました。
My father let me use his computer.
父は私に自分のコンピュータを使わせてくれました。
形だけを見ると、 よく似ている。
make + 人 + 動詞の原形
let + 人 + 動詞の原形
しかし、 文が表している関係は異なる。
My mother made me clean my room.
→ 私は掃除をするように働きかけられた。
My father let me use his computer.
→ 私はコンピュータを使うことを許された。
たとえば、 ゲームをしたい子どもについて考えてみよう。
My father let me play the game.
父は私にそのゲームをさせてくれました。
この場合、 ゲームをしたいのは私であり、 父はそれを許している。
一方、 練習をしたくない生徒に先生が練習をさせたなら、 次のように言える。
The teacher made us practice after school.
先生は私たちに放課後練習をさせました。
この場合は、 先生の働きかけによって、 私たちが練習をすることになっている。
let someone do
→ その人がすることを許す
make someone do
→ その人にさせる/その人がするようにさせる
もちろん、 実際の場面では、 強制の程度や話し手の気持ちは状況によって変わる。 しかし中学英語では、 let は許可、make は行動をさせる働きかけ という違いをまず押さえるとよい。
let の後ろにも to は置かず、動詞の原形を置く
これまで学んだ want / tell / ask では、 人の後ろに to + 動詞の原形 を置いた。
I want you to help me.
私はあなたに私を手伝ってほしいです。
She told me to open the window.
彼女は私に窓を開けるように言いました。
She asked me to open the window.
彼女は私に窓を開けるように頼みました。
しかし、 let の後ろでは、 to を置かない。
My father let me use his computer.
○ let me use
× let me to use
make と同じように、 let も、 後ろに人を置いたあと、 動詞の原形をそのまま続ける動詞である。
My mother made me clean my room.
→ make + 人 + 動詞の原形
My father let me use his computer.
→ let + 人 + 動詞の原形
また、 let の後ろに置く人称代名詞は、 me / him / her / us / them の形を使う。
Let me try.
私にやらせてください。
Please let him speak.
彼に話させてください。
Our teacher let us leave early.
先生は私たちが早く帰ることを許してくれました。
特に、 Let me try. は、 「私にやらせて」 「私に試させて」 という場面で使える基本表現である。
形を並べると、 次のように整理できる。
want + 人 + to do
tell + 人 + to do
ask + 人 + to do
make + 人 + do
let + 人 + do
同じように人の行動を続ける文でも、 どの動詞を使うかによって、 to が必要かどうかが変わる。 ここは、 意味と形をセットで整理しておきたい。
let は過去でも let のまま、否定文では didn't let を使う
let を使うときには、 過去の形にも注意が必要である。
make は、 過去形になると made に変わった。
My mother makes me clean my room.
母は私に自分の部屋を掃除させます。
My mother made me clean my room yesterday.
母は昨日、私に自分の部屋を掃除させました。
それに対して、 let の過去形は、 形が変わらず let である。
My father lets me use his computer.
父は私に自分のコンピュータを使わせてくれます。
My father let me use his computer yesterday.
父は昨日、私に自分のコンピュータを使わせてくれました。
現在の文で主語が my father のような三人称単数なら、 lets になる。 一方、 過去の文では、 主語に関係なく let を使う。
現在:He lets me play outside.
過去:He let me play outside yesterday.
また、 「〜することを許さなかった」 と言いたいときは、 didn't let + 人 + 動詞の原形 を使う。
My mother didn't let me go out last night.
母は昨夜、私が外出することを許してくれませんでした。
The teacher didn't let us use our phones.
先生は私たちが携帯電話を使うことを許しませんでした。
didn't が過去を表しているので、 その後ろの let は原形で置く。 さらに、 let の後ろの go / use も原形のままである。
didn't / let / me / go out
過去の否定 / 許す / 私が / 外出することを
英作文では、 まず意味を考える。 相手に無理に行動をさせたのなら make、 相手がすることを許したのなら let を選ぶ。
1. 誰が許したのかを主語に置く
2. let / lets / didn't let を時制や文の形に合わせて選ぶ
3. 誰が行動するのかを置く
4. 許された行動を、動詞の原形で置く
My father / let / me / use his computer.
父は / 許した / 私が / 自分のコンピュータを使うことを
My father let me use his computer.
父は私に自分のコンピュータを使わせてくれました。
make と let は、 どちらも 人 + 動詞の原形 を後ろに置く。 しかし、 相手にさせるのか、 相手がすることを許すのかで、 文の意味は大きく変わる。
この違いを理解しておくと、 不定詞を使わない 動詞の原形 の形が、 単なる例外ではなく、 意味と結びついた文の作り方として見えてくる。