塾長ノート

I had my brother carry my bag. はなぜ to carry ではないのか

人に頼んでしてもらうとき、have の後ろでも動詞の原形を使う

前回までに、 makelet を使った文を確認した。

My mother made me clean my room.
母は私に自分の部屋を掃除させました。
My father let me use his computer.
父は私に自分のコンピュータを使わせてくれました。

どちらも、 動詞のあとに 人 + 動詞の原形 が続いている。 しかし、 意味は同じではなかった。

make は、 人にある行動をさせることを表す。 let は、 人がある行動をすることを許すことを表す。

中学3年生では、 もう一つ、 同じように 人 + 動詞の原形 を続ける動詞を学ぶ。

I had my brother carry my bag.
私は兄に私のかばんを運んでもらいました。

この文の had は、 「持っていた」という意味ではない。 have + 人 + 動詞の原形 で、 人に〜してもらう/人に〜させる という意味を表している。

日本語では、 場面によって 「運んでもらった」 と訳すことも、 「運ばせた」 と訳すこともできる。 大切なのは、 主語が、その人に行動をしてもらうようにした という関係をつかむことである。

今回は、 have + 人 + 動詞の原形 の形を確認し、 すでに学んだ makelet と何が違うのかを整理しよう。

have + 人 + 動詞の原形 は、「人に〜してもらう・させる」を表す

まず、 文の形を分けて見てみよう。

I had my brother carry my bag.
私は兄に私のかばんを運んでもらいました。

この文では、 I が、 行動をしてもらうようにした人である。 実際に carry my bag という行動をしたのは、 my brother である。

I / had / my brother / carry my bag.
私は / してもらった・させた / 兄に / 私のかばんを運ぶことを

ここでの have は、 主語自身がその行動をすることを表しているのではない。 主語が、 別の人にその行動をしてもらうようにする ことを表している。

I had my father fix my bike.
私は父に自転車を直してもらいました。

自転車を直したのは my father である。 私は、 父に頼むなどして、 その行動をしてもらった側である。

The teacher had us read this book.
先生は私たちにこの本を読ませました。

この場合は、 先生が授業や課題として、 私たちに本を読むようにさせている。 日本語では、 「読んでもらいました」よりも 「読ませました」 のほうが自然である。

このように、 have + 人 + 動詞の原形 は、 文脈によって 「〜してもらう」 とも 「〜させる」 とも訳せる。

ただし、 どちらの場合も共通しているのは、 主語が、その人に行動をしてもらうよう手配したり、指示したりする ということである。

have + 人 + 動詞の原形
→ 人に〜してもらうようにする
→ 場面によっては、人に〜させると訳す

まずは、 have のあとに人が置かれ、その人が次の動詞の行動をする という読み方を正確に身につけたい。

make / let / have は、同じ形でも意味の中心が違う

makelethave は、 いずれも次の形を取ることができる。

動詞 + 人 + 動詞の原形

そのため、 文の形だけを見ると似ている。 しかし、 その人と行動との関係は異なる。

The teacher made Ken open the window.
先生は健に窓を開けさせました。

made Ken open では、 先生の働きかけによって、 健が窓を開けることになったという感じが強い。 健が自分から望んで行ったかどうかより、 先生が行動をさせたことに焦点がある。

The teacher let Ken open the window.
先生は健が窓を開けることを許しました。

let Ken open では、 健が窓を開けたい、 または開けることができる状況で、 先生がそれを許したことに焦点がある。

The teacher had Ken open the window.
先生は健に窓を開けてもらいました。
先生は健に窓を開けさせました。

had Ken open では、 先生が健に窓を開ける役割をさせた、 または健に頼んで開けてもらったという見方になる。 make ほど強制の感じを中心にせず、 let のように許可を中心にするわけでもない。

make + 人 + 動詞の原形
→ 人にその行動をさせる

let + 人 + 動詞の原形
→ 人がその行動をすることを許す

have + 人 + 動詞の原形
→ 人にその行動をしてもらうようにする・させる

日本語訳では、 makehave がどちらも 「〜させる」 になることがある。 そのため、 訳だけで覚えると区別しにくい。

make は、 相手に行動をさせる力の向きを強く見る。 have は、 相手に行動をしてもらうように頼む、 手配する、 役割として行わせるという見方をしやすい。

たとえば、 家で重い荷物を持っていて、 兄に頼んで運んでもらったなら、

I had my brother carry my bag.

が自然に使える。 一方、 嫌がっている人に無理に何かをさせたことを強く示すなら、 make のほうが合いやすい。

同じ 人 + 動詞の原形 という形でも、 最初の動詞によって、 人に対する働きかけの種類が変わるのである。

had になっても、後ろの動詞は carry のまま置く

次に、 形の作り方を確認しよう。

I had my brother carry my bag.
私は兄に私のかばんを運んでもらいました。

この文は過去のことを表しているため、 have が過去形の had になっている。

しかし、 兄がした行動を表す carry は、 過去形の carried にはならない。 また、 to carry にもならない。

I had my brother carry my bag.
○ carry:動詞の原形

I had my brother to carry my bag.
× to は置かない

I had my brother carried my bag.
× 過去形にはしない

文の時制を表すのは、 最初の動詞である have / had の部分である。 後ろの動詞は、 人にしてもらう行動の内容 を示すため、 動詞の原形で置く。

I have my brother carry my bag.
私は兄に私のかばんを運んでもらいます。

I had my brother carry my bag.
私は兄に私のかばんを運んでもらいました。

I will have my brother carry my bag.
私は兄に私のかばんを運んでもらうつもりです。

現在、 過去、 未来の違いは、 have / had / will have の部分で表している。 どの場合も、 後ろは carry のままである。

否定文や疑問文も、 一般動詞 have の文として作る。

I did not have my brother carry my bag.
私は兄に私のかばんを運んでもらいませんでした。
Did you have your brother carry your bag?
あなたは兄にかばんを運んでもらいましたか。

過去の否定文では did not have、 過去の疑問文では Did ... have ...? となる。 did を使ったあとは、 had ではなく have に戻ることにも注意したい。

I had my sister take a picture.
→ 私は姉に写真を撮ってもらいました。

Did you have your sister take a picture?
→ あなたは姉に写真を撮ってもらいましたか。

I didn't have my sister take a picture.
→ 私は姉に写真を撮ってもらいませんでした。

have + 人 + 動詞の原形 という中心の形を保ちながら、 時制や否定・疑問を表す部分を変えていくのである。

have の意味は、後ろに続く形を見て読み分ける

have は、 中学英語の早い段階から学ぶ動詞である。

I have a pen.
私はペンを持っています。

この文では、 have の後ろに a pen という物が置かれている。 そのため、 「ペンを持っている」 という所有の意味になる。

しかし、 次の文では、 have の後ろの形が違う。

I had my brother carry my bag.
私は兄に私のかばんを運んでもらいました。

my brother のあとに、 さらに carry という動詞の原形が続いている。 ここでは、 兄を「持っていた」のではない。 兄に carry my bag という行動をしてもらった と読む。

have + 物
→ 物を持っている

have + 人 + 動詞の原形
→ 人に〜してもらう・させる

英語では、 一つの動詞が、 後ろにどのような語や形を続けるかによって、 意味の広がりを持つことがある。 have もその一つである。

また、 これまでに学んだ形と並べてみると、 不定詞の発展で学ぶ文の見通しがよくなる。

I want you to help me.
→ あなたに手伝ってほしい

She asked me to open the window.
→ 私に窓を開けるよう頼んだ

My mother made me clean my room.
→ 私に部屋を掃除させた

My father let me use his computer.
→ 私がコンピュータを使うことを許した

I had my brother carry my bag.
→ 兄にかばんを運んでもらった

want / tell / ask の後ろでは、 人 + to + 動詞の原形 が続いた。 一方、 make / let / have の後ろでは、 人 + 動詞の原形 が続き、 to は置かない。

ただし、 大切なのは形を分類して終わることではない。 どの動詞を選ぶかによって、 望むのか、頼むのか、させるのか、許すのか、してもらうようにするのか が変わる。

I had my brother carry my bag. を見たときは、 had を単に「持っていた」と読まず、 後ろの my brother carry まで見て、 「兄に運んでもらった」 という関係を捉えることが必要である。

不定詞の発展では、 動詞の後ろにどのような形が続くのかを学ぶことで、 人と行動との関係を、 より細かく英語で表せるようになるのである。

学習塾Study+から

学習塾Study+では、have + 人 + 動詞の原形を「have なのに持つではない」と例外的に覚えるのではなく、 後ろに人と行動が続くことで「その人に行動をしてもらうようにする」という関係が生まれると整理します。 make・let・have を比べて理解すると、日本語では同じ「させる」と訳せる文でも、場面に合う動詞を選びやすくなります。

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