塾長ノート

She helped me carry the box. はなぜ carry が続くのか

人の行動を手助けするとき、help の後ろに動詞の原形を続ける

ここまで、 make / let / have の後ろに 人 + 動詞の原形 が続く文を見てきた。

My mother made me clean my room.
母は私に自分の部屋を掃除させました。
My father let me use his computer.
父は私に自分のコンピュータを使わせてくれました。
I had my brother carry my bag.
私は兄に私のかばんを運んでもらいました。

これらの文では、 clean / use / carry の行動をするのは、 それぞれ me / me / my brother である。

中学3年生では、 もう一つ、 この形に近い表現を学ぶ。

She helped me carry the box.
彼女は私がその箱を運ぶのを手伝ってくれました。

この文でも、 helped のあとに me + carry が続いている。 箱を運ぶのは me であり、 彼女はその行動を手助けしてくれたのである。

help は、 make のように無理に行動させる語でも、 let のように許可を与える語でもない。 また、 have のように頼んだり手配したりして行動してもらうことが中心でもない。

help + 人 + 動詞の原形 は、 その人がする行動を助ける という関係を表す。

今回は、 She helped me carry the box. を中心に、 help + 人 + 動詞の原形 の作り方と、 これまでの表現との違いを整理しよう。

help + 人 + 動詞の原形 は、「人が〜するのを手伝う」を表す

まず、 文の形を分けて見てみよう。

She helped me carry the box.
彼女は私がその箱を運ぶのを手伝ってくれました。

この文は、 次のような関係になっている。

helped
→ 手伝った

me
→ 箱を運ぶ人

carry the box
→ 私がした行動

つまり、 helped me carry the box は、 「私を手伝った」とだけ言っているのではなく、 私が箱を運ぶという行動を手伝った と述べている。

同じ形で、 さまざまな行動を表すことができる。

My brother helped me do my homework.
兄は私が宿題をするのを手伝ってくれました。
Tom helped his mother cook dinner.
トムは母親が夕食を作るのを手伝いました。
The teacher helped us understand the question.
先生は私たちがその問題を理解するのを助けてくれました。

それぞれの文で、 実際に後ろの動作をする人を確認するとよい。

helped me do my homework
→ 宿題をするのは私

helped his mother cook dinner
→ 夕食を作るのは母親

helped us understand the question
→ 問題を理解するのは私たち

日本語では、 「私の宿題を手伝った」 「母親の夕食作りを手伝った」 のように訳すこともできる。 しかし英語の形としては、 人が行う動作を、help の後ろに続けている と理解することが大切である。

また、 help のあとに置く人が代名詞なら、 I / he / she / we / they ではなく、 me / him / her / us / them を使う。

She helped me carry the box.
I helped him clean the room.
They helped us find the station.

これは、 すでに学んだ want you to ...told me to ... と同じく、 動詞の後ろに置かれる「人」の形だからである。

make / let / have / help は、後ろの形が似ていても関係が違う

make / let / have / help は、 中学英語では並べて学ぶことが多い。 どれも、 後ろに 人 + 動詞の原形 を置くことができるからである。

しかし、 同じ形が続くからといって、 意味まで同じではない。

My mother made me clean my room.
母は私に自分の部屋を掃除させました。

→ 母の働きかけによって、私は掃除をすることになった
My father let me use his computer.
父は私に自分のコンピュータを使わせてくれました。

→ 私が使うことを、父が許した
I had my brother carry my bag.
私は兄に私のかばんを運んでもらいました。

→ 私が兄に頼むなどして、兄に運んでもらった
She helped me carry the box.
彼女は私がその箱を運ぶのを手伝ってくれました。

→ 私が運ぶ行動を、彼女が支えた

この違いを、 日本語の訳語だけで覚えようとすると、 とくに havehelp が混ざりやすい。

たとえば、 次の二文を比べてみよう。

I had my brother carry the box.
私は兄にその箱を運んでもらいました。
I helped my brother carry the box.
私は兄がその箱を運ぶのを手伝いました。

一文目では、 箱を運んだのは兄であり、 私は兄にその行動をしてもらう立場である。

二文目でも、 箱を運ぶ中心になる人は兄である。 しかし、 私は兄にさせたのではなく、 兄が運ぶのを一緒に支えた のである。

have + 人 + 動詞の原形
→ その人に行動してもらう

help + 人 + 動詞の原形
→ その人がする行動を手伝う

英作文では、 日本語の「〜してもらう」「〜を手伝う」を見たら、 誰が行動の中心なのか と、 主語がその行動にどう関わるのか を考えると、 動詞を選びやすくなる。

helped になっても、後ろの動詞は carry のまま置く

次に、 時制と文の作り方を確認しよう。

She helps me carry the box.
彼女は私がその箱を運ぶのを手伝ってくれます。
She helped me carry the box.
彼女は私がその箱を運ぶのを手伝ってくれました。

現在のことなら helps、 過去のことなら helped にする。

一方、 me の後ろに続く動詞は、 どちらの文でも carry のままである。

helps me carry
helped me carry

文全体の時制を表しているのは、 最初の動詞である help / helps / helped である。 後ろの carry は、 「私がする行動」として原形で置かれている。

否定文では、 一般動詞の文と同じように do not / does not / did not を使う。

She doesn't help me carry the box.
彼女は私がその箱を運ぶのを手伝ってくれません。
She didn't help me carry the box.
彼女は私がその箱を運ぶのを手伝ってくれませんでした。

didn't が過去を表すため、 その後ろは helped ではなく help に戻る。 さらに、 me の後ろの carry も原形のままである。

She didn't help me carry the box.

疑問文も、 一般動詞の疑問文として作る。

Did she help you carry the box?
彼女はあなたがその箱を運ぶのを手伝ってくれましたか。
Yes, she did. / No, she didn't.
はい、手伝ってくれました。/いいえ、手伝ってくれませんでした。

受け答えで確認したいのは、 helped という過去形をそのまま疑問文の中に残さないことである。

She helped me carry the box.
→ Did she help you carry the box?

help + 人 + 動詞の原形 というまとまり自体は変わらず、 否定文や疑問文にするときは、 先頭の一般動詞 help の部分を、 これまで学んだ一般動詞のルールで変化させるのである。

help では to carry も使えるが、まず原形の形を理解する

ここで、 大切な注意を一つ確認しておこう。

make / let / have では、 中学英語で扱うこの形の場合、 人の後ろに 動詞の原形 を置く。

My mother made me clean my room.
My father let me use his computer.
I had my brother carry my bag.

ところが、 help は少し性質が異なる。 次の二つは、 どちらも英語として使うことができる。

She helped me carry the box.
She helped me to carry the box.

彼女は私がその箱を運ぶのを手伝ってくれました。

つまり、 helped me carry を見たときに、 「本当は to carry でなければならないのに、 例外的に to が消えている」 と考える必要はない。

help の後ろでは、 人 + 動詞の原形 も、 人 + to 不定詞 も使われる。

ただし、 中学英語で make / let / have と並べて整理するときには、 まず help + 人 + 動詞の原形 の形を使えるようにすると分かりやすい。

make me clean
let me use
have my brother carry
help me carry

また、 help は、 行動を直接続けずに、 with + 名詞 を使うこともある。

She helped me with my homework.
彼女は私の宿題を手伝ってくれました。
She helped me do my homework.
彼女は私が宿題をするのを手伝ってくれました。

どちらも自然な文だが、 後者は do my homework という行動を、 形としてはっきり続けている。

ここまでの表現をまとめると、 人に関わる行動を表すときには、 動詞によって関係の示し方が変わる。

want + 人 + to 〜
→ 人に〜してほしい

tell / ask + 人 + to 〜
→ 人に〜するように言う/頼む

make + 人 + 動詞の原形
→ 人に〜させる

let + 人 + 動詞の原形
→ 人が〜することを許す

have + 人 + 動詞の原形
→ 人に〜してもらう/させる

help + 人 + 動詞の原形
→ 人が〜するのを手伝う

She helped me carry the box. を見たときは、 me が箱を運ぶ人であり、 she はその行動を助けたのだと捉える。

不定詞の発展で大切なのは、 単に to があるかないかを暗記することではない。 誰が何をし、主語がその行動にどう関わるのか を、 動詞の後ろの形から読み取れるようになることなのである。

学習塾Study+から

学習塾Study+では、help + 人 + 動詞の原形を単なる語順として覚えるのではなく、 「その人がする行動を支える」という関係として整理します。 make・let・have・help を比べながら、誰が行動し、主語がその行動にどう関わるのかを考えられると、英作文でも表現を選びやすくなります。

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