前回は、 現在分詞 を使って、 名詞を後ろから説明する形を見た。
The boy playing soccer is my brother.
サッカーをしている少年は、私の弟です。
この文では、 playing soccer が、 the boy を説明している。 少年がサッカーをしているので、 playing という現在分詞が使われている。
では、 次の文はどうだろうか。
This is a picture painted by my sister.
これは私の姉によって描かれた絵です。
ここでは、 painted by my sister が、 a picture を後ろから説明している。
ただし、 絵が何かを描いているわけではない。 絵は、 私の姉によって 描かれたもの である。
そのため、 painting ではなく、 painted という過去分詞を使う。
今回は、 過去分詞 が名詞を説明するとき、 どのように 「〜された」 という関係を表すのかを整理しよう。
painted by my sister は、picture を後ろから説明している
まず、 基本文を確認しよう。
This is a picture painted by my sister.
これは私の姉によって描かれた絵です。
この文の中心は、 次の部分である。
This is a picture.
これは絵です。
ただ、 これだけでは、 どのような絵なのかが分からない。 そこで、 a picture の後ろに painted by my sister を加えて、 絵の説明をしている。
a picture
→ 絵
a picture painted by my sister
→ 私の姉によって描かれた絵
この painted は、 過去形の動詞として使われているのではない。 a picture を説明する 過去分詞 として使われている。
過去分詞は、 受け身で使った形でもある。
This picture was painted by my sister.
この絵は私の姉によって描かれました。
この受け身の文では、 was painted で 「描かれた」 という意味を表している。
一方、 a picture painted by my sister では、 was は出てこない。 そのかわり、 painted by my sister がまとまりになって、 名詞を説明している。
This picture was painted by my sister.
→ 文として「この絵は描かれた」と言う
a picture painted by my sister
→ 名詞を「描かれた絵」と説明する
つまり、 過去分詞で名詞を説明するときは、 受け身の意味をもつ説明のかたまり になると考えると分かりやすい。
過去分詞は、「動作を受けた側」を説明する
過去分詞を読むときに大切なのは、 その名詞が 動作をする側 なのか、 動作を受ける側 なのかを考えることである。
たとえば、 次の表現を見てみよう。
a letter written by Ken
健によって書かれた手紙
手紙が何かを書くわけではない。 手紙は、 健によって 書かれたもの である。 そのため、 written という過去分詞を使う。
a book read by many students
多くの生徒に読まれている本
本が生徒を読むわけではない。 本は、 多くの生徒に 読まれる側 である。 だから、 read を過去分詞として使って、 a book を説明している。
受け身の記事で見たように、 動作を受けるものを主語にすると、 次のような文になる。
The letter was written by Ken.
その手紙は健によって書かれました。
The book is read by many students.
その本は多くの生徒に読まれています。
これを名詞の説明にしたものが、 次の形である。
the letter written by Ken
Ken によって書かれた手紙
the book read by many students
多くの生徒に読まれている本
このように、 過去分詞は、 その名詞が何をされたのか を説明する。
日本語では、 「書かれた手紙」 「読まれている本」 「壊れた窓」 のように訳すことが多い。 ただし、 大事なのは訳語そのものではなく、 名詞と動作の関係 を見ることである。
一語なら前、まとまりなら後ろに置きやすい
現在分詞と同じように、 過去分詞も、 一語で名詞を説明する場合と、 まとまりで名詞を説明する場合がある。
一語だけで説明するときは、 名詞の前に置かれることが多い。
a broken window
壊れた窓
a used car
中古車、使われた車
written English
書き言葉としての英語
これらは、 broken / used / written という一語が、 後ろの名詞を説明している。
一方、 by ... や in ... などを含むまとまりになると、 名詞の後ろに置かれやすい。
the window broken by the ball
そのボールによって割られた窓
the language spoken in Canada
カナダで話されている言語
the letter written in English
英語で書かれた手紙
後ろに説明が長く続くとき、 先に名詞を出してから、 その名詞を後ろから詳しく説明する。
the language
→ その言語
the language spoken in Canada
→ カナダで話されているその言語
中学英語では、 この 名詞 + 過去分詞のまとまり を見たとき、 文の主語や目的語が長くなっていることに注意したい。
The language spoken in Canada is English and French.
カナダで話されている言語は英語とフランス語です。
この文の主語は、 The language だけではない。 The language spoken in Canada までが、 ひとかたまりの主語になっている。
長い英文を読むときは、 まずどの名詞を説明しているのかを見つけると、 文の骨組みが見えやすくなる。
現在分詞は「している」、過去分詞は「される・された」
最後に、 現在分詞と過去分詞の違いを整理しよう。
The boy playing soccer is my brother.
サッカーをしている少年は、私の弟です。
This is a picture painted by my sister.
これは私の姉によって描かれた絵です。
playing soccer では、 少年がサッカーをしている。 つまり、 the boy は動作をする側である。
一方、 painted by my sister では、 絵が描くのではない。 絵は、 姉によって描かれる側である。
現在分詞
→ 名詞がその動作をしている
過去分詞
→ 名詞がその動作を受けている
たとえば、 次の二つを比べると、 違いがはっきりする。
a boy using this computer
このコンピューターを使っている少年
a computer used by many students
多くの生徒に使われているコンピューター
a boy using this computer では、 少年がコンピューターを使っている。
a computer used by many students では、 コンピューターが多くの生徒に使われている。
同じ use という動詞でも、 名詞が動作をする側なら using、 動作を受ける側なら used になる。
分詞は、 形だけを見るとややこしく感じるかもしれない。 しかし、 まずは 説明されている名詞が、動作をする側か、受ける側か を考えるとよい。
This is a picture painted by my sister. の painted by my sister は、 絵が姉によって描かれたものだと、 後ろから説明している。
ここまで分かると、 現在分詞と過去分詞は、 ただの暗記項目ではなく、 名詞と動作の関係を表すための形 として見えてくる。