前回までは、 who / which / that を使って、名詞を後ろから説明する関係代名詞の文を見てきた。
The man who lives next door is a doctor.
隣に住んでいる男性は、医者です。
This is a book which changed my life.
これは私の人生を変えた本です。
どちらも、 関係代名詞の後ろに続く文が、 前の名詞を説明している。
ただし、 ここまでの例では、 who / which が説明の中で主語の働きをしていた。
who lives next door
→ who が lives の主語
which changed my life
→ which が changed の主語
今回は、 少し形が変わる。
This is the book that I bought yesterday.
これは私が昨日買った本です。
この文を見ると、 bought のあとに目的語がないことに気づくかもしれない。
I bought yesterday.
私は昨日買いました。
これだけだと、 「何を買ったのか」が足りないように見える。 しかし、 実際にはその「何を」にあたるものが、 前に出ている。
This is the book that I bought yesterday.
→ 私が昨日買った本
つまり、 the book は、 bought の目的語にあたる内容でもある。 そのため、 bought のあとにもう一度 it や the book を置かない。
今回は、 関係代名詞の中でも、 目的格 と呼ばれる形を整理しよう。
主格は「それがする」、目的格は「それをする」
関係代名詞を考えるときは、 説明される名詞が、後ろの文の中でどんな役割をしているか を見ると分かりやすい。
まず、前回扱った文をもう一度見てみよう。
This is a book which changed my life.
これは私の人生を変えた本です。
この文では、 a book が、 説明の中で changed my life する側になっている。
The book changed my life.
その本が私の人生を変えた。
つまり、 which は、 changed の主語のような働きをしている。 これを、 主格の関係代名詞 と呼ぶ。
それに対して、 次の文ではどうだろうか。
This is the book that I bought yesterday.
これは私が昨日買った本です。
この文では、 本が自分で何かをしたわけではない。 行動したのは I である。
I bought the book yesterday.
私は昨日その本を買いました。
ここで、 the book は bought の目的語になっている。 つまり、 「買ったもの」である。
関係代名詞を使うと、 この the book を先に出して、 その後ろから 「私が昨日買った」 と説明することができる。
the book that I bought yesterday
→ 私が昨日買った本
このように、 関係代名詞が説明の中で目的語の働きをしているとき、 それを 目的格の関係代名詞 と呼ぶ。
主格の関係代名詞
→ 説明される名詞が、後ろの文の中で「する側」
目的格の関係代名詞
→ 説明される名詞が、後ろの文の中で「される側」「〜を」にあたる側
用語だけを見ると難しく感じるが、 実際には、 その名詞が後ろの文の中で主語なのか目的語なのか を見ているだけである。
bought のあとに目的語がないのは、前の名詞を説明しているから
では、 なぜ bought のあとに目的語を置かないのかを、 もう少し丁寧に見てみよう。
まず、二つの文を用意する。
This is the book.
これはその本です。
I bought the book yesterday.
私は昨日その本を買いました。
この二つの文には、 同じ the book が出てくる。
英語では、 このように同じ名詞をくり返す代わりに、 一つの名詞を後ろから説明する形にまとめることができる。
This is the book that I bought yesterday.
このとき、 後ろの説明部分で、 もう一度 the book を言う必要はない。
This is the book that I bought the book yesterday.
このように言うと、 「その本」を二重に言っている感じになってしまう。 だから、 bought のあとには目的語を置かない。
This is the book that I bought yesterday.
→ bought の目的語は、前にある the book とつながっている
同じ仕組みは、 ほかの文でも見ることができる。
This is the movie that we watched last night.
これは私たちが昨夜見た映画です。
もとの関係は、 次のように考えられる。
We watched the movie last night.
私たちは昨夜その映画を見ました。
関係代名詞を使うと、 the movie を先に出して、 その後ろから that we watched last night と説明する。
the movie that we watched last night
→ 私たちが昨夜見た映画
このとき、 watched のあとにも目的語は置かない。 その目的語にあたるものは、 すでに前の the movie として出ているからである。
関係代名詞の目的格では、 後ろの文だけを見ると、 目的語が欠けているように見える。 しかし、 その欠けている部分が、 前の名詞と結びついている。
the book that I bought □ yesterday
→ □ に入る内容が the book
the movie that we watched □ last night
→ □ に入る内容が the movie
この見方ができると、 目的格の関係代名詞はかなり整理しやすくなる。
目的格の関係代名詞は、省略されることがある
目的格の関係代名詞には、 もう一つ大事な特徴がある。 それは、 省略されることがある という点である。
This is the book that I bought yesterday.
この文は、 次のように that を省略して言うこともできる。
This is the book I bought yesterday.
これは私が昨日買った本です。
日本語訳はほとんど変わらない。 英語では、 目的格の関係代名詞は、 会話や自然な文章の中で省略されることがよくある。
The movie that we watched last night was exciting.
私たちが昨夜見た映画はわくわくするものでした。
The movie we watched last night was exciting.
The boy that I met yesterday is my classmate.
私が昨日会った少年は、私のクラスメートです。
The boy I met yesterday is my classmate.
ただし、 何でも省略できるわけではない。 中学英語ではまず、 目的格の関係代名詞は省略できることがある と押さえておけばよい。
では、主格の関係代名詞はどうだろうか。
The man who lives next door is a doctor.
この who は、 lives の主語の働きをしている。 そのため、 これをそのまま省略すると、 後ろの文の主語がなくなってしまう。
The man lives next door is a doctor.
これでは、 文の形が崩れてしまう。 だから、 主格の関係代名詞は、 目的格のように簡単には省略できない。
主格:who / which / that + 動詞
→ 省略しにくい
目的格:who / which / that + 主語 + 動詞
→ 省略されることがある
見分けるときは、 関係代名詞のすぐ後ろに注目するとよい。
the book that I bought
→ that の後ろに主語 I がある
→ that は目的格
the book which changed my life
→ which の後ろにすぐ動詞 changed がある
→ which は主格
この違いは、 並べ替え問題や空所補充問題でもよく効いてくる。
説明したい名詞と、後ろの文の役割を合わせて考える
関係代名詞では、 まず 説明したい名詞が人なのか、物なのか を見る。
人を説明する
→ who / that
物・動物を説明する
→ which / that
そのうえで、 その名詞が後ろの説明の中で、 主語の働きをしているのか、 目的語の働きをしているのかを考える。
The girl who plays the piano is my sister.
ピアノを弾く少女は、私の姉妹です。
この文では、 the girl が plays the piano する側である。 だから、 who は主格の関係代名詞である。
The girl that I saw in the park is my sister.
私が公園で見た少女は、私の姉妹です。
この文では、 I saw the girl という関係になっている。 つまり、 the girl は saw の目的語にあたる。
物を説明するときも同じである。
This is a book which teaches us history.
これは私たちに歴史を教えてくれる本です。
ここでは、 a book が teaches する側である。 だから、 which は主格である。
This is a book that I read last week.
これは私が先週読んだ本です。
ここでは、 I read the book という関係である。 だから、 that は目的格であり、 省略して This is a book I read last week. と言うこともできる。
関係代名詞の文では、 ただ who は人、which は物 と覚えるだけでは足りない。 その名詞が、 後ろの説明の中で 何をしているのか、何をされているのか まで見る必要がある。
This is the book that I bought yesterday.
→ the book は bought の目的語
→ bought のあとに目的語を置かない
→ that は省略されることもある
目的格の関係代名詞が分かると、 「私が読んだ本」 「私たちが見た映画」 「昨日会った人」 のように、 自分の経験や身の回りのことを、 より詳しく英語で説明できるようになる。
関係代名詞は、 文を長くするための飾りではない。 伝えたい名詞を、 必要な文で説明するための道具なのである。