塾長ノート

自動詞と他動詞は何が違うのか

目的語を必要とするかどうかで、動詞の使い方を見る

高校英文法に入ると、 自動詞他動詞 という言葉がよく出てくる。

名前だけ見ると、少し堅い。 しかし、見ていることはとても大切である。

He arrived at the station.
彼は駅に着きました。

He reached the station.
彼は駅に着きました。

日本語では、どちらも 「駅に着いた」 と訳せる。 しかし英語では、 arrived at the stationreached the station で形が違う。

arrive は、後ろに the station をそのまま置かず、 at をはさんでいる。 一方、 reach は、後ろに the station を直接置いている。

この違いを見るための言葉が、 自動詞と他動詞である。

自動詞と他動詞は、 「動詞の意味」だけで決まるものではない。 むしろ、 その動詞の後ろに目的語を直接置けるかどうか を見るための分類である。

今回は、 高校英文法への橋渡しとして、 自動詞と他動詞を、 文型・前置詞・目的語との関係から整理していこう。

自動詞は、目的語を直接取らない動詞である

まず、 自動詞 から確認しよう。

Birds fly.
鳥は飛びます。

この文は、 Birds が主語、 fly が動詞である。 動詞の後ろに目的語はない。

それでも、 「鳥が飛ぶ」 という文の中心は成り立っている。 このように、 目的語を直接必要としない動詞を、 自動詞という。

She smiled.
彼女はほほえみました。

The baby cried.
その赤ちゃんは泣きました。

He arrived.
彼は到着しました。

これらの文では、 動詞の後ろに 「何を」 にあたる目的語が直接続いていない。 しかし、文としては成り立っている。

もちろん、自動詞の後ろに何も置けないわけではない。 場所・時・様子などを表す語句を続けることはできる。

Birds fly in the sky.
鳥は空を飛びます。

She smiled happily.
彼女はうれしそうにほほえみました。

He arrived at the station.
彼は駅に着きました。

ただし、 これらは目的語ではない。 in the sky は場所、 happily は様子、 at the station は到着した場所を表している。

自動詞の後ろに名詞を続けたいとき、 多くの場合、 前置詞 が必要になる。

arrive at the station
listen to music
look at the picture
wait for my friend

これは、 自動詞が後ろの名詞を目的語として直接受け取っているのではなく、 前置詞と名詞のまとまりで、 場所・相手・対象などを補っているからである。

つまり、 自動詞を見るときは、 次のように考えるとよい。

自動詞
→ 動詞だけで文の中心が成り立つ
→ 後ろに名詞を直接置くとは限らない
→ 必要なら前置詞を使って情報を足す

他動詞は、目的語を直接取る動詞である

次に、 他動詞 を見てみよう。

I like music.
私は音楽が好きです。

この文では、 like の後ろに music が直接置かれている。 music は、 「何が好きなのか」 を表す目的語である。

このように、 目的語を直接取る動詞を、 他動詞 という。

I bought a new notebook.
私は新しいノートを買いました。

She opened the door.
彼女はドアを開けました。

He reached the station.
彼は駅に着きました。

buy の後ろには 「何を買うのか」 が必要である。 open の後ろには 「何を開けるのか」 が続く。 reach の後ろには 「どこに到達するのか」 が直接置かれる。

このような動詞は、 後ろの名詞を目的語として直接受け取る。

I bought a new notebook.
She opened the door.
He reached the station.

ここでは、 toat などの前置詞をはさまない。 動詞がそのまま目的語につながっている。

この違いは、 英作文でとても重要になる。

× He arrived the station.
○ He arrived at the station.

○ He reached the station.
× He reached at the station.

日本語ではどちらも 「駅に着いた」 と訳せるため、 日本語訳だけで前置詞の有無を決めると間違えやすい。

大切なのは、 その英語の動詞が、後ろの名詞を直接目的語として取るのか を見ることである。

他動詞を見るときは、 次のように考えるとよい。

他動詞
→ 後ろに目的語を直接取る
→ 「何を」「だれを」にあたる語が続くことが多い
→ 前置詞をむやみに入れない

日本語訳ではなく、英語の形を見る

自動詞と他動詞でつまずきやすい理由は、 日本語訳と英語の形が一対一で対応しないからである。

たとえば、 次の二つを見てみよう。

I listened to music.
私は音楽を聞きました。

I heard music.
私は音楽が聞こえました。

日本語では、 どちらも「音楽を聞く」と近い意味で説明されることがある。 しかし英語の形は違う。

listen は自動詞として使われ、 対象を言うときは listen to music のように to を使う。

一方、 hear は他動詞として music を直接目的語に取ることができる。

listen to music
→ 意識して耳を向ける対象を to で示す

hear music
→ 音が聞こえる対象を直接目的語にする

同じように、 look atsee も比べられる。

Look at this picture.
この絵を見てください。

I saw a beautiful bird.
私は美しい鳥を見ました。

look は、 目を向ける動作を表し、 対象を言うときは at を使う。

see は、 目に入る・見えるという内容を表し、 目的語を直接取る。

このように、 日本語で同じように訳せるからといって、 英語で同じ形になるとは限らない。

高校英文法では、 「この動詞は自動詞として使われているのか、他動詞として使われているのか」 を見る場面が増える。 それは、 英文の意味を細かく読むためだけでなく、 英作文で余計な前置詞を入れたり、必要な前置詞を落としたりしないためでもある。

日本語訳から考える
→ 「〜を」「〜に」に引っ張られやすい

英語の形から考える
→ 動詞が目的語を直接取るかを見られる

自動詞・他動詞は、 訳語の分類ではなく、 英語の文の形を見るための分類 なのである。

文型とつなげて見ると、自動詞・他動詞は分かりやすい

自動詞と他動詞は、 前回整理した文型ともつながっている。

まず、 目的語を取らない動詞は、 第1文型や第2文型で使われることが多い。

Birds fly.
S + V

She looked happy.
S + V + C

fly は、目的語を取らず、 主語と動詞で中心が成り立つ。

look は、 ここでは happy という補語を続けて、 主語の状態を説明している。 happy は目的語ではない。 「彼女を見た」 ではなく、 「彼女が幸せそうに見えた」 という主語の説明である。

一方、 他動詞は、 目的語を取るため、 第3文型・第4文型・第5文型と深く関係する。

She likes music.
S + V + O

My father gave me a book.
S + V + O + O

We call him Ken.
S + V + O + C

like は、 music を目的語に取る。 give は、 「だれに」「何を」 という二つの目的語を取る。 call は、 him を目的語に取り、 その目的語を Ken と説明している。

つまり、 文型を考えるときにも、 自動詞・他動詞の見方が必要になる。

目的語がない
→ 第1文型や第2文型を考える

目的語がある
→ 第3文型・第4文型・第5文型を考える

ただし、 一つの動詞がいつも自動詞だけ、 いつも他動詞だけとして使われるとは限らない。

The door opened.
ドアが開きました。

She opened the door.
彼女はドアを開けました。

最初の文では、 opened の後ろに目的語がない。 ドアそのものが開いた、という文である。

次の文では、 opened の後ろに the door という目的語がある。 彼女がドアを開けた、という文である。

つまり、 大切なのは、 単語カードのように 「open は自動詞か他動詞か」 と一つに決めつけることではない。

実際の英文の中で、 その動詞が目的語を取っているかどうか を見ることが大切である。

動詞の意味だけを見る
→ 似た訳の動詞で混乱しやすい

動詞の後ろを見る
→ 自動詞・他動詞、文型、前置詞の必要性が見える

自動詞と他動詞は、 高校英文法で急に出てくる難しい用語ではない。 中学で学んだ文型を、 もう一段くわしく見るための道具である。

英文を読むときは、 まず動詞を見つける。 次に、 その後ろに目的語が直接続いているかを見る。 前置詞があるなら、 その前置詞が何を補っているのかを見る。

その見方ができると、 文型はただの番号ではなくなり、 英文の骨組みを読むための実用的な道具になる。

学習塾Study+から

学習塾Study+では、自動詞・他動詞を用語として暗記するだけでなく、 動詞の後ろに目的語が直接続くのか、前置詞が必要なのかを見ながら整理します。 arrive at the station と reach the station の違いが見えると、文型や英作文のミスも減らしやすくなります。

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