塾長ノート

助動詞 + have + 過去分詞は何を表すのか

過去についての推量や後悔を、助動詞と完了形で表す

中学英語では、 助動詞現在完了 をそれぞれ学ぶ。

You must study English.
あなたは英語を勉強しなければなりません。

I have finished my homework.
私は宿題を終えました。

助動詞は、 動詞の前に置いて、 義務・可能性・推量・許可などを加える。

現在完了は、 have + 過去分詞 で、 過去の出来事を今とつなげて表す形だった。

高校英文法に入ると、 この二つが組み合わさった形が出てくる。

He must have missed the train.
彼は電車に乗り遅れたに違いありません。

You should have called me.
あなたは私に電話すべきでした。

この 助動詞 + have + 過去分詞 は、 見た目だけだと少し長く感じる。 しかし、考え方はそれほど複雑ではない。

助動詞が表す気持ちを、 過去の出来事 に向けているのである。

今回は、 must have done / may have done / should have done / cannot have done を中心に、 助動詞と完了形の組み合わせを整理しよう。

助動詞は、話し手の判断を動詞に加える

まず、 助動詞の基本を思い出そう。

He must be tired.
彼は疲れているに違いありません。

He may be tired.
彼は疲れているかもしれません。

He cannot be tired.
彼が疲れているはずがありません。

ここでの must / may / cannot は、 事実そのものを表しているのではない。 話し手が、 その内容をどのくらい確かだと思っているかを表している。

つまり、 助動詞は、 動詞に 話し手の判断 を加える語である。

must
→ きっとそうだ/そうしなければならない

may
→ そうかもしれない

cannot
→ そうであるはずがない

should
→ そうするべきだ/そうであるはずだ

では、 この判断を、 今のことではなく、 過去の出来事に向けたいときはどうするのか。

そこで使うのが、 have + 過去分詞 である。

He must be tired.
→ 彼は疲れているに違いない。

He must have been tired.
→ 彼は疲れていたに違いない。

must は「に違いない」という判断を表す。 その後ろを have been にすると、 その判断の向きが過去へ移る。

ここで大切なのは、 must が過去形になるわけではない という点である。

過去を表しているのは、 助動詞そのものではなく、 後ろに置かれた have + 過去分詞 なのである。

must have done は、過去について「したに違いない」と考える形

代表的な形から見ていこう。

He must have missed the train.
彼は電車に乗り遅れたに違いありません。

この文では、 話し手は、 彼が電車に乗り遅れたことを直接見たわけではないかもしれない。

しかし、 彼がまだ来ていない、 駅で待っている、 時刻表を見ると電車はすでに出ている。 そのような状況から、 「彼は電車に乗り遅れたに違いない」 と判断している。

must + 動詞の原形
→ 今のことについて「〜に違いない」

must have + 過去分詞
→ 過去のことについて「〜したに違いない」

たとえば、 次のように使える。

She must have studied hard.
彼女は一生懸命勉強したに違いありません。

He must have forgotten the meeting.
彼は会議を忘れていたに違いありません。

They must have arrived home safely.
彼らは無事に家に着いたに違いありません。

どの文も、 すでに起きたことについて、 話し手が強くそう判断している。

ここで、 過去形と比べてみよう。

He missed the train.
彼は電車に乗り遅れました。

He must have missed the train.
彼は電車に乗り遅れたに違いありません。

missed は、 過去の出来事をそのまま述べている。

一方、 must have missed は、 過去の出来事について、 話し手の推量を加えている。

つまり、 助動詞 + have + 過去分詞 は、 過去形の代わりではなく、 過去の内容に対する話し手の判断を表す形なのである。

may have done / cannot have done で、可能性の強さを変える

過去について推量するとき、 必ず must have done を使うわけではない。

確信の強さによって、 助動詞を変える。

He may have missed the train.
彼は電車に乗り遅れたかもしれません。

He cannot have missed the train.
彼が電車に乗り遅れたはずがありません。

may have missed は、 過去について 「そうかもしれない」 と考える形である。

cannot have missed は、 過去について 「そうだったはずがない」 と考える形である。

must have done
→ 〜したに違いない

may have done
→ 〜したかもしれない

cannot have done
→ 〜したはずがない

たとえば、 次のように比べると、 助動詞の違いが見えやすい。

She must have read this book.
彼女はこの本を読んだに違いありません。

She may have read this book.
彼女はこの本を読んだかもしれません。

She cannot have read this book.
彼女がこの本を読んだはずがありません。

どの文も、 過去の read this book について述べている。

違うのは、 話し手がその内容をどう判断しているかである。

このように見ると、 助動詞と完了形の組み合わせは、 「長い熟語」ではなく、 助動詞の意味 + 過去への向き として理解できる。

なお、 could have donemight have done も、 過去についての可能性や、 実際にはしなかったことを表すときに使われる。 ただし、最初の段階では、 まず must / may / cannot + have + 過去分詞 の見方を押さえるとよい。

should have done は、過去への後悔や反省を表す

ここまでは、 過去の出来事についての推量を見てきた。

しかし、 助動詞 + have + 過去分詞 は、 推量だけでなく、 後悔や反省を表すこともある。

You should have called me.
あなたは私に電話すべきでした。

I should have studied harder.
私はもっと一生懸命勉強すべきでした。

should は、 「〜すべきだ」 という意味を表す助動詞である。

それに have + 過去分詞 が続くと、 「過去にそうすべきだった」 という意味になる。

つまり、 実際にはそうしなかった、 または十分にはしなかったという気持ちが含まれやすい。

I should study harder.
→ これから、もっと勉強すべきだ。

I should have studied harder.
→ あのとき、もっと勉強すべきだった。

should study は、 今後の行動についての助言や判断である。

should have studied は、 過去の行動を振り返って、 「そうすべきだった」 と考えている。

否定にすると、 次のようになる。

You should not have said that.
あなたはそんなことを言うべきではありませんでした。

これは、 実際には言ってしまったことを前提に、 「言うべきではなかった」 と述べている形である。

should have done
→ 〜すべきだったのに

should not have done
→ 〜すべきではなかったのに

この形は、 日本語訳だけを見ると、 仮定法や過去完了と混ざって見えるかもしれない。

しかし、構造としては、 should という判断を、 have + 過去分詞 によって過去の行動へ向けているだけである。

ここまでをまとめると、 次のようになる。

助動詞
→ 話し手の判断を表す

have + 過去分詞
→ 過去の出来事に向ける

助動詞 + have + 過去分詞
→ 過去の出来事についての判断を表す

must have done は、 過去について「〜したに違いない」。 may have done は、 過去について「〜したかもしれない」。 cannot have done は、 過去について「〜したはずがない」。 should have done は、 過去について「〜すべきだった」。

形だけを見ると長いが、 それぞれの部品に分ければ、 高校英文法としての見通しはかなりよくなる。

助動詞は、 話し手の判断を表す。 完了形は、 過去の出来事に視線を向ける。 この二つを組み合わせることで、 英語は、 過去についての確信・可能性・否定・後悔を細かく表しているのである。

学習塾Study+から

学習塾Study+では、助動詞 + have + 過去分詞を長い熟語として丸暗記するのではなく、 助動詞が表す判断を、have + 過去分詞によって過去に向ける形として整理します。 must have done、may have done、should have done を部品ごとに理解しておくと、高校英文法の助動詞や仮定法にも進みやすくなります。

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