中学では、 分詞を使って名詞を説明する形を学んだ。
The boy playing soccer is my brother.
サッカーをしている少年は、私の兄です。
This is a picture painted by my sister.
これは私の姉によって描かれた絵です。
ここでは、 playing soccer や painted by my sister が、 前にある名詞を後ろから説明している。
高校英文法に入ると、 分詞はもう少し広く扱われる。 その一つが、 分詞が 補語 として使われる形である。
The news was surprising.
その知らせは驚くようなものでした。
I was surprised.
私は驚きました。
どちらも、 surprise という動詞からできた形である。 しかし、 surprising と surprised では、 見ている向きが違う。
surprising は、 驚きを起こす側を説明する。 surprised は、 驚きを受けた側を説明する。
今回は、 現在分詞と過去分詞を、 名詞を後ろから説明する形だけでなく、 形容詞のように主語や目的語を説明する形 として整理していこう。
現在分詞は、感情や動作を起こす側を説明する
まず、 現在分詞の形を確認しよう。
The news was surprising.
その知らせは驚くようなものでした。
surprising は、 「驚いている」という意味ではない。 その知らせが、 人を驚かせるような性質を持っていた、 という意味である。
The movie was exciting.
その映画はわくわくするものでした。
The story was interesting.
その話はおもしろいものでした。
The game was boring.
その試合は退屈なものでした。
これらの -ing形 は、 すべて現在分詞である。 ただし、 現在進行形のように 「今〜している」 と訳せばよいわけではない。
ここでの現在分詞は、 人にその感情を起こさせる性質 を表している。
surprising
→ 人を驚かせるような
exciting
→ 人をわくわくさせるような
interesting
→ 人に興味を持たせるような
boring
→ 人を退屈させるような
つまり、 現在分詞は、 その名詞や主語が 何かをしている 場合にも使われるが、 感情表現では、 その感情を引き起こす側 を説明することが多い。
これは、 中学で学んだ現在分詞の名詞修飾ともつながっている。
a boy playing soccer
→ サッカーをしている少年
この場合、 少年自身がサッカーをしている。 一方、 a surprising story では、 話そのものが人を驚かせる性質を持っている。
共通しているのは、 現在分詞が 動きや働きが外へ向かう側 を説明しやすいという点である。
過去分詞は、感情や動作を受けた側を説明する
次に、 過去分詞を見てみよう。
I was surprised.
私は驚きました。
surprised は、 「驚かせるような」ではなく、 「驚かされた」「驚いた状態になった」 という意味である。
つまり、 主語の I は、 驚きを起こす側ではなく、 驚きを受けた側である。
I was excited.
私はわくわくしました。
I was interested in the story.
私はその話に興味を持ちました。
I was bored.
私は退屈していました。
これらの過去分詞は、 人の気持ちや状態を説明している。 「人がその感情を受けている」 と考えると分かりやすい。
surprising news
→ 人を驚かせる知らせ
surprised people
→ 驚いた人々
同じ surprise からできていても、 surprising と surprised では、 説明している側が違う。
The news was surprising.
→ その知らせが、人を驚かせる側
I was surprised.
→ 私が、驚かされた側
これは、 受け身で学んだ見方ともつながっている。
I was surprised by the news.
私はその知らせによって驚かされました。
実際には、 日本語では 「驚かされました」 よりも 「驚きました」 と訳すことが多い。 しかし英語の形としては、 驚きを受けた側 を過去分詞で説明している。
したがって、 感情を表す分詞では、 日本語訳だけで判断するのではなく、 感情を起こす側か、感情を受ける側か を見ることが大切である。
分詞は、名詞の前後だけでなく補語にもなる
分詞は、 名詞を前や後ろから説明するだけではない。 文の中で 補語 として働くこともある。
The movie was exciting.
その映画はわくわくするものでした。
この文では、 exciting が主語 The movie を説明している。 つまり、 第2文型の補語である。
I was excited.
私はわくわくしました。
この文でも、 excited が主語 I の状態を説明している。 これも補語である。
つまり、 分詞は、 形容詞のように、 名詞を説明したり、 主語の状態を説明したりできる。
an exciting movie
→ わくわくする映画
The movie was exciting.
→ その映画はわくわくするものだった
excited students
→ わくわくしている生徒たち
The students were excited.
→ 生徒たちはわくわくしていた
高校英文法では、 さらに第5文型の中でも分詞が使われる。
I found the movie interesting.
私はその映画がおもしろいと思いました。
この文では、 interesting が、 目的語 the movie を説明している。
I found him interested in art.
私は彼が芸術に興味を持っていると分かりました。
この文では、 interested in art が、 目的語 him を説明している。
このように、 分詞は 名詞の修飾 だけでなく、 主格補語 や 目的格補語 としても使われる。
だから、 分詞を見たときは、 まず次の二つを確認するとよい。
1. その分詞は、どの名詞や主語・目的語を説明しているか
2. その名詞は、動作や感情を起こす側か、受ける側か
日本語訳より、向きの違いを見る
分詞でつまずきやすいのは、 日本語訳だけで考えようとするからである。
The movie was exciting.
その映画はわくわくした。
日本語では、 「映画がわくわくした」 と言ってしまうこともある。 しかし、 実際には映画が感情を持っているわけではない。 映画が、 見る人をわくわくさせるのである。
I was exciting.
この文は、 文法的に完全に不可能というわけではないが、 普通は 「私は人をわくわくさせるような存在だった」 という意味になり、 「私はわくわくした」 という意味にはならない。
「私はわくわくした」なら、 次のように言う。
I was excited.
同じように、 次の対比も大切である。
The lesson was boring.
その授業は退屈だった。
I was bored.
私は退屈していた。
The result was disappointing.
その結果はがっかりするものだった。
I was disappointed.
私はがっかりした。
もちろん、 実際の英語では、 すべてを 「ものなら現在分詞、人なら過去分詞」 と機械的に分けられるわけではない。
人が他人を楽しませるような人なら、 an interesting person と言える。 人が何かに興味を持っているなら、 an interested person と言える。
大切なのは、 人か物かを丸暗記することではない。
現在分詞
→ 感情や動作を起こす側を説明する
過去分詞
→ 感情や動作を受けた側を説明する
この向きの違いが分かると、 分詞を単なる -ing形 や 過去分詞形 としてではなく、 英文の中で名詞や主語・目的語を説明する部品として見ることができる。
分詞は、 中学英文法では「名詞を説明する形」として出てくる。 高校英文法では、 そこからさらに、 補語、知覚動詞、使役動詞、分詞構文へと広がっていく。
その入口として、 まずは 現在分詞は起こす側、過去分詞は受ける側 という向きを押さえておきたい。